【独占インタビュー】中国の台頭「後発優位」に 関中氏:米国、台湾を守れず 守る勇気もない

中国の軍事力が急速に台頭し「後発ながら優位に立つ」中、元考試院院長・関中氏は、アメリカは虚勢を張るしかなく、台湾を守れない考える。(新華社)
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世界情勢が米中の大国間競争に向かっていることは疑いようのない事実となっている。シンガポールのベテラン外交官、キショア・マブバニ氏が11日に台北で講演を行い、台湾は世界で起きている構造的変化を無視することはできないと警告した。『強権即公理:これがアメリカだ』という新書を出版した前考試院院長の関中氏は、風傳媒のインタビューで、アメリカはまるで黒社会の親分のようで、退位を受け入れられず虚勢を張っていると強調。台湾海峡で紛争が起きた場合、「アメリカは台湾を守れないし、守る勇気もない」と述べる。

中国経済の急速な成長、アメリカは世界の趨勢の変化を受け入れられない

米中の大国間競争の今後の展開について、関中氏は「中国がアメリカを困らせているのか、それともアメリカが中国を困らせているのか?」と我々に尋ねた。関中氏によると、中国は再三アメリカに対し、両国が平和的に共存可能と表明し、対立する理由は一つもないと主張している。しかし、アメリカは敢えて中国と対立し、両岸統一を阻止しようとしている。その背景にはアメリカの利益考慮があり、この拡張主義国家は台湾を「第一島鎖」防衛線に組み込んでいる。この事実は「アメリカの傲慢さと横暴さを浮き彫りにし、理不尽で利己的であることを示している。アメリカは自国の安全・地位・利益の最大化を妨げるものを一切受け入れられないのだ」と関中氏は述べている。

アメリカのトルーマン政権時代の国務長官ディーン・アチソンは、アメリカの権力・地位・名誉への挑戦はすべて法的問題ではなく、つまり政治問題であり、政治的解決が必要だと述べた。関中氏の見解では、過去にアメリカは高い地位にあったが、今や世界の趨勢は変化し、アメリカが下り坂にあることは争えない事実だ。しかし、アメリカはまるで黒社会の親分のようで、退位を受け入れられず虚勢を張っているのだという。


考試院前院長關中出版新書《強權即公理:這就是美國》,他在接受《風傳媒》專訪時表示,美中實力此消彼漲,台海要是發生衝突,「美國保護不了台灣,也不敢保護台灣」。(張鈞凱攝)
元考試院院長・関中氏、『風傳媒』のインタビューに応じる。台湾海峡で紛争が発生した場合、「アメリカは台湾を守れない、守る勇気もない」と語る。(張鈞凱撮影)


一方、中国経済の成長速度は非常に速く、2025年、遅くとも2030年にはアメリカに追いつくと予測する人もいる。ここ数年、新型コロナウイルスの流行による3年間の都市封鎖に加え、アメリカの対中貿易戦争、技術戦争、金融戦争による包囲網により、中国経済は確かに打撃を受けた。しかし、関中氏は、中国の経済成長が5%に減速してもアメリカの2倍であり、外部からは中国経済の発展を悲観視する声が多いものの、一国の経済はゼロからの出発時には当然速く成長し、一定の水準を超えると安定し、その後徐々に緩やかになると考えている。「中国経済が過去のように毎年9%から10%の成長を維持することを期待するのは不可能であり、非現実的だ」と関中氏は述べた。 (関連記事: 【独占】台湾プラスチック大手幹部、上海空港で突如拘束 専門家:不要不急の中国渡航を避けるよう 関連記事をもっと読む

国力と軍事力で「後発組が優位に」、アメリカは中国の抑え込みを主導

製造業を例に挙げると、関中氏は中国の現在の製造業は非常に多く、約アメリカの3倍近く、日本の6倍、ドイツの9倍だと指摘。「かつて日本とドイツはいかに強大な国家だったか。両国は世界大戦を引き起こし、アメリカに挑戦できたが、現在ではもはや取るに足らない存在だ」と。中国は第3次産業革命まで参与しなかったが、いまでは第4次産業革命に追いつき、多くの面で遥かに先行している。「これは軽視できない」と関中氏は述べた。

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