台湾与党と自民党、初の「2+2」対話を実施
台湾の与党・民進党と日本の自民党は21日、東京の自民党本部で初の「台日外交・防衛政策意見交換会」(台日2+2)を開催。東アジア情勢や経済安全保障などを議論。
「台湾有事は日本有事」の認識で一致
民進党の郭国文立法委員と沈伯洋立法委員、自民党の藤井比早之外交部会長と黄川田仁志国防部会長は、「台湾有事は日本有事、日本有事は台湾有事」との認識で一致。力や脅迫による台湾海峡の現状変更を許さないとの立場を再確認した。。
海上保安協力の実現を評価
郭国文委員は、昨年の対話で提案した台湾海巡署と日本海上保安庁の協力が今年7月に実現したことを評価。海上警備や救難、犯罪対策での協力拡大に期待を示した。
日本版「台湾旅行法」への期待
郭委員は、米国の台湾旅行法に倣い、日本も両国政府間の交流制限を緩和することで、戦術レベルの協力実現につながるとの見方を示した。
経済安全保障での協力深化を提案
郭委員はCPTPP加盟支持に謝意を表明。「米台21世紀貿易イニシアチブ」のような枠組みを提案し、段階的にEPAへの発展を期待。民進党と自民党の対話頻度増加、シンクタンク間交流も提案。
認知戦・グレーゾーン事態への対応で連携
沈伯洋委員は、中国による情報戦や認知戦への対応経験共有を提案。政治、軍事、経済、法律、情報の5分野での協力を呼びかけ。
女性参政と青年の政治参加も議題に
会談後、民進党の李坤城、黄捷、呉沛憶立法委員らも加わり、自民党の渡海紀三朗政調会長と面会。台日関係の深化について議論を交わした。渡海会長は黄捷委員、呉沛憶委員と女性や青年の政治参加について意見を交換。自民党と日本社会が女性の政治参加率向上を目指していると述べた。
今後の展望と期待
郭国文委員は自民党の歴代総裁の台湾支持に感謝を表明。新総裁選の時期に合わせた今回の訪問で、日本の政治情勢を観察する機会も得られたと述べた。李坤城委員は、新総裁の下でも台日関係が深化することへの期待を表明し、両国の公式交流のさらなる進展を希望した。
渡海会長は台日の緊密な交流を評価し、具体的で実行可能な協力の可能性が多くあると指摘。「2+2」などの様々な機構を通じて、今後も台日関係を深化させていきたいと述べた。 今回の対話は、安全保障から経済、さらには政治参加に至るまで、幅広い分野での台日協力の可能性を示すものとなった。両国の戦略的パートナーシップがさらに強化されることが期待される一方、こうした動きに対する中国の反応も注視する必要があるだろう。
編集/高畷祐子