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舞台裏》鄭麗文氏が当選、盧秀燕氏は複雑? 台湾・次期大統領は不透明のまま 国民党の「次の内紛」が始まる 鄭麗文氏(写真)が国民党主席に当選し、党内の親中派が全面的に権力を掌握する時代の到来を告げた。(写真/顏麟宇撮影)
任期が2026年・2028年の二度の大型選挙にまたがる台湾の国民党主席選の結果が10月18日に判明し、注目度が低かった元立法委員の鄭麗文氏が、深藍(国民党の保守強硬派)や軍系党員、旺中グループ(親藍メディア)の後押しを受け、郝龍斌元台北市長を投票率で上回って当選した。選挙戦は終わったものの、舌戦と相互攻撃が激しく、支持表明した論者まで巻き込んだことで、党の分裂は深刻化しイメージも大きく傷ついた。とりわけ鄭氏の勝利は、党内の親中派が主導権を握る局面の到来を示す。一方で、2026年の地方首長選、2028年の総統・立法委員選では、親中色を鮮明にせざるを得ない国民党が、民意の厳しい審判に直面する可能性が高い。
深藍や軍系党員、さらに中天の親藍系論者の間では、鄭氏が郝氏を破ったことは、若い改革派が藍営のベテラン体制派に打ち勝ち、国民党が「長年の歪み」から「正道」へと軌道修正した歴史的勝利だと受け止められている。「女版・韓国瑜」とも呼ばれ、弁舌と動員力に長けた鄭氏は、突如現れた藍営の新たな“救世主”だという声も強い。熱烈な支持者の一人は、「この十数年、『私は中国人だ』と公然と語った党主席が誰か。呉敦義氏、朱立倫氏、江啟臣氏らが権力を握っていた時ですら『中国』の二文字すら避けていた。中国国民党の主席を名乗る資格があるのか」と手厳しい。
鄭麗文氏の当選は、国民党が今後も親中色の強い候補を生む可能性を示すと同時に、台湾の民意という厳しい試練への向き合い方を迫る出来事となった。(写真/新新聞 林瑞慶撮影)
信じ難い鄭麗文氏の当選 親中路線は国民党の難題に 深藍や軍系党員が期待を寄せる一方、多くの現職の国民党系首長や立法委員には、鄭氏の当選は受け入れ難い現実だ。党を破滅へ導きかねない「大災厄」と見る向きもある。台北市の国民党市議は、来年の統一地方選で党が苦戦すると予測。「もし鄭氏が党首になれば、2026年の市長選候補は『あなたは中国人か』という問いに向き合わざるを得ない」と語る。中国人と答えれば即座に批判が集中し、中間層や若年層の支持を失う。他方で否定すれば、党首との矛盾を突かれ、党内対立の火種となり得る。
南部のある自治体で勝利が見込まれる国民党の有力候補も、党主席選では中立を保っていたが、鄭氏の当選後、地元支持者に「控えの代替候補を探しておくべきだ」と伝えたという。親中路線では中南部での勝算が乏しく、無益な消耗戦を続けるより早期撤退を選ぶ判断だ。
選挙支援の実務を担う党内の重鎮は、鄭氏がこれまで党内の選挙で成果を積んでおらず、政績の裏付けも薄いため、新世代の小選挙区当選組が必ずしも忠誠を誓わないと見る。一方、洪秀柱氏は複数期の小選挙区当選、党副主席や立法院副院長の経験で存在感は大きかったが、対中路線で支持が広がらず、主席を約1年半で退いた。何より重要なのは、鄭氏が党の象徴的存在として注目を集めつつも、2026年の地方選では、対中路線と一定の距離をとる候補がいれば勝機は残るという点だ。
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親中路線を掲げた洪秀柱氏(右)は短期で退いたが、鄭麗文氏(左)は八徳路の党中央から実効的に指示を出せるのかが焦点だ。(写真/蔡親傑撮影)
