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編集部

台湾外交の最後の砦が揺らぐ:アフリカ唯一の外交関係国スワジランドに忍び寄る中国マネー

アフリカ唯一の「台湾の味方」に中国の影:スワジランドで進む経済浸透

ニュースサイト「セマフォー・アフリカ」の報道によると、中国がアフリカ南部のスワジランド王国(エスワティニ)で商業・経済的利益を拡大しつつある。これは、アフリカで台湾唯一の外交関係国であるスワジランドが徐々に北京に接近している兆候だとされる。


中国アフリカ協力フォーラムを拒否するも、密かに関係改善?

先週開催された中国アフリカ協力フォーラム北京サミットで、スワジランドはアフリカ54カ国中唯一の不参加国だった。中国が全ての貿易関係を断つと明確に脅したにもかかわらず、スワジランドは長年にわたり台湾との関係断絶を拒否してきた。


しかし、ビジネス関係者によると、スワジランド当局は密かに中国に対する姿勢を軟化させているという。これにより台湾は、中国の企業、ビジネスマン、さらには国家レベルの関係者がこの王国の経済に深く根を下ろしつつある現実に直面せざるを得なくなっている。


台湾大使の懸念:中国人流入が「特別な関係」を脅かす

台湾のスワジランド駐在大使、梁洪昇氏は「セマフォー・アフリカ」に対し、「人口わずか120万人のこの内陸小国に大量の中国人が流入することで、遅かれ早かれ台湾とこの王国との特別な関係が『破壊』されるだろう」と懸念を表明した。


訪中が融和の鍵に?スワジランド要人の中国訪問

「セマフォー・アフリカ」の報道によると、スワジランドと北京の関係改善のもう一つの兆候は2023年末に現れた。スワジランド鉱業管理委員会のグドゥザ・ドラミニ王子が著名なビジネスマンで構成される代表団を率いて中国を訪問。この訪問は中国からの投資を呼び込み、外交関係樹立への道を開くためだったとされる。


しかし、スワジランド政府報道官のアルフェウス・ヌクマロ氏は、この代表団の目的が外交関係樹立のプロセスを開始することだったという説を否定している。


中国国有企業が大型ダム建設契約を獲得

民間のビジネスマンだけでなく、中国の国有企業も進出している。2023年5月、中国電力建設集団がスワジランド政府から1億6500万ドル(約240億円)のムパケニ土堰堤(Mpakeni Embankment Dam)建設契約を獲得した。

スワジランド政府は声明で、「中国とはまだ外交関係を樹立していない」としながらも、「中国電力建設公司の南部アフリカにおけるブランド力を認識している」と述べている。


揺るがぬ台湾との絆?スワジランドの選択に注目

台湾は1968年、スワジランドの首都ムババーネに大使館を設立。同年、スワジランドは英国から独立した。他の多くの国が中国との関係を優先する中、スワジランドは台湾との友好関係を維持してきた。


中国の経済的影響力の拡大により、この関係が今後も続くかは不透明だ。 編集:高畷祐子


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