陸文浩の視点:中国人民解放軍海軍の対台湾軍事演習における兵力展開の特徴

2024年10月、中国海軍の遼寧艦と山東艦による双空母編隊の遠洋演習。(人民海軍公式ウェイボー)


英国国防省が8日に発表したところによると、「ウェールズ王子」空母(F-35Bステルス戦闘機搭載)打撃群は4月22日にポーツマスを出発し、まずイギリス南西部コーンウォール沖合で45型防空駆逐艦、23型フリゲート艦、原子力攻撃潜水艦および燃料・弾薬補給艦などの海空兵力と合流した後、地中海に向かいNATO「ネプチューン・ストライク」演習に参加する。その後、「インド太平洋地域」のインド、シンガポール、マレーシアを訪問し、夏頃には日本の港に寄港する予定だ。その際、日本、オーストラリアなどと合同演習を実施する。この期間中、中国軍東部戦区の海空兵力は台湾周辺海域に重兵を配備し、頻繁に軍事演習を行うと見られており、中国軍の空母も第一列島線内に接近して支援する見込みである。

近頃、中国軍東部戦区は4月初めに「合同演習訓練」、「海峡雷霆-2025A」などの対台湾軍事演習を終了した(関連報道:中国軍の作戦級合同演習訓練が驚くべき変化—戦術級演習と軍事演習コード名が混在)。相次いで当局者や学者たちは、中国軍が対台湾軍事演習を通じて軍威を樹立し、近年の中国軍高官の汚職や軍内部の粛清などに対応しているという主観的な見方を示している。このような分析の古典的なパターンは、筆者が幼少期から今日まで見てきた「汗牛充棟」(非常に多い)ものであり、類似の言説は長年衰えることがない。そこで筆者は中国軍の「統合作戦」と各方面の情報から、中国海軍兵力の近年の対台湾演習訓練への参加状況という視点で分析し、東部戦区の主力兵力の経験値がすでに半分に達していること、また南部戦区の山東号空母艦隊が支援部隊および外部勢力の介入を阻止する部隊となっていることを発見した。

まず、中国海軍の過去4年間の対台湾軍事演習(末尾の表を参照)では、東アジア担当の海空域で「近海防衛」を実行するのは、中国軍東部戦区が主導している。

2022年8月の台湾周辺軍事演習、2023年4月の「統合利剣」、2024年5月の「統合利剣-2024A」、2024年10月の「統合利剣-2024B」、2025年4月初めなどの五回の対台湾軍事演習における兵力配置について見ていく。 (関連記事: 「絶対に屈しない」トランプ氏、なぜ重要政策で次々と後退?《WSJ》「もはや力及ばず」 関連記事をもっと読む

東部戦区海軍の主要参加兵力は、浙江省舟山の第3駆逐艦支隊(略称「駆支」)と第6駆逐艦支隊で、それぞれ約8隻と7隻を派遣している。また、上海水警区所属の江蘇省連雲港連島の第13護衛艦支隊(略称「護支」)と上海水警区所属の上海呉淞の第14「護支」および福建省寧徳三都澳の第15「護支」、福建省廈門の第16「護支」などが所有する8隻が参加。その他、上海基地虬江埠頭の第5「登支」、浙江省舟山の第2作戦支援艦支隊とその所属の偵察船大隊などの艦船3隻も参加している。前述の艦船は五回の軍事演習に合計26隻、延べ39隻が参加した。二回参加したのは054A型護衛艦荊州号/532、054A型護衛艦南通号/533、052C型駆逐艦西安号/153、054A型護衛艦益陽号/548、054A型護衛艦安陽号/599、054型護衛艦馬鞍山号/525など、三回参加したのは052D型駆逐艦太原号/131、052C型駆逐艦長春号/150、052D型駆逐艦南京号/155などで、一回のみ参加した艦船は表を参照されたい。