日本でワーキングホリデイ中にカメラマン挑戦 台湾出身・廷廷さん、写真に込めた思い

ワーキングホリデーを利用して日本で働く傍ら、カメラマンとしても活動している延延さん。(写真 黃信維撮影)

台湾出身で現在日本に滞在中の廷廷さんは、ワーキングホリデーを利用して日本で働く傍ら、カメラマンとしての活動を本格化させている。昨年12月に初めて撮影依頼を受けて以来、紹介やSNSでのタグ付けを通じて徐々に依頼が増加。現在は安定したペースで撮影を続けている。

廷廷さんが写真に興味を持ったのは、友人との外出を記録するためがきっかけだった。当初はオリンパス製のカメラを使用していたが、低照度環境での性能に限界を感じ、ソニーのA7C2に機材を一新。以降、ポートレート撮影に注力するようになったという。

また、過去には赤ちゃんや家族を対象とした「抓週(1歳記念行事)」の撮影を経験。ただし、決まった型に沿った撮影が多かったため、「本格的に写真に取り組み始めたのは3年前から」と話す。

延延(黃信維)
ワーキングホリデーを利用して日本で働く傍ら、カメラマンとしても活動している延延さん。(写真 黃信維撮影)

現在、廷廷さんはカメラマン業に加え、チョコレート工場のライン作業も行っている。ライン作業は単純に見えるものの、高い集中力とスピードが求められる過酷な仕事だ。彼女は、異なるパッケージに応じてチョコレートを迅速に箱詰めする役割を担っていた。万一、チョコレートの入れ忘れが発生した場合は、後工程で検品担当が修正する仕組みになっているという。

中でも、チョコレートを入れる作業は最もスピードが要求されるポジションだった。さらに、7時間立ちっぱなしで作業するため、身体的負担も大きかった。「休憩時間は決まっていて、自由にトイレに行くのもためらわれた」と当時を振り返る。

このたび廷廷さんは、工場勤務を辞め、岐阜県・白川郷でのカメラマン業に転職することを決めた。仲介会社を通じて見つけたこの仕事は、スキー場や観光地での撮影が中心だという。「白川郷は四季折々の美しさがあり、自分の写真技術を活かせる環境に期待している」と意欲を見せる。

ワーキングホリデーを利用して日本で働く傍ら、カメラマンとしても活動している延延さん。(写真 黃信維撮影)
ワーキングホリデーを利用して日本で働く傍ら、カメラマンとしても活動している延延さん。(写真 黃信維撮影)

廷廷さんは、写真への思いも一層強くなった。「写真は、その瞬間だけでなく、大切な記憶も残してくれる」と語り、特に自然な一瞬を捉えた写真に大きな魅力を感じているという。

今後は、カップルの思い出作りを支援する撮影にも力を入れたい考えだ。また、日本滞在中に撮影した写真をまとめた写真集の出版も目指している。わずか一年足らずの滞在であっても、「すでにたくさんの写真を撮りためた」と話し、旅の軌跡を一冊にまとめる計画を進めている。

廷廷さんは、「特に日本に憧れて来たわけではなく、新たな環境でリフレッシュしたかった」と来日の動機を明かす。日本の音楽ビデオに影響を受けたことも背景にあり、今ではカメラが彼女の日本生活を支える大切な存在となっている。

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