台湾・鄭麗文氏、党勢拡大へ着実に前進 傅崐萁氏と全面提携し「国民党中央常務委員会」の主導権をめざす
国民党主席に当選した鄭麗文氏(左)は20日、国民党立法院党団の総召・傅崐萁氏(右)と党団メンバーを表敬訪問。(写真/柯承惠撮影)
台湾では、国民党の主席選が終わり、新任の鄭麗文氏は過半の支持を得て当選した。一方で、投票権を持つ党員の投票率は39%にとどまり、鄭氏の得票も約6万5千票余り。親中寄りとされる立場も相まって、「党中央から十分に指示を出せるのか」との懸念が党内でくすぶる。
もっとも、『風傳媒』の取材では、20日の党団(院内会派)訪問は総召の傅崐萁氏が主導。選挙戦では郝龍斌氏を支持していた傅氏だが、既に鄭陣営の主要メンバーと連絡を取り合い、今後は中常会(国民党中央常務委員会)の候補者擁立でも歩調を合わせるという。鄭・傅の連携によって、最前線の立法院が落ち着きを取り戻し、最高意思決定機関である中常会の運営も安定するとの見方が出ている。

20日の国民党立法院党団への訪問は、党団総召の傅崐萁氏(写真)が主導したもの。(写真/陳品佑撮影)
乙級動員で40人超を招集 鄭氏と面会調整
党内の不安に対し、『風傳媒』によれば、傅氏は19日夜9時過ぎに急きょ出席要請を発し、党団スタッフが各地の議員—とくに北部—へ個別に働きかけ。不分区については傅氏が直接「乙級動員」をかけ、最終的に40人超の国民党議員が日程を調整して鄭氏と面会したという。院内では議員・スタッフともにこの動きを評価する声が多く、傅氏の総召再任に向けた好材料との見方もある。2026年は立法委員選がないため、党中央との調整を進めやすいとの指摘も聞かれる。
立法院党団での連携に加え、かつて洪秀柱氏の陣営にいたメンバーが鄭氏の選挙を支援し、中常会選でも態勢づくりを助言している。中常会は党内最高の権力機構で、人事の指名も担うため、戦略拠点の確保が鍵となる。現在、鄭陣営の要職者は傅氏と既に意思疎通を図っており、中央委員・中常会の候補を共同で推進。洪氏系の遊顥氏、元中常委の柯貞竹氏、南投で元中常委を務めた游家富氏も復帰に意欲を示している。
上記の顔ぶれに加え、傅氏が支援する現職中常委の陳俗蓉氏らも控え、党内勢力は無視できない。中常会は党代表による選出のため、傅氏は既に動いており、11月1日の全大会当日正午に、全国の党代表を高級ホテルに招いて食事会を開き、中常会選に向けた動員を図る計画だ。
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