舞台裏》台湾・国民党の傅崐萁総沼は何を恐れたのか 鄭麗文主席と組み「地下党主席」CK楊氏と極秘協議

2025-11-14 17:03
国民党は最近、内規を改めて党団総沼の傅崐萁氏(右)の連任制限を外した。一方で党主席の鄭麗文氏(左)は、傅氏と同盟を組みつつも対抗策を用意しているとされる。(写真/柯承惠撮影)
国民党は最近、内規を改めて党団総沼の傅崐萁氏(右)の連任制限を外した。一方で党主席の鄭麗文氏(左)は、傅氏と同盟を組みつつも対抗策を用意しているとされる。(写真/柯承惠撮影)
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風傳媒』の報道よれば、11月7日に台湾で開かれた中国国民党の黨全代会(国民党・立法院会派の全国代表会議)で内規改正案が可決され、今後は黨総沼が連続して選出・続投できるようになった。これにより、現職の黨團総沼・傅崐萁氏が、今後も同じポストを務め続けられる可能性が一気に高まった。

国民党立法院黨(国会における国民党会派)の内規では、本来、黨総沼の任期は1年で、連続して務められるのは1回までと定められていた。ところが今回は、国民党の立法委員8人が共同提案し、この連任制限を撤廃する改正案を提出。審議の結果、改正案は可決され、この規則緩和によって傅崐萁氏が黨團総沼として「連投」できる環境が整ったことになる。

報道によると、7日の黨大会では当初、NCC人事案が主な議題とされていた。ところが会議の後半で、黨幹部が突然「黨総沼の2年条項を廃止する」連署案を取り出し、約30人の藍委(国民党所属の立法委員)が署名済みだとして討議を始めたため、場内の一部青委は、完全に不意打ちを食らった形になった。

この突発的な提案に対し、3〜4人の青委が反対意見を表明した。主な論点は「黨制度をこうした形で壊すべきではない」「議題として事前に知らされておらず、黨メンバーも全員そろっていない以上、後日に改めて議論すべきだ」といったものだった。しかし、そうした異論にもかかわらず、最終的には賛成票が上回り、内規改正は押し切る形で成立した。

20250513-立法院院会13日に核子反応器施設管理法条文修正案が可決され、修法に賛成する国民党団立法委員が議場で口号を叫び立場を表明した。(柯承惠撮影)
約30人の国民党立法委員が署名し、党団総沼の連任制限を撤廃。傅崐萁氏の連任への道が開かれた。(写真/柯承惠撮影)

傅崐萁氏の内規修正構想は以前から 一時は鄭麗文氏による総沼交代説も

傅崐萁氏が国民党内規を変更し、「総沼は1回まで」という連任制限を外そうとしているという話は、じつは2025年の旧正月前後からすでに党内で噂になっていた。今回の内規修正が「電撃採決」のような形で通ったことについて、傅崐萁氏を支持する立法委員やベテラン秘書らは、情報が外に漏れなかったことに加え、傅崐萁氏が30人を超える青委の署名を取り付けた事実そのものが、この1年あまりのあいだに彼が主導してきた黨団運営の路線や、民進党黨との対決で挙げた「戦果」に対し、黨内に一定の評価と信頼がある証拠だと受け止めている。総沼続投は「ある程度、織り込み済みだった」との見方も出ている。

10月18日に鄭麗文氏が国民党主席に選出されたあと、『風傳媒』は、黨と党本部の権力を安定させるため、鄭麗文氏の陣営とCK楊氏、そして傅崐萁氏がすでに同盟関係を結んでいると報じた。

一方、その後の一部メディアは「鄭麗文氏が党務人事を打診する過程で、立法院側に総沼ポストについて意見を聞き、『林德福氏をどう見ているか』と口にした」と伝え、総沼ポストに依然として人事の余地があるかのような印象も与えた。

しかし、『風傳媒』の取材によれば、11月1日の全代会の昼休み、傅崐萁氏は台北・福華飯店で約500人の党代表を招いて宴席を設け、その場には立法委員の邱鎮軍氏や鄭正鈐氏も同席していたという。その時、鄭麗文氏陣営およびCK楊氏と連携する北部の重要人物に対し、「鄭麗文氏は傅崐萁氏を総沼から外すつもりなのか」と率直に尋ねた人がおり、この人物は「いや、そのようなことはない。我々のあいだですでに話はついている」と強調した。質問した側はこの返答を聞き、傅崐萁氏の総沼続投は既に固まっていると確信したという。

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