台湾の不動産投資信託(REITs)である「樂富一號不動產投資信託基金(樂富一號)」は17日、第2回追加募集による受益証券の上場手続きを正式に完了した。今回の募集額は新台湾ドル65億元に達し、国内REITsの追加募集記録を再び更新。市場における同基金の優位性を一段と強化する結果となった。
樂富一號は2021年、台湾REITs史上初となる追加募集を成功させた唯一のREITsであり、今回の追募により、資本額は165.8億元から230.8億元へと拡大。総資産は350億元を突破する見通しで、積極的な運用姿勢と投資価値創出への取り組みが改めて示された。
超額申込みで9日間のスピード完了 募集上限65億台湾ドルに到達
楽富一號の長期的で安定したパフォーマンスが投資家から高く評価されており、今回の追加募集でも投資家の過剰な応募を受けた。今年の10月28日に投資家の申込を開始し、本来30日間で完了するはずの募集プロセスが、わずか9日間で65億元の募集上限に達し、11月5日に募集完了を公表し、迅速に締め切った。
樂富一號の安定した運用実績は投資家から高く評価されており、今回の追加募集でも申込みが殺到。10月28日の申込み開始後、本来30日間を予定していた手続きはわずか9日間で募集上限に達し、11月5日に募集完了が公告された。
不動産管理機構である晶華公寓大廈管理維護股份有限公司の林超驊・総経理によれば、今回調達した資金は、ドイツ最大の年金基金BVKが保有する「台茂ショッピングセンター(TaiMall)」の50%持分取得に充てるという。樂富一號は既に残る50%を保有し、2018年から運営管理に参加。台茂購物中心の売上高は7年前の60億元から現在は72億元を超え、桃園地域の主要ショッピングモールとして成長している。
林総経理は「今回の熱い反応は、管理機構の過去の運用成績に対する高い信頼の表れだ」と述べた。
台茂の単独所有へ 三大効果で資産価値と財務健全性を強化
樂富一號は11月末までに今回の不動産取引を完了し、「台茂ショッピングセンター(TaiMall)」の単独所有者となる予定だ。これにより、以下の複数の即時的メリットが見込まれる:
● 管理効率の向上:持分の一元化により、運営判断が迅速かつ柔軟となり、資産価値の最適化が期待できる。
● 収益への即時貢献:新たに取得する台茂購物中心の持分により、賃料収入が即座に増加し、投資家への分配価値が高まる。
● 財務構造の改善:追募の成功により負債比率が低下。信用格付けへの好影響が見込まれ、今後の資金調達でも有利に働く。
今後の展望 投資家利益の最大化を継続
林総経理は、今後の投資方針について、公開資料および関連法規に基づき、適切な資金繰りの後に約30億元の追加投資余力があると説明。新規投資先の検討に加え、既存物件の価値向上工事も計画し、投資家の長期安定収益を確保していく方針を示した。
今回の増資成功は、樂富一號がREITs資産の積極的活性化を継続する姿勢を強く示すものであり、台湾REITs市場における新たなモデルケースとなった。
なお、樂富一號は8月29日に金融監督管理委員会(FSC)から追加募集の承認を受け、11月5日に募集を完了。単位価額10元で総額65億元の資金を調達し、13日に主管機関の承認を経て、17日に増資単位が上場した。 (関連記事: 謝長廷氏に旭日大綬章 中国が「歴史責任を反省せよ」と日本を非難 台湾外交部は「問題の張本人は中国側」と反論 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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