産経新聞の報道によると、中国深圳で日本人少年が刺殺される事件が起きた後も、米国・オーストラリア・韓国など環太平洋の先進国の中で、中国への渡航警告が「レベル0」なのは日本だけだ。深圳で日本人少年が刺殺された事件を受け、警告レベルの引き上げを求める国会議員もいるが、外務省は「現時点で見直しの検討はしていないが、中長期的な観点から総合的に判断する」と述べている。
各国の公式サイトによると、米国の中国に対する渡航警告は4段階中レベル3で、「渡航の再検討」を勧告。これは昨年、中国の国家安全法に対応して、米国務省が「中国国内で米国市民が不当に拘束されるリスクがある」と判断したことによるものだ。
台湾については、大陸委員会が6月27日に中国本土および香港・マカオへの渡航警告を「オレンジ」に引き上げ、不要不急の渡航を避けるよう国民に促している。
また、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドのリスクレベルは、いずれも4段階中レベル2だ。韓国の国家情報院も渡航警告を発し、7月1日以降に中国に入国した場合、携帯電話の任意検査や恣意的な拘束の可能性があると警告している。
日本外務省は海外旅行や滞在中の日本人に対する警告レベルを4段階に設定しており、「レベル1」(十分注意)、「レベル2」(不要不急の渡航は止める)、「レベル3」(渡航中止)、「レベル4」(退避勧告)となっています。
今年6月に蘇州で日本人母子が襲撃される事件が発生し、最近では深圳で日本人少年が刺殺される事件が起きたにもかかわらず、日本の中国に対する渡航警告レベルの引き上げはなし。新疆ウイグル自治区とチベット自治区を除く中国のその他の地域に対する渡航警告は「レベル0」のままだ。深圳の事件後、日本外務省は「子供連れで旅行する家族は十分注意」と注意喚起するにとどまっていまる。
無所属の松原仁衆議院議員は、「中国で生活する日本人は反日教育のリスクに直面している。日本はこの事件を機に警告レベルを引き上げ、習近平政権に対応策の改善を促すべきだ」と主張。松原議員は、一連の対日攻撃事件は中国の「反日教育」に起因している可能性があり、中国メディアが少年刺殺事件をほとんど報道していないのは「愛国無罪」を宣伝しているかのようだと指摘。彼は「少なくとも渡航警告レベルを引き上げるべきで、そうしなければ国家としての立場を失うことになる」と強く訴えている。
編集:佐野華美
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