21日ぶり、健康不安説を一掃
中国の習近平国家主席が、21日ぶりに公の場に姿を現した。8月19日にベトナム共産党のトー・ラム書記長と会見した後、20日には北京の人民大会堂で3つの重要な会合に連続して出席し、健康不安説を一掃する形となった。
フィジー首相との会談で外交関係を強化
20日午後、習主席はフィジーのシティベニ・ラブカ首相と会談。パリ五輪での両国の成果を祝福し、共同声明を発表した。王毅国務委員兼外相らが同席し、中国の太平洋地域への外交的関心を示した。
「グローバル・サウス」連帯を強調
続いて、全国人民代表大会の対外交流40周年記念行事に出席した各国議会指導者と会見。蔡奇政治局常務委員、王毅国務委員、李鴻忠天津市党委書記らが同席した。習主席は「我々はみな『グローバル・サウス』の一員」と述べ、発展途上国との連帯を強調した。
パリ五輪代表団を称賛、新時代の中国をアピール
夜には、パリ五輪の中国代表団全員と面会。趙楽際、王滬寧、蔡奇、李希、韓正ら党と国家の指導者も同席した。習主席は「道徳、スタイル、クリーンさにおいて金メダルを獲得した」と選手たちを称賃。特に潘展楽、全紅嬋など「00後」(2000年以降生まれ)の金メダリストとの交流に時間を割き、新時代の中国のイメージを強調した。
中央テレビが異例の長時間報道
これら3つの行事について、中国中央テレビは夜のニュース番組で約18分間にわたり報道。習主席の健康状態に関する憶測を打ち消す狙いがあったとみられる。
習主席は7月29日にホセ・ラモス=ホルタ東ティモール大統領やジョルジャ・メローニ・イタリア首相と会談して以来、公の場に姿を見せておらず、健康状態を巡る憶測が広がっていた。今回の連続露出により、そうした不安を払拭する意図があったと専門家は指摘している。中国指導部の安定性と継続性を内外にアピールする狙いもあったとみられる。 編集/高畷祐子