台湾で今週末以降、秋の到来を告げるモンスーンが南下し、さらに発達中の熱帯低気圧「台風24号(フンシェン)たまご」の外縁環流が影響を及ぼす見通しだ。気象専門家によれば、今週末から来週初めにかけて全台湾で4日以上にわたる長時間の降雨が予想されており、北部・東北部では気温が最大10度低下、累積降雨量は「軽度の台風に匹敵する」規模になるおそれがあるという。
今日、台湾各地で38度 酷暑から一転、週末に急変の予報
中央気象署によると、17日現在、台湾全域は晴天で厳しい暑さに包まれている。日中の最高気温は各地で38度に達し、新北市と桃園市には「赤色高温警報」が発令。台南市は38度の可能性がある橙色警報、新竹県・苗栗県・屏東県は36度超の黄色警報が出されている。
中央大学大気科学系の呉徳榮副教授は、気象応用推進基金会のコラム「洩天機教室」で、最新のヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)モデルの結果を分析。「17〜18日は全地域で晴天が続き、北部では37〜38度に達する地点もある。午後には山岳部で局地的なにわか雨、北海岸や東部でも短時間の小雨の可能性がある」と説明した。
明夜から冷たい北風が南下 「雨爆弾」級の降雨も
呉氏によれば、初の冷気を伴う東北季節風が18日夜から台湾に南下。これにより台北・東部では雨が降り始め、気温が段階的に下がる見込みだ。
19〜22日にかけては各地で雨の確率が高く、北台湾では「雲が多く降水もあるため、気温の低下が特に大きくなる」と指摘。気象解説者の林得恩氏はFacebookで「中部以北、基隆、宜蘭、澎湖・金門・馬祖など離島地域では、最低気温が22〜25度まで下がる見通し。南部および花東地域でも24〜27度と、最大で10度近い急降下が予想される」と述べた。
「秋台効果」で1週間の長雨 累積雨量は軽度台風並み
林氏は、熱帯低気圧または「台風24号(フンシェン)たまご」の外縁環流と東北季節風が結びつく「秋台(しゅうたい)効果」によって、大気が非常に不安定になると分析。「湿潤な空気が長期間流れ込み、雨が1週間ほど続く見通し。累積降雨量は軽度の台風に匹敵する」と警告した。
特に21〜23日は降雨のピークとなり、北部山地および東北部が最多雨域になる見込み。花蓮・台東地域でも強い雨が予想されており、土砂災害や河川の増水に注意が必要だ。呉氏も「23日までは東北季節風の影響で北部・東部に明瞭な降雨が続き、北台湾は肌寒い天候となる」と述べた。

台風24号(フンシェン)たまごの進路、ルソン島を通過後に南シナ海へ
熱帯擾乱や台風の動きについて、呉氏は最新のECMWFモデルに基づき、「19日午後8時ごろ、熱帯低気圧はフィリピンのルソン島を通過後に南シナ海へ入る見通し」と説明。台湾はすでにその外縁環流の影響下に入っているという。
さらに「アンサンブル平均ではルソン島経由のルートが最も確率が高いが、個々のシミュレーションは両側にばらつきがあり、進路の不確実性を示している。今後も継続的な観測が必要」と述べた。
編集:柄澤南 (関連記事: 台湾・高雄「鳳山レトロピクニックデイ」3年ぶりに復活! 花柄シャツとピクニックマットで「タイムトラベル」 | 関連記事をもっと読む )
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