台湾の民意調査機関「台湾民意基金会(TPOF)」が10月21日に発表した最新の世論調査によると、総統・賴清德氏が国慶大会で語った「台湾がなければ中華民国も存在しない」という発言に対し、賛同する国民は48%、反対は39%だった。一方、立法院長・韓国瑜氏の「中華民国がなければ台湾も存在しない」という主張には51%が賛同し、36%が反対した。
同基金会の游盈隆董事長(理事長)は、「賴氏の主張は本来、台湾社会の中で高い共識を得られるものだが、賛同者が半数を下回った背景には、最近の支持率低下が影響している可能性がある」と分析している。
賴清德「台湾がなければ中華民国もない」への反応
台湾民意基金会は、10月9日に賴清德総統が国慶晩会で述べた発言――
「台湾がなければ中華民国も存在しない」――について、次のように質問した。
「この発言に賛同しますか?」
その結果、
- 「非常に賛同」24.7%
- 「やや賛同」23.6%
- 「あまり賛同しない」16.9%
- 「全く賛同しない」21.7%
- 「意見なし」8.4%
- 「わからない・無回答」4.7%
つまり、20歳以上の台湾人のうち48%が賴総統の主張に賛同し、39%が反対していることがわかった。
游盈隆氏は、「賴総統が強調するこの言葉が過半数に届かないという事実は注目すべきだ。現在の台湾社会において、本来であれば高い一致が得られてしかるべきテーマでありながら、意外にも意見が割れている」と指摘。「ここ数カ月の賴氏の支持率低下や、発言の説得力の減退が影響している可能性もある」と分析した。

韓国瑜「中華民国がなければ台湾もない」に過半数が賛同
同基金会はまた、立法院長・韓国瑜氏の国慶節演説での発言――
「中華民国がなければ台湾も存在しない」――についても調査を実施。
その結果、
- 「非常に賛同」23.4%
- 「やや賛同」27.2%
- 「あまり賛同しない」19.4%
- 「全く賛同しない」16.5%
- 「意見なし」8.5%
- 「わからない・無回答」5.1%
つまり、20歳以上の台湾人のうち51%が韓氏の主張に賛同し、36%が反対している。
游盈隆氏は、「この結果は、韓氏の発言が台湾社会の言論市場で一定の共感を得ていることを示している。『中華民国がなければ台湾もない』という考え方が、依然として多くの国民の心に響いていることがわかる」と述べた。

調査の概要
今回の調査は、台湾民意基金会の游盈隆教授が質問設計、報告書作成、研究結果の分析および政策的意味づけを担当し、山水民意研究公司が委託を受けて実施した。
調査期間は2025年10月13日から15日までの3日間で、対象は全国の20歳以上の成人。固定電話と携帯電話を併用した「デュアルフレーム無作為抽出法(dual-frame random sampling)」を採用し、固定電話70%・携帯電話30%の割合でサンプルを収集した。
有効回答数は1,070件(固定電話750件、携帯電話320件)で、95%信頼水準における誤差範囲は±3ポイント。内政部の最新人口統計に基づき、地域・性別・年齢・学歴別の加重補正を行った。調査資金は財団法人・台湾民意教育基金会(TPOF)が提供した。
編集:柄澤南 (関連記事: 台湾民意基金会世論調査》賴清德総統の支持率35%、不支持53% 黄揚明氏「中間層が離反、2028年大統領選は勝算なし」 | 関連記事をもっと読む )
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