関心・利用意向と行動に17.4ポイントのギャップ
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:大山俊哉、以下ADK MS)は、2008年より毎年実施している独自調査「ADK生活者総合調査2025」から、「SDGsに関する意識結果」を公表した。同調査は関東・関西地区の男女15~79歳、1万名以上を対象とし、ライフスタイル、消費行動、メディア接触を多面的に把握するもので、今回はサステナビリティ・ソリューショングループとマーケティングインテリジェンス本部が中心となり、SDGsおよび関連項目に対する認知、理解、生活意識との関連性を分析した。
ADK MSでは、企業と社会、企業と生活者の新しい関係を創り出すソリューション開発を掲げており、今回の分析からSDGsに対する高い認知水準の継続、商品・サービス利用や行動変容の阻害要因、若年層の就業意識などが明らかとなった。
SDGs認知率は82.1%で高水準を維持
調査によると、「SDGsを知っている」と回答した人は82.1%で、昨年から0.1ポイント上昇した。年代別ではすべての層で80%前後を保ち、特に50代以上で高い傾向がみられた。一方、関連ワードでは「フェアトレード」(44.1%)が1.5ポイント上昇、「カーボンニュートラル」(52.9%)が2.6ポイント上昇したものの、その他のワードは上昇が鈍化した。
若年層は「SDGsに積極的な企業で働きたい」傾向が鮮明
「SDGsに積極的に取り組む企業で働きたい」と答えた人は全体で38.9%だったが、10代は52%と突出して高かった。また、SDGs関連広告への印象では「わかりやすく広報している」と感じていない人が66.1%に達し、広告理解に課題があることが示された。
「利用意向」と「自身の行動」には17.4ポイントの差
SDGsに積極的な企業の製品・サービスを「利用したい」と回答した人は48.8%だった一方、「自ら積極的にSDGsの行動を取っている」は31.4%にとどまり、両者の間には17.4ポイントのギャップが認められた。利用したい企業の取り組みでは「食品ロス削減」に関心が集中した。
行動阻害要因は「価格の高さ」「手間や時間」「何をすればよいかわからない」
SDGs実現に向けた行動を妨げる要因として最多だったのは「商品・サービスの価格が高い」(56.2%)、次いで「手間や時間がかかり面倒」(27.8%)だった。男女差では、女性は「何をしたらよいかわからない」(25.8%)、男性は「押しつけがましい」(21.5%)が多く回答された。企業に求める施策では「CO2排出量の見える化」(38.5%)、「行動へのポイント付与」(37.0%)、「企業からの情報提供」(35.8%)が上位となった。
共感度の高いSDGs目標は4年連続で「貧困」「海」「健康」が上位
17の目標の中で共感度が最も高かったのは4年連続で「貧困をなくそう」、続いて「海の豊かさを守ろう」「すべての人に健康と福祉を」となった。年代別では60代で8項目、10代で7項目が最も高い共感度を示し、男女別では17項目中15項目で女性の共感度が高かった。
ADK MSは今後も本調査のデータを活用し、ターゲットプロファイリング、新商品開発、メディアプランニングなど、企業のビジネス課題解決に寄与するとしている。
調査概要(2025年調査)
目的:生活者の生活行動・価値観・メディア接触を多面的に把握するため
対象エリア:関東(東京・神奈川・埼玉・千葉・群馬・栃木・茨城)、関西(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)
対象者条件:15~69歳の男女(中学生は除く)
サンプル数:12,053名
調査手法:インターネット調査
調査期間:2025年5月14日〜6月2日
ウエイトバック集計:国勢調査およびエリア構成に合わせて実施
編集:佐野華美
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