アメリカ海軍のF/A-18Eスーパーホーネット戦闘機が28日、USSトルーマン(CVN 75)航空母艦の甲板から墜落。軍事ニュースサイト「ザ・ウォーゾーン」によると、航艦は紅海でフーシの武装勢力からの攻撃を回避するために急旋回しており、その際に航空機を牽引するトレーラーも海に落下した。幸いにも一人の水兵が軽傷ですんだ。
米国のCNNがこの事故を初めて報じ、USSトルーマンは紅海で任務を行っている最中にフーシの火力を避けるための急旋回を行った可能性が事故の原因の一つだと指摘。「ミリタリー・ドットコム」も匿名の官僚の言葉を引用し、事態の詳細を確認した。「ザ・ウォーゾーン」は、アメリカ軍のスーパーホーネット航空母艦はその巨大なサイズにもかかわらず、脅威に対処するために高速運動ができると強調。
海軍広報室の声明によれば、事故発生時、第136攻撃戦隊(VFA-136)に属するF/A-18E戦闘機が格納庫内でトレーラーによって牽引されていたが、牽引操作が制御を失い、航空機がトレーラーと共に海に落下。幸いにもこの事故では一人の水兵が軽傷を負っただけで、トレーラーのチームが迅速に航空機から退避し、より大きな犠牲を防いだ。関連する調査は進行中だ。
UPDATE: A US official said that initial reports from the scene indicated that the Truman made a hard turn to evade Houthi fire, which contributed to the fighter jet falling overboard.https://t.co/TqrvCDUy3Thttps://t.co/2NFimBjl0A
— Natasha Bertrand (@NatashaBertrand)April 28, 2025
「ザ・ウォーゾーン」は、艦載機の墜落事故が発生したにもかかわらず、USSトルーマン打撃群及びその搭載航空隊は引き続き全面的な戦闘能力を保っていると強調した。この打撃群にはUSSトルーマン航空母艦、第一航空隊に所属する9つの中隊、3隻の弾道ミサイル駆逐艦、そしてティコニデロガ級巡洋艦「ゲティスバーグ」(USS Gettysburg, CG 64)が含まれている。
トルーマン号の事故頻発
USSトルーマン打撃群は昨年9月に紅海に展開し、周辺海域での作戦任務を実施しています。フーシ武装勢力に対する威嚇や反撃を行う一方、ソマリアの「イスラム国」(ISIS)テロ組織に対しても空爆を行っている。今年3月、ペンタゴンはトルーマン号の展開を延長し、フーシ武装勢力への打撃行動を強化した。
24/7 operations continue against Iran-backed Houthis from CENTCOM forces aboard USS Harry S. Truman (CVN 75) and USS Carl Vinson (CVN 70).#HouthisAreTerroristspic.twitter.com/ArFPA86WYo
— U.S. Central Command (@CENTCOM)April 26, 2025
現在、トルーマン号が28日に直面した脅威の規模は不明だが、フーシ武装勢力はここ数ヶ月間、アメリカ軍に対して頻繁に攻撃を仕掛けている。具体的に攻撃を成功させてはいないものの、彼らの対艦弾道ミサイル、巡航ミサイル、および自爆ドローンは、依然として実質的な脅威をもたらしている。
「ザ・ウォーゾーン」は、昨年12月、トルーマン号打撃群がフーシ武装勢力の自爆ドローンの脅威に対処する中で友軍誤射事件が発生し、打撃群の巡洋艦「ゲティスバーグ」が誤ってF/A-18F戦闘機を撃墜したことを指摘。長期間の高強度作戦環境が明らかに作戦リスクを増大させている。
トルーマン号は28日の事故の直前、2月16日に修理を終えて戦場に復帰したばかり。今年2月上旬、トルーマン号は地中海で商船と衝突し、船体が損傷したが、艦載機には影響がなく、負傷者もなかった。この衝突事故後、トルーマン号の艦長にはクリストファー・ヒル大佐が就任。彼は「ドワイト・D・アイゼンハワー」航空母艦(USS Dwight D. Eisenhower)の指揮を取った経験もあり、高強度の戦闘に備えた配備に参与してきた。
編集:佐野華美
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