藍営の親中派を後ろ盾に 公認権を握り将来選挙を主導 これに対し、元党高官は異論を唱える。洪氏が主席に就いた当時、世論面では旺中の支援があったものの、個人主義的で基盤が弱く、地方の支持も乏しかったうえ、党中央も十分に敬意を払っていなかったという。鄭氏は事情が異なる。過半の得票で4年の任期を得ており、CK楊氏が外交政策を再構築。洪氏の勢力も鄭氏に合流し、元秘書長の李乾龍氏、桃園市議会議長の邱奕勝氏ら地方勢も支援に回る。加えて、旺中グループの後押し、親藍系の論者、韓粉(韓国瑜氏を強く支持するコア支持層を指す呼称)、深藍や軍系党員が取り巻き、藍営全体が後盾となって党機構の掌握を強めている。
元党務高官は、洪氏が党内の疑義や反発に一人で対処せざるを得なかったのに対し、鄭氏には余裕があるとみる。中天の論者グループが強力な広報攻勢を担い、党内の反対派に対処する体制が整うからだ。さらに鄭氏は2026年・2028年選挙の公認権を握るため、再選や出馬を狙う面々は、最終的に党中央の方針に従わざるを得ない。誰が公然と鄭主席に異を唱えるのか。CK楊氏が戦略を練り、言論人脈が影響力を維持するなか、多数派を集めて台中市の盧秀燕氏に対抗しても効果は限定的だ。台中市の公認候補は最終的に党中央の承認を要し、鄭氏の意向が反映されない選択肢は現実的でない。
同高官は、鄭氏を「名ばかりの党首」と見る藍営関係者は痛い目を見るだろうと述べる。11月1日の就任以降、少なくとも党内は不本意でも姿勢の修正を迫られる見通しだ。長年の「親米・中和・友日」路線は、急速に「親中・疑米・防日」へ転換する可能性があり、2026年を目指す候補者はそれを受け入れざるを得ない。公然と党方針に反すれば、内紛のレッテルを貼られ、親子の支持層からの票も得にくくなる。党内で鄭氏に対抗し得る唯一の塊は国民党の立法院党団で、たとえ新北市長の侯友宜氏ら地方首長が最大限協力を控えたとしても、党中央に正面から対峙することはないとみられる。
党幹部の間では、国民党の立法院会派だけが鄭麗文氏を牽制し得るとの懸念もくすぶる。(写真/顏麟宇撮影)
新主席就任前 鄭麗文氏はいつ下野するのか、党内で計算が始動 国民党の選挙実務を担う関係者は、鄭麗文氏の足場が揺らぐとすれば、2026年の県市長選の結果確定後だとみている。朱立倫氏が残した14の与党県市を基盤に、藍系(国民党)の支持層は台南市や高雄市といった緑の牙城奪還を渇望している。期待値どおり「14+1」あるいは「14+2」に届けば、仮に14県市の一部を失っても、鄭氏退陣を迫る決定的な圧力にはなりにくい。むしろ2028年の総統選が近づく中で、これまで抑制されてきた反鄭勢力が噴出し、退任圧力が一気に強まるとの見立てだ。
もっとも、国民党の要人は、党規に党主席の罷免手続きがない点を指摘。2026年の県市長選で台北市・新北市・桃園市・台中市の4直轄市を総取りできなかったとしても、たとえば嘉義市など人口規模の小さい自治体を落とした程度では、鄭氏に退陣を強いる材料には乏しいとみる。別のシナリオとしては、2028年の総統選で4連敗となり、立法院の議席も減らす事態に至れば、そのときこそ党の命運が尽きる可能性がある。
党関係者は、鄭麗文氏(右から二人目)が2026年の地方選の圧力を乗り切っても、2028年で大敗すれば退陣の是非自体が空疎になりかねないと指摘する。(写真/蔡親傑撮影)
主席選番外編 藍系メディア言論人どうしの内紛が噴出 選挙運動や支援に通じた党内の実務家は、鄭氏が幹事長人事を主導すれば、2026年の県市長選は厳しくなると懸念する。親中的な対中路線への反発に加え、台湾民衆党が国民党の親中色の強まりに不信感を抱き、緑(民進党)への牽制は別としても「藍白連携(国民党と民衆党による選挙協力)」に慎重となり、白陣営(民衆党)を“共産党寄り”と断じるようなラベリングも避ける――との見方だ。今回の主席選を通じ、藍系言論人の内部対立も先鋭化。とりわけTVBSや飛碟ラジオの論者と、中天系の論者グループが激しく火花を散らしている。双方の番組に出演する国民党議員は、野党に親和的なメディアがもともと少ないうえ、身内同士が“水と火”の関係になり、出演のたびに板挟みの圧力にさらされているという。
