和歌山県の岸本周平知事が死去、68歳

岸本周平・和歌山県知事

和歌山県の岸本周平知事が4月15日午前9時33分、敗血症性ショックのため和歌山市内の病院で死去した。68歳だった。告別式の日程などは現時点で未定。

岸本氏は14日午前、和歌山市内の知事公舎で意識不明の状態で倒れているところを秘書らに発見され、救急搬送された。病院の集中治療室(ICU)で治療を受けていたが、15日午前9時半ごろ、搬送先の病院で亡くなった。

岸本氏は前日の13日、大阪・関西万博の開幕式に出席し、和歌山県が出展する「関西パビリオン」でみこしを担ぐなど、公務を精力的にこなしていた。また同日夜には、フェイスブックに東京での会談の様子も投稿していた。14日午後には新宮市でのタウンミーティング出席が予定されていたが、体調不良により実現しなかった。

岸本氏は和歌山市出身。東京大学法学部を卒業後、旧大蔵省(現・財務省)に入省し、国庫課長などを務めた。その後トヨタ自動車など民間企業を経て、2009年の衆議院選挙で民主党公認として初当選し、以降5期連続当選。民主党政権下では経済産業政務官を務めた。

2022年には国民民主党を離党し、無所属で和歌山県知事選に立候補。自民党、立憲民主党、国民民主党などの推薦を受けて当選し、知事として1期目を務めていた。

知事就任後は、財政再建や南海トラフ巨大地震への防災対策に尽力。また南紀白浜空港の滑走路延伸計画など、地域活性化にも力を注いだ。県庁職員の働き方改革として「フレックスタイム制」の導入も掲げ、実務派としての手腕が高く評価されていた。

柔道の有段者でもあり、プリンストン大学で教鞭を執った経験を綴った著書『中年英語組』では、英語習得に苦労した様子をユーモアを交えて紹介。飾らない人柄と幅広い人脈でも知られ、多くの県民から親しまれていた。

岸本氏の突然の訃報に、県民からは「地域に親しみを持って接してくれていた」「今後の県政に期待していただけに残念」との声が相次いだ。

地方自治法および公職選挙法の規定により、知事の死亡後は5日以内に県選挙管理委員会に通知され、通知から50日以内に知事選が行われる。知事職の職務は当面、副知事の宮崎泉氏が代理する。

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