日本の石破茂首相は19日、NHK「日曜討論」の特別インタビューで、トランプ政権との「対等性関税」交渉において日本は核心的な制度で立場を堅持すると強調し、「食品安全や自動車安全基準では譲歩しない」と述べた。しかし、『日経アジア』の報道によると、日本政府は米国からのコメ輸入拡大を検討しており、これが米国との交渉における最初の譲歩項目になる可能性がある。
米に関して、日本は最低輸入枠(ミニマムアクセス)制度を採用しているが、その量は非常に少なく免税輸入・販売される米は約77万トンで、日本の年間生産量の約1%にすぎない。そのうち主食用米の輸入枠は約10万トンに制限されており、この範囲内でアメリカはすでに日本最大の米輸入国で、シェアは60%に達し、次いでオーストラリア・台湾となっている。
米国は日本最大の米輸入国、それでもトランプは700%関税を口実に
しかし、輸入量がこの10万トンの主食用米枠を超えると、1キロあたり341円の高額関税が課され、これは実質的に約700%の関税率に相当する。この高関税は長年にわたり論争の的となっており、トランプ米大統領が日本の米関税が高すぎると批判する理由ともなっている。日本政府はこの数字を「時代遅れの計算方法」と主張しているが、貿易圧力の存在は否定していない。
しかし、日米関税交渉が佳境を迎える前に、日本はすでに米の需要超過と価格高騰という窮地に陥っていた。ロイターの報道によると、4月6日時点で日本のスーパーの米価格は14週連続で上昇し、平均5キロあたり4214円(約29.65ドル)と、前年同期の約2倍に。政府は先月から備蓄米の放出を開始し、7月まで毎月供給を続けているが、流通価格を効果的に抑制することはできていない。
日本の消費者の輸入米に対する受容度は想像以上に高い。イオンは8:2の米国産と日本産のブレンド米を発売し、松屋やColowide は純米国産米に切り替え、西友で販売されている台湾米も品切れ続出の状態だ。日本のレストラン経営者の平野新氏はロイターのインタビューで、カリフォルニア産カルローズ米の輸入価格も2倍になったが、依然として国産米よりはるかに安いと率直に認め、「国産価格が下がらない限り、戻すつもりはない」と述べている。
日本財務省:年間10万トンの免税米輸入上限を拡大へ
4月中旬の第一回日米閣僚級会談では、米国側の代表にはベセント財務長官、ルトニック商務長官、グリア通商代表が含まれ、彼らはUSTRが3月に発表した「貿易障壁報告書」を引用し、日本に対して米・牛肉・ジャガイモ・自動車分野での市場開放を全面的に要求した。日本側の代表、赤沢亮正経済再生担当大臣は「包括的な合意」の推進を望み、農産物での譲歩と引き換えに工業製品関税の撤廃を目指すと表明した。 (関連記事: 黄偉哲が弘前市長を表敬訪問!りんごの木を植樹し両市の友情と市民の安全を祈願 | 関連記事をもっと読む )

「読売新聞」の報道によると、トランプは交渉後、予想外に赤沢亮正をホワイトハウスの大統領執務室に招き入れ、両国間に「重大な進展」があったと述べたが、具体的な内容は明かさなかった。赤沢亮正は帰国後、会談中にトランプが「日本は最優先国」と強調するのを何度も聞き、明らかな圧力を感じたことを認めている。