【新ニュース】がんは年齢を選ばない、予防対策が急務 若年性大腸がん増加の真因が判明

2025-06-02 19:59
若年の大腸がん患者は、まずこの有害菌が腸内に侵入することを許し、さらにその菌に適した環境と食物を継続的に提供することが最も重要である。(資料写真、AP通信)

大腸がんは数年間、国民に多発するがんの首位を占めていたが、現在は肺がんに取って代わられた。しかしながら、大腸がんは若年化の傾向にあり、不安の種ともなっている。最近、医学のトップジャーナル『ネイチャー』(Nature)は大型研究を発表し、若い大腸がん患者の腸内に特定の大腸菌が存在することを発見した。この菌は遺伝的毒素を生成し、腸内細胞に潜入して遺伝子を破壊、変異を引き起こし、その結果として大腸がんへ発展させる。専門家は今、どのような人がこの特定の大腸菌を持っているのか、またその理由はまだ明らかではないとしているが、現代の若者の長期にわたる間違った生活習慣・多肉少菜・外食による多量の油分・甘味飲料・抗生物質の乱用などが「密かに細菌のドアを開けている」可能性が高いと指摘している。

多くの人は大腸がんが年を取ってからかかる病気だと思っているが、近年、医療界では不安な傾向が見られている。大腸がんの発症年齢が急速に低下しているのだ。多くの若者は働き始めて数年しか経っておらず、人生を懸命に生きている中で、突然健康診断で大腸鏡検査を受け、大腸がんと診断されることがある。このような若い大腸がん患者はしばしば医師に苦悩しつつ尋ねる。「家族に大腸がんの人はいないし、特に悪い生活習慣もないのに、どうして私が?」

「変異シグネチャー」はDNAにおける「犯罪現場の指紋」

全世界の科学者がこの疑問に解答を見つけようとしているさ中、11か国の科学者たちが「結直腸がん図譜アライアンス」を結成することを決定した。彼らはそれぞれの国で40歳未満の大腸がん患者を約1000人集め、遺伝子研究を行った。この不眠不休の作業により、医学分野で彼らが最後のピースを埋めることができ、見過ごされがちだった犯人を発見した。それは幼少期の腸内に潜んでいる細菌であり、早々に体内にがんを引き起こす痕跡を残していた可能性がある。

研究チームは特定の大腸菌がcolibactinと呼ばれる遺伝子毒素を産生することを指摘した。それは下痢を引き起こしたり、発熱させることはないが、むしろ恐ろしい行動を起こす可能性が高い。それは腸内細胞に潜入し、遺伝子を破壊し、潜在的な変異を残す。この変異は何十年にもわたって残存する可能性がある。

許多人都發現,保全有年輕化的趨勢,有越來越多年輕人去應徵保全。(示意圖/取自pixabay)
医療界が憂慮すべき傾向を確認──大腸がん発症年齢が急速に低下している。(資料写真、pixabayより)

この国際的な研究は、colibactinの遺伝子毒素が遺伝子に引き起こす変異、いわゆる「変異シグネチャー」(mutational signatures)を示している。それは特にSBS88とID18のように、DNAにおける「犯罪現場の指紋」のようなものである。 (関連記事: AI医療》「透析大国」台湾 AI技術で命を守る最前線へ 関連記事をもっと読む

台北栄総の婦人医学部遺伝優生科の主任、張家銘氏は、研究を通して、この科学者たちが明らかに深く信じていることを強調している。この若い大腸がん患者の体内での変異の痕跡こそが、彼らが若くして大腸がんを患う主因である。なぜなら研究は示している。同じ大腸がん患者であっても、40歳未満の患者の体内にあるこの2つの変異は、70歳以上の患者に比べて、3.3倍以上多いからである。(高齢患者の病因メカニズムは若い患者とは異なる可能性がある)。