第37回東京国際映画祭が28日に正式に開幕した。午後3時からレッドカーペットが行われ、午後5時から開幕式が開催された。台湾からは侯孝賢と張艾嘉が製作総指揮を務め、黄熙が監督を務めた『娘の娘』が2024東京国際映画祭コンペティション部門に出品された。
台湾関連作品として、片山慎三監督による日台合作で90%以上を台湾で撮影した『雨の中の欲情』も15作品の一つとして選出された。また、日台米合作で李康生主演の『黒の牛』が「アジアの未来部門」に選出された。
午後のレッドカーペットには多くのスターが集まり、日本の女優・綾瀨はるかが初参加。綾瀨は「(レッドカーペットでは)お祭りの雰囲気を楽しみたい」と述べた。出演作『ルート29』が「ガラ・セレクション」部門で上映され、森井監督、大澤一菜らと共に登場した。
米倉涼子は『ドクターX~外科医・大門未知子~』(朝日テレビ)で共演した岸部一徳と腕を組んで登場。同ドラマの劇場版『劇場版ドクターX』は「女性エンパワーメント部門」に選出され、12年に及ぶシリーズの幕を閉じることになる。
世界各地の監督、俳優、映画関係者が参加し、計208作品が出品された。レッドカーペットでは、映画祭親善大使の菊池凛子、人道精神賞審査委員長の齋藤工をはじめ、山田孝之、菅田将暉、井上真央、松重豊など約200名の内外の来賓が162メートルのレッドカーペットを歩いた。なお、閉幕作品はフランス映画『マルチェロ・ミオ』となっている。
開幕式は、バーチャルシンガーの花譜と声優の佐倉綾音が司会を務め、開幕作品『十一人の賊軍』の白石和彌監督が山田孝之、仲野太賀、野村周平らの出演者と共に登壇し挨拶した。山田は開幕式のスピーチで、映画を観る際に自身や周囲の環境を状況に重ね合わせることで、より深い共感が生まれるだろうと述べた。
東京国際映画祭は「東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流を促進する」ことを使命としている。今回の映画祭親善大使は女優の菊地凜子が務め、審査委員長は香港の俳優・梁朝偉が務める。日比谷、有楽町、丸の内、銀座エリアで開催され、11月6日まで続く。
開幕作品「十一人の賊軍」
『十一人の賊軍』の一般上映初日には、白石和彌監督、山田孝之、鞘師里保らが丸の内ピカデリー1・2での舞台挨拶に登壇。山田孝之は自身の名前を繰り返す独特な自己紹介で会場を沸かせ、観客に作品を存分に楽しんでほしいと述べた。様々な視点やストーリーがある作品で、異なる角度から見ることで、違った記憶や感覚を体験できるかもしれないと語った。
鞘師里保も同様に名前を繰り返す自己紹介で笑いを誘い、映画初出演ながら先輩方のサポートのもと全力で演技に取り組んだと述べた。自身の役柄について、劇中で奮闘する他のキャラクターを支える存在であり、その感情表現に注目してほしいと語った。
白石監督は開幕作品として選ばれた栄誉を語り、観客への感謝を述べた。本作は著名な脚本家・笠原和夫の未完の脚本を基にしており、60年の時を経て映画化できたことへの喜びと緊張を語った。観客には作品をじっくりと味わってほしいと述べた。
編集:佐野華美
台湾ニュースをもっと深く:風傳媒日本語版Xをフォロー👉 @stormmedia_jp