高市早苗氏の「台湾有事」発言 岡田克也氏が語る“予想外の真相”

日本衆議院議員・岡田克也氏。(写真/岡田克也氏フェイスブック提供)
日本衆議院議員・岡田克也氏。(写真/岡田克也氏フェイスブック提供)

高市早苗首相が「台湾有事」を集団的自衛権、つまりその行使を認めるための「存立危機事態」と結びつけた発言は、最近の日中対立を引き起こした最大の火種となった。注目すべきは、高市氏が自らこの話題を切り出したわけではなく、国会での質疑応答で議員の質問に答える形だったという点だ。

では、その質問を投げかけた立憲民主党の前幹事長、岡田克也議員は、なぜこのテーマを取り上げたのか。台湾を守るためだったのか、それとも中国を刺激する意図があったのか。日本メディアの最新インタビューによれば、岡田氏はむしろ「台湾有事=日本有事」という考え方に反対する立場で、高市氏が予想外の答弁をした瞬間、岡田氏は「しまった」と感じたという。​

Q.「存立危機事態」とは何か?

「存立危機事態」とは、2015年に成立した安保法制で新たに設けられた概念で、「日本と密接な関係にある国が武力攻撃を受け、その結果、日本の存立が脅かされ、国民の生命・自由・幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険が生じた場合」に、限定的な集団的自衛権の行使を認めるというものだ。安倍政権以降、歴代政権も「台湾有事」や「存立危機事態」についてたびたび問われてきたが、政府は「個別具体の状況に応じ、総合的に判断する必要があり、一概には言えない」として、明確な言及を避け続けてきた。

一方、「台湾有事」について、岡田克也氏は朝日新聞の雑誌『AERA』の取材に対し、特に三人の政治家の発言を問題視していたと明かした。具体的には、(1)安倍晋三氏が首相退任後のシンポジウムで「台湾有事は日本有事だ」と強調したこと、(2)自民党副総裁の麻生太郎氏がワシントンでのインタビューで「(台湾有事は)日本政府が存立危機事態と判断する可能性が極めて高い」と述べたこと、(3)高市首相が昨年の自民党総裁選の際、報道番組で「(中国が台湾を海上封鎖した場合)存立危機事態に該当する可能性がある」と語ったことである。

Q.今回はなぜ「存立危機事態」の質問を?

『毎日新聞』は18日に行った岡田克也氏へのインタビューで、まず「なぜこの問題を質疑したのか」と尋ねた。岡田克也氏は、一部の政治家が集団自衛権の行使に関する法律や国会の制約を無視していることを認めず、こうした態度は憲法に違反する可能性があり、日本の国家利益に非常に不適切であると感じたと述べた。例として、高市氏が昨年9月の自民党総裁選挙で「中国が台湾周辺を封鎖した場合、存立危機事態を構成する可能性がある」と述べたことを挙げ、岡田克也氏はこれに全く賛同しなかった。なぜなら、「たとえバシー海峡が封鎖されたとしても、迂回すれば数日余分にかかるだけで目的地に到達でき、日本の存亡と何の関係もない」と考えるからである。

「台湾有事」に関する質問について、高市首相は7日の衆議院予算委員会で、まず過去の政府と同じ「標準回答」を読み上げた。しかし、岡田克也氏はさらに「仮にバシー海峡が封鎖されたとしても、日本のエネルギーや食料の供給が途絶えることはない」と指摘し、「どのような状況で存立危機事態が成立するのか」と質問した。高市氏の回答は、「軍艦が出動し、武力行使が絡む場合、存立危機事態になり得る」とした。

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