北京の痛点に触れた!高市早苗氏が「中国の台湾侵攻=日本の存立危機事態」と発言、米軍高官が「驚きではない」と応答

2025年11月17日、北京市民が高市早苗氏の対台湾発言に関するニュースを読む様子。(写真/AP通信提供)
2025年11月17日、北京市民が高市早苗氏の対台湾発言に関するニュースを読む様子。(写真/AP通信提供)

《日経アジア》が11月18日に伝えたところによると、米海軍作戦部長ダリル・コーデル氏は、高市早苗首相が「中国による台湾侵攻は日本の存立危機事態になり得る」と述べたことについて「驚くことではない」としつつ、あえて踏み込んだ発言は避け、米日間の軍事計画や演習に「一切の変更はない」と強調した。

高市氏の発言は北京の反発を招き、米日が「戦略的曖昧さ」を崩すのかどうかに注目が集まっている。
さらに、米国が韓国の原子力潜水艦建造を承認し、日本に対して国防費をGDP比5%まで引き上げるよう求めたことで、地域の安全保障環境は改めて緊張が高まっている。

《日経アジア》によると、米海軍作戦部長ダロル・コーデル氏は11月18日に東京を訪れた際、高市早苗首相が最近「中国の台湾攻撃は日本の存立危機事態になり得る」と述べたことについて質問を受けた。コーデル氏は「驚きはない」と答えつつ、「存立危機」という言葉には重い意味があり、各国で受け止め方が異なると指摘した上で、高市氏の懸念そのものは理解できると語った。

高市氏は11月の国会答弁で、台湾が攻撃された場合、日本は「存立危機事態」に入り得る、すなわち集団的自衛権に基づく武力行使が可能になるとの認識を明確に示した。この発言はただちに北京の強い反発を招き、中日間の緊張を高める結果となった。米日がこれまで台湾海峡に関して維持してきた「戦略的曖昧さ」が揺らぐのではないかとの見方も出ている。

こうした懸念に対し、コーデル氏は、高市氏の発言は米軍の行動に一切影響していないと強調した。作戦計画、現在進行中の任務、既定の演習、さらには海上自衛隊との協力体制に至るまで、政治的な発言を理由に変更されることはないという。

一方、地域の安全保障環境は、韓国の新たな動きによっても揺れている。米韓両国は先週、ワシントンがソウルによる原子力攻撃潜水艦の建造を正式に承認したと発表した。これについてコーデル氏は、日本が同じ道を検討し始める可能性は理解できると述べつつ、原子力潜水艦の建造には高度な工程と長期的な協議・計画が不可欠で、短期間で進められるものではないと釘を刺した。

またコーデル氏は今回の訪問で、日本の防衛投資の重要性も改めて強調した。日本は国防費を引き上げる必要があり、これはトランプ政権が同盟国に求め続けてきた重点事項だと説明。その上で、日本が防衛予算をGDP比5%まで引き上げるなら望ましい方向だと述べ、現在掲げる「GDP比2%」の目標を「上限と考える必要はない」と語った。

台湾海峡情勢をめぐる最近の中日対立は、東京とワシントンのやり取りにも波及している。高市氏の発言に対し、中国の呉江浩・駐日大使や薛剣・駐大阪総領事が相次いで批判の声を上げたのに対し、米国のジョージ・グラス駐日大使はXで皮肉を込めて反応。「どうやら今年のクリスマスは早めにやって来たようだ。お二人とも、米日の絆に薪をくべてくれてありがとう」と投稿した。

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