トップ ニュース 中国、レアアース輸出規制強化 TSMCは「第二波」直撃懸念 欧米供給網も実は中国依存
中国、レアアース輸出規制強化 TSMCは「第二波」直撃懸念 欧米供給網も実は中国依存 中国がレアアースの輸出規制を拡大。TSMCは今、「津波の第二波」にあると形容する声もあり、今後の展開に新たな変数をもたらす可能性がある。(写真、柯承惠撮影)
米中の貿易戦争が激化するなか、中国当局はレアアースの輸出規制に踏み切った。今後、中国産レアアースを調達する際には、すべて中国政府の審査を経る必要がある。中国は世界のレアアース精製・供給の9割を握っており、この政策が発表されると米国株式市場は一時急落するなど、その影響力の大きさが浮き彫りとなった。 産業系シンクタンク関係者は《風傳媒》の取材に対し、経済部が「TSMCのレアアース調達先は欧米や日本」と説明しているものの、実際にはこれらの国の企業も上流では中国産に依存していると指摘した。そのため、TSMCは中国によるレアアース輸出規制の「津波の第二波」の位置にあるとされ、今後の展開には不確定要素が多いと分析している。
レアアースとは何か? レアアースとは、ランタン系15元素にスカンジウムとイットリウムを加えた計17種類の特殊元素を指す。これらは非常に高い導電性を持ち、半導体チップ、電池、コンピューター画面、医療機器、さらには軍需産業など、現代の電子製品に欠かせない材料である。例えば、戦闘機F-351機の製造には417キロのレアアースが必要であり、人型ロボット1体にも約4キロが使用される。
「レアアース」という名称は、地中における分布が局所的ではなく、複数の鉱床で混ざり合って存在することに由来する。さらに、17元素はいずれも外殻電子数が近く、通常の化学的手法では分離が困難である。そのため、地球上に存在量は少なくないものの、実用的なレアアース酸化物やレアアース金属を抽出するのは容易ではない。現在、この精製技術を握る中華人民共和国が、生産の主導権を事実上独占している。
中国本土はレアアース精製市場の90%を掌握しており、これが「レアアースカード」を打ち出す基盤となっている。写真は中国江西省贛県のレアアース鉱山。(写真/AP通信提供)
中華人民共和国は今年4月から、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ルテチウム(Lu)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)の7種類の中・重レアアースおよび関連する永久磁石材料の輸出を規制している。さらに10月9日には、ユウロピウム(Eu)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)の5種類の中・重レアアース金属・合金および関連製品についても新たに規制を発表した。 これにより、中国が輸出を規制するレアアースは合計12種類となり、残るランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)の5種類は現在のところ規制対象外となっている。注目すべきは、ネオジムとプラセオジムが高性能永久磁石の製造に欠かせない材料である点である。今後この2種類も規制対象に含まれた場合、世界の産業界に及ぼす影響はさらに大きくなるとみられる。
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中国のレアアース制限が台湾に与える影響 台湾は2024年、中国本土から約6000トンのレアアース金属混合化合物を輸入しており、全体の86%を占めている。中華人民共和国が10月9日に新たなレアアース輸出規制を発表したことを受け、台湾では「護国神山」と呼ばれるTSMCおよび関連する半導体サプライチェーンへの影響に強い関心が集まっている。
中華民国経済部は10月12日、現在国内で使用されているレアアースやその誘導製品は主に欧米および日本から供給を受けていると説明し、半導体製造プロセスに対する直接的な影響は現時点で顕著ではないとの見方を示した。
しかし、経済部長の龔明鑫氏は10月16日、レアアースの回収と自主精製に取り組み、2030年までに自給率を3分の1に引き上げる目標を明らかにした。こうした政策転換からは、中国による供給制限への政府の強い危機感と「首根っこを押さえられる」状況を脱する意識がうかがえる。
経済部長龔明鑫氏は台湾のレアアース自給率を向上させることを示し、政府の中国への圧力を感じ取れる。(写真/柯承惠撮影)
TSMCは「津波の第二列」に位置 業界知識人は《風傳媒》 に対し、経済部は台湾のレアアースの供給源が主に欧州、米国、日本から輸入されているため、中国本土の制限が台湾の半導体産業に大きな影響を与えないと述べているが、実際には中国本土はレアアース精製及び純化の技術では他に類を見ない存在であり、すでに世界のレアアース精製市場の90%を掌握している。アメリカの鉱山から採取されたレアアース鉱石でさえ、中国に送られ加工されている。
このことは、たとえTSMCが日本や欧州の業者からレアアースを含む半導体製造原料を調達しているとしても、欧州や日本の上流供給源はほぼ確実に中国本土から多く調達されていることを意味し、言い換えれば、TSMCは現状では「津波の第一列」にはないが、少なくとも「津波の第二列」に位置しているとされる。
TSMCのプロセスはレアアースなしでは成り立たない 関係者の分析によれば、TSMCが1枚の半導体チップを製造する際には、千を超える工程を経る必要があり、その中でレアアースは欠かせない役割を果たしている。公開情報によると、製造工程の最初の重要なステップは「化学機械的平坦化(CMP)」である。これはウェハー表面を研磨し、極めて高い平坦性と滑らかさを保つ工程である。
半導体製造プロセスとレアアースは密接に関連している。(写真/労働力開発署雲嘉南分署提供)