党内のキーパーソンは、藍系言論人の内ゲバが続けば、野党陣営として賴清徳氏への対抗力が大きく削がれるだけでなく、緑陣営のメディアや論者に付け入る隙を与えると危惧する。言論人ごとの支持者も反発を強め、党の結束にひびが入るおそれがある。より致命的なのは、趙少康氏が率いる“戦闘藍”の動向だ。ここ数回の選挙や反リコール運動などで党を側面支援してきたが、今回は趙氏と鄭氏の軋轢が表面化。擁護派と趙擁護派の対立は尾を引き、鄭氏の党首就任後も関係修復は容易ではない。資金力を伴う選挙支援が細れば、韓国瑜氏系の支持基盤だけで緑陣営に対抗できるのか――候補者にとっては望ましい環境とは言い難い。
今回の主席選では、郝龍斌氏(左)を支持する趙少康氏(右)が、海外勢力の介入を疑問視した発言を機に、党内対立が先鋭化した。(写真/顏麟宇撮影)
不作為で鄭氏が郝氏に勝利――盧秀燕氏の「2028」には疑問符 鄭氏当選の最大の“敗者”は、地方の首長や議員ではなく、次期総統選の最有力と目されてきた盧秀燕氏だ。盧氏は郝龍斌氏を勝たせて党中央を安定化させ、自身の大統領ロードを整備する思惑だったが、結果は逆風に。親中派の掌握を“禍根”とみる党内の一部は矛先を盧氏に向け、「黒幕」視を避けるよう圧力を強めている。盧氏を強く支持する国民党議員の一人は、「28人のリコールで得た成果が、彼女のせいで親中派に横取りされた。全責任は盧氏にあり、2028年も望み薄だ」と憤る。
選挙支援に関わる人物も、「盧氏が2028年に出馬できるかは大きな疑問符が付く」と直言。国民党の新たな対中方針として“親中認識の強化”が進めば、鄭氏や親中派の枠組みに盧氏も従わざるを得ず、党中央の論理を受け入れる形になるからだ。仮に党公認候補として親中路線の修正や否定に動けば、鄭氏の背後勢力との衝突は不可避で、党は再び内戦状態に陥りかねない。
さらに、別の現実的なシナリオとして、盧氏が“中国人”路線を拒めば、実権を握る親中派や韓国瑜氏系、深藍が2019年の韓氏擁立と同様の手法で主導権を握り、盧氏を差し替える形で“代打”を前面に――との観測もある。2026年の春節以降、党内で韓国瑜氏または鄭氏を担ぎ出す機運が高まる可能性は否定できない。
鄭麗文氏の当選は、国民党内で台中市長・盧秀燕氏(中央)の「2028年総統候補」としての適性に疑問符を投げかける要因になったとの見方もある。(写真/陳品佑撮影)
盧秀燕氏、敗北を繕い、地方首長・立院会派・党中央に対抗軸を構築へ 思惑どおりに運ばなかった主席選の結果を受け、推した郝氏が敗れ、党内の批判が自らに向かう中、盧氏の胸中は穏やかではない。陣営は火消しに走り、党内での影響力を確保する方策を模索している。その初手として、盧氏主導の「中台湾地域統治理論」を拡大し、現に連携する8校(地域ブロック)の藍・白・無所属の県市長を基盤に、更なる藍の首長を巻き込み、立法院の国民党会派とも連動。親中派が握る党中央に対抗する“別働隊”の形成を探る。
ただし、盧氏に近い党関係者も、地方首長と立院会派が結束しても、鄭氏の進路に実質的な修正を迫るのは難しいと認める。向こう1年、盧氏は台中市政に専念せざるを得ず、党務や路線転換への関与機会は限られる。いわば「龍が浅瀬にとどまり、動きがとれない」状況だ。本人も「もしやり直せるなら、別の判断をしただろうか」と、自問する場面があるのかもしれない。
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