「米中首脳会談」によって米中関係が一定の緩和を示す中、「中国第十五次五カ年計画」をどのように読み解くべきか。淡江大学の張五岳・両岸関係研究センター主任は11月20日のフォーラムで、今から来年4月まで台湾海峡情勢は概ね可控であり、短期的に重大な変化が生じる可能性は低いと指摘した。そのうえで、台湾が当面最も注視すべきは軍事衝突ではなく、米中の技術・経済摩擦によって加速する世界的サプライチェーン再編の圧力だと強調した。
第十五次五ヵ年計画の焦点は「発展」「経済」「科技」
張氏は、11月20日に北威で開催された「米中新局:中国第十五次五ヵ年計画とグローバル経済の新局面」フォーラムで講演し、中国共産党四中全会後の政策方向はより集中化し、その核心は科学技術の自立自強、内需拡大、実体経済の強化に置かれていると述べた。公式文書で最も頻出するキーワードは「発展」「経済」「科技」「安定」の4つだという。

さらに、中国は新エネルギー車・EVなどで過剰生産による内巻き(インボリューション)が進み、輸出構造も変化していると分析した。対米比率は低下し、ASEAN、EU、新興市場が成長の主軸へと移っている。今後の経済動力は、内需回復と、民間企業が技術封鎖を突破できるかに左右されると指摘した。
また北京の人事変化については、中央レベルの動きは限定的だが、人民解放軍の高層では明らかな引き締めが行われており、35人の上将のうち公に姿を見せているのは約3分の1にとどまると述べた。ただし、これは権力不安の兆候ではなく、習近平による軍掌握強化の表れだとしている。
米中は全面デカップリングできない
張氏は、ハイテク分野における米中デカップリングは避けられず、半導体やAIは「一つの地球に二つの標準」が形成されつつあると分析する。一方で、米国は製造業回帰を進めてはいるものの、商船、鉄鋼、アルミ、精密素材などでは依然として脆弱で、全面的なデカップリングの条件は整っていないと指摘した。
特にレアアースは米国の大きな弱点であり、世界の約5000件のレアアース特許のうち中国が4000件以上を握っている。米国が自立性を高めるには少なくとも5年は必要だという。
米中の今後のやり取りについては、米中首脳会談で約100分にわたり協議が行われたものの、多くの議題は来年4月に持ち越されていると述べた。張氏は、仮にトランプ大統領が来年訪中した場合、中国は大豆輸入の拡大などで応じる可能性があると予測した。

国共交流は来年初めに再開の可能性
張氏によれば、台湾の輸出の3分の2は依然として米国の無関税待遇を享受しており、これは世界的にも稀な優遇措置である。しかし、トランプ氏が主張する先端製造「5:5生産能力」や、TSMCへの追加投資要求には台湾側が全面的に応じることは難しく、今後の交渉圧力は一段と強まると述べた。
台湾海峡問題については、北京は引き続き注視しているものの、緊迫性の高い動きは見られないとする。台湾内部の意見分断は依然として存在し、米台間の軍事・外交における協力も米中衝突を誘発するほどの水準には達していないという。そのため、国共交流は年末から来年初めに再開され、安定のチャネルとなる可能性が高いと分析した。

中国経済の見通しについて張氏は、以前は非常に悲観的だったと認めつつ、不動産、地方債、大企業整頓の最も厳しい段階はすでに過ぎたと指摘した。今後の回復の鍵は、
- 科学技術の突破
- 実体経済が収入改善をもたらすか
- 内需投資・消費が回復するか
にかかっていると述べた。そのうえで「急速な回復とは言えないが、最悪の局面はすでに過ぎた」との見方を示した。
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編集:佐野華美 (関連記事: 米中は「対等」の時代へ?トランプ関税戦争が招いた歴史的転換点を元国家安全保障会議幹部が分析 | 関連記事をもっと読む )
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