台湾人投手・王彦程選手インタビュー》心境の変化を語る「来年は100イニングを」

東北楽天ゴールデンイーグルスの王彦程選手は、かつて台湾U18代表選手であった。(資料写真、主催者提供)
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穀保家商業高校出身の王彦程選手は、元台湾U18代表選手で、2019年に育成選手として東北楽天ゴールデンイーグルスに入団。昨年9月のシーズン終盤に『風傳媒』の独占インタビューに応じた。2024年シーズンについて、王選手は「毎年の成績と状態を振り返ると、新たな課題や問題が見つかったので、それを学び変えていく必要がある。基本的な球速やコントロールはもちろん、体力や球種、さらに細かいところでは心境の変化もあります」と語った。また、昨年は新しいメニューを導入し、特にウエイトトレーニングの強度を上げたことを明かした。

王選手は2023年のシーズン後、台湾代表としてアジア大会野球競技に出場し、その後はCPBL選抜チームの一員として東アジア野球選手権に参加。さらに、同チームの投手・宋家豪選手とともにアメリカ・シアトルで自主トレーニングを行い、科学的データを活用して新たな収穫を得た。王選手は「アメリカでの経験後、投球に対する制御感が増し、今年は例年より球速も上がりました。特別に設計した球種もあり、今季の試合で使用しています。特に印象的だったのは、アメリカでは普段アジアではあまり見かけないアメリカやラテンアメリカの選手たちと出会えたことです。彼らの練習を見ると目が開かれる思いでした。スタイルも練習量も、アジアではなかなか見られないものでした」と語る。

王彥程は過去と現在の違いについて言及し、台湾では高校を卒業し、日本でプロ選手として活動していたと語った。楽天に所属していた時、春季キャンプでは投手の球速設定や、投手のブルペンでの投球量、ランニング量が決まっており、グループでの練習も多かった。投球以外にも牽制や補助のポジションについて強調されており、まさに想像通りの日本式トレーニングだったという。また、チームメンバーは集合時間前に自分のコンディションを整えている。

来季の目標「100イニング投球・一軍でプレー」

日本での数年間について振り返ると、最初は言葉や文化に慣れるのが大変だったと話し、初めの頃は外出もあまりできず、食事の注文も難しかったと振り返った。日本に来た際にうまくできなかったこととして、目を合わせて挨拶をするのが難しく、特に握手の際は目をしっかりと見つめるべきだと指摘されたことを挙げ、宋家豪や楽天の通訳マンニーにアドバイスを受け、現在では挨拶も自然にできるようになったと感謝の気持ちを述べた。

シーズンが終わりに近づく中、王彥程は来季の目標として「楽天に入ってからまだ長いイニングを投げたことがないので、2025年は100イニング以上投げることを目標にしたい」と語った。また、最も重要なのは「一軍の舞台で最高のパフォーマンスを発揮することだ」と強調。さらに、2025年の世界12強大会に出場するかについて問われると、王彥程は「代表としてプレーすることは非常に名誉なことだと感じており、出場できるのであれば、最高のコンディションで臨みたい」と話した。また、楽天が参加する秋季教育リーグ「宮崎フェニックスリーグ」への参加については、「もし参加することがあれば、そこでしっかりと調整したい。今年はケガで多くの試合を欠場したので、参加できるなら、そのチャンスを活かしたい」と述べた。

ファンの応援に感謝 王彥程:「もっと良い投手になりたい」

ファンからの応援については、王彥程はネット上で多くの応援メッセージを見て温かい気持ちになり、家族や友人からも試合後や試合中に励ましの言葉をもらっていることを明かした。

これまでの自分の印象に残った瞬間としては、主に国際試合、特に昨年のアジア大会とアジアカップでの経験を挙げた。「台湾のトップ選手たちと同じチームでプレーし、対戦相手は世界中のトップ選手たちという特別な感覚があり、非常に楽しんでいた」また、特に韓国との試合が印象深かったとし、アジア大会やアジアカップでの投球内容が理想的でなかったことを悔しく感じ、それが自分の足りない部分を気づかせてくれたと語り、「その悔しさを忘れず、より良い投手になりたい」と話した。

編集:佐野華美