また、TSMCのチップ製造は作業プラットフォームの高度な自動化が進んでおり、装置の精密な位置決めと駆動には、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)などのレアアースで作る高磁力磁石が不可欠である。運動制御はナノレベルの精度が求められ、レアアース由来の高磁力磁石なしには成立しない。さらに、ウエハー上に堆積する絶縁膜にはランタン(La)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)といったレアアースが用いられる。極端紫外線(EUV)をより効率よく吸収させるため、感光材(レジスト)にはユウロピウム(Eu)やテルビウム(Tb)を含む化合物の添加が必要とされる局面もあるとされる。
他方で、ASMLなどの装置メーカーは今回の規制の「津波の第一波」を正面から受ける立場にある。中国がレアアース供給を本格的に絞れば、ASMLが先に耐え切れなくなる可能性があるが、その場合は連鎖反応を招き、新世代装置の調達停滞によりTSMCのプロセス移行が遅れ、優位幅が中国の中芯国際(SMIC)に縮められる懸念も生じる。半導体生産はレアアース材料との分離がほぼ不可能であるため、影響はTSMCにとどまらず、韓国のサムスン電子や米国のインテルなど主要ファウンドリーにも及ぶ。中国がレアアースの供給を全面停止すれば、西側の半導体生産エコシステムは機能不全に陥る恐れがある、という見立てである。
専門家:TSMCがプロセスを調整する際に一時的な痛みを伴う 大同大学電機工程学系助理教授の張勤煜氏は《風傳媒》に対し、TSMCに関して注視すべき点は二つあると述べた。第一に半導体製造装置の調達元、第二に原材料や消耗材などの材料供給である。装置面については、現在稼働中の生産ラインは装置が既に一式そろっており、当面、緊急の新規調達需要はない。このため、現時点では中国大陸によるレアアース規制拡大に起因する直ちのリスクは生じていないと指摘した。
一方、原材料や消耗材については、TSMCは少なくとも3カ月から半年以上の在庫を確保している。このため、仮に中国大陸のレアアース規制がTSMCにリスクをもたらすとしても、それは即時的なものではないという。ただし「3カ月、あるいは5カ月後となれば、その時点の状況次第だ」とも述べ、先行きの不確実性に言及した。
大同大学電子工学部の張勤煜助教は中国のレアアース制限がTSMCに即時的なリスクをもたらさないが、関連する制限状況に注目するべきだと分析している。(写真/楊騰凱撮影)
張勤煜氏は、中国によるレアアース輸出規制がこのまま継続すれば、半導体のサプライチェーン全体が避けがたく影響を受けると指摘する。米国大統領のドナルド・トランプ氏が直ちに強い反発を示したのも、影響範囲が産業全体に及ぶからである。
もっとも、中国が過去にもレアアースを国際的な駆け引きの手段として用いてきた経緯を踏まえれば、米国を含む各国が恒常的に従属的な立場に置かれることを望まないのは当然であり、すでに代替材料の探索を進めている。ただし、置き換えは即時には進まず、短期的に完全代替することは困難である、という見方である。
世界的リソグラフィ装置市場を独占するASML(エーエスエムエル)は、中国のレアアース輸出規制による直接的な影響を受ける可能性が高いとみられている。(写真/顏麟宇撮影)
張勤煜氏は、米国が本気でレアアースの精製・純化に取り組めば、技術的には十分可能であると指摘する。ただし、その場合は環境面で相応の代償を払う覚悟が必要になる。レアアースの精製・純化過程では有害物質による汚染に加え、放射性物質による汚染も発生するためだ。あるいは米国が環境負荷の小さい新たな精製技術を開発する道もあるが、それには一定の時間がかかる。しかし「中国に追いつくのに10年かかる」という一部の分析ほど、長期にはならないとの見方を示した。
また張氏は、TSMCも材料調達先の多様化を進める必要があると強調した。中国への依存を脱するには一定の調整期間が不可避だが、半導体産業全体で見るとTSMCはあくまでファウンドリー(受託製造)の立場にある。TSMC自身が製造プロセスを改善し、中国産レアアースへの依存度を下げる努力は必要だが、より深刻な影響を受けるのは日本を含む半導体材料メーカーや、ASMLなどの装置メーカーである。TSMCが使用している材料や装置は、これらの供給元に依存しているため、TSMCの立場はむしろ「顧客」に近く、最終的にはASMLなどのサプライヤー側が解決策を見出すことが求められると分析した。
カリフォルニア州マウンテンパス鉱山は米国唯一のレアアース鉱山であり、米国にとって戦略的に重要な場所である。現在、この鉱山は「MP Material」が運営しており、MP Materialは米国のレアアース産業再興の希望と見なされている。(写真/AP通信提供)
トランプは最後に中国に妥協するか? 張勤煜氏は率直に、半導体産業のサプライチェーンがここまで細分化された国際分業体制となった背景には、「コスト最適化」という明確な理由があると指摘する。つまり、世界各地の強みを活かした分業によって、最小のコストで最高の製品を得ることができるという構造である。
しかし現在、この国際分業の構図は政治的要因や大国間の地政学的対立によって揺らいでいる。張氏はその象徴例として、TSMCの米国進出を挙げた。米国での生産コストは台湾より高く、今後AppleがTSMCにチップ製造を委託する際のコストは確実に上昇するという。もし従来のような国際分業体制に戻すことができれば、より効率的で最適な生産分担が可能となり、産業全体にとっても利益となると述べた。
米国大統領トランプ氏は中国のレアアース制限に最初は激怒したが、その後の声明は穏やかになり、妥協の可能性を示唆している。(写真/AP通信提供)
張勤煜氏は、これこそが米国大統領のトランプ氏が最終的に中華人民共和国との対立で一定の妥協を迫られる可能性がある理由だと指摘する。トランプ氏は当初、中国のレアアース規制に激しく反発したものの、現状では米国が中国産レアアースを完全に代替することは事実上不可能な状況にあるという。
ただし、将来的に米国が中国依存から脱却し、代替供給体制を確立できるようになれば、その時は中国に対する態度が一変し、より強硬な対応に転じる可能性が高いとの見方を示した。
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