ナウル共和国は2024年に台湾との外交関係を断ち切り、中国と国交樹立をしたが、期待していた経済援助は1年経っても実現していない。かつてリン鉱石で豊かになり「世界で最も裕福な国」と称えられたこの小さな島国は、現在、経済の衰退と生存の危機に直面。気候変動による緊急の脅威に対応するため、住民移住の資金を調達する目的で、再び国籍販売計画を開始せざるを得なくなった。
かつての世界一の豊かな小国、台湾との断交・中国への転向で困難に
「デイリー・エクスプレス」の報道によると、ナウルの総面積はわずか21平方キロメートル、人口は約1万2千人である。国土は小さいながらも、肥料製造の重要原料である「純粋なリン酸塩」を大量に埋蔵していたため、20世紀半ばにはリン鉱石の輸出で大きな外貨を稼ぎ、経済が急速に成長し、一時は一人当たりの所得が最も高い国の一つになった。
しかし、過剰な採掘は最終的に資源の枯渇をもたらした。1990年代までに、島の地表の80%以上が破壊され、ギザギザの石灰岩の採掘跡だけが残り、広大な土地が今でも居住不可能な状態である。島の生態系と漁業資源も同時に損なわれ、かつての繁栄は泡と消えた。
ナウル、パスポート販売・収容所運営で生き残りを模索!中国の援助実現せず
資源が枯渇する中、ナウルは近年、オフショア金融センターの設立、パスポートの販売、オーストラリアとの協力による亡命希望者収容センターの設置などを通じて経済的支援を求めてきたが、国際的な論争と批判を浴びてきた。
政治的には中国と台湾の間で何度も方向転換している:2002年に台湾との関係を断ち、中国と国交を樹立した。2005年に中国の援助が実現せず台湾との関係を回復し、2024年に再び台湾との関係を断ち、中国の懐に戻った。
現在、中国に転向した後も、実質的な経済援助はまだ見られず、リン酸塩はすでに枯渇し、新たな産業や投資も見られないため、「外交関係と引き換えに経済援助を得る」という期待は再び裏切られている。
2025年に「ゴールデンパスポート」計画を再開
地球温暖化による海面上昇は島の境界を侵食し続け、ナウルは国土存続の危機に直面している。これに対して、当局は再び「ゴールデンパスポート」計画を導入し、外国人が高額でナウルの国籍を取得可能にした。住民の移住を支援するための十分な資金を調達し、人口流出を食い止め、将来を再建するための最後の手段として期待されている。
外部からは、中国との国交樹立後、ナウルは政治的に立場を選んだものの、その脆弱な経済と悪化する生態学的状況は、外交的な方向転換だけでは改善されないのではないかという懸念が持たれている。
編集:佐野華美 (関連記事: 頼清徳が危険?国家安全局が中国軍の「斬首作戦」の様相を暴露 特勤が半年ごとに安全検査を実施 | 関連記事をもっと読む )
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