東京を拠点に活動する台湾出身のネイリスト、Cheryl氏が運営する「NeiruNailStudio」が注目を集めている。爪本来の健康を守りながら美しさを追求するという独自の理念を掲げ、台湾メディア『風傳媒(The Storm Media)』の取材に応じた。国境を越えたキャリアを歩んできた彼女は、現在、東京で着実に自身の世界を築き上げている。
台湾からニューヨーク、そして東京へ―挑戦の軌跡
Cheryl氏のネイリストとしてのキャリアは故郷・台湾から始まった。その後、技術向上と視野拡大を求めてアメリカ・ニューヨークに渡り、約1年間活動を続けた。しかし、ニューヨークでの日々は決して平坦ではなかったという。
「環境の高圧感に押し潰されそうだった」と当時を振り返るCheryl氏。仕事そのものより、日常生活における治安の悪化が精神的な負担となった。特に地下鉄や街中で頻発するトラブルにより、日々の移動すら危険を感じるようになったとし、コロナ禍による社会不安がそれに拍車をかけたと語る。
安全な環境で長く自分らしく活動を続けるため、次なる拠点を模索。選んだのが日本・東京だった。かつてパートナーがワーキングホリデーで滞在経験を持っていた日本は、彼女にとっても新たな挑戦の地となった。
2023年、経営管理ビザを取得し、東京で「NeiruNailStudio」を立ち上げた。ここから新たな物語が始まった。

日本で築いた独自スタイル―柔軟な対応と顧客第一主義
「NeiruNailStudio」では一般的な日本のネイルサロンとは一線を画すスタイルを貫いている。多くのサロンが「コース制」を採用しデザイン変更を認めない中、Cheryl氏は顧客の希望を最優先に考え、持ち込みデザインのアレンジや細かな要望にも柔軟に対応しているという。
「お客様の想いを形にするのが私の仕事。最初に持ってこられたイメージを尊重しつつ、プロの視点でより洗練された提案をすることを心がけています」と微笑む。
この柔軟な姿勢が多くのリピーターを生み、口コミで評判を広げた。注目すべきは、日本国内だけでなく、台湾、シンガポール、そして中東・ドバイからも顧客が訪れる点だ。ある顧客はわざわざドバイから来日し、彼女の施術を受けるためだけにサロンを訪れたという。国境を越えて信頼を集める技術力とホスピタリティは、まさにCheryl氏の真骨頂といえる。
技術だけでなく、爪本来の「健康美」を伝えたい
サロン運営を通じてCheryl氏が最も強調するのは「爪の健康を損なわないネイル」の重要性だ。
「美しく見えるだけのネイルでは意味がない。地爪そのものが健康でなければ、本当の美しさは生まれない」と断言する。 (関連記事: 【大阪】全身びしょ濡れ必至―USJ「NO LIMIT!クール・サマー」7月開幕へ、水のアトラクション拡充 | 関連記事をもっと読む )
実際、日本に長年住む台湾人や在日華人からは「台湾で受けていたレベルのフットケアを日本で見つけることができなかった」という声が多く寄せられているという。細部まで徹底してケアを施すCheryl氏のスタイルは、単なる装飾を超え、顧客の生活の質そのものを向上させるものだ。