米中貿易戦争が再燃 トランプ氏「中国産食用油の輸入停止を検討」 稀土輸出規制に報復か

2025-10-15 10:50
2025年9月29日、アメリカのトランプ大統領がホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相と共同記者会見。ハマスに72時間以内の和平案受け入れを最後通告した。(写真/AP通信提供)
2025年9月29日、アメリカのトランプ大統領がホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相と共同記者会見。ハマスに72時間以内の和平案受け入れを最後通告した。(写真/AP通信提供)
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米中両国の首脳会談を前に、再び貿易戦争の火花が散っている。市場が固唾をのんで両国の動きを見守る中、ワシントンと北京の間で対立の太鼓が鳴り響き、まるで予測不能な「イカゲーム」のような緊迫感が世界を包んでいる。米国のドナルド・トランプ大統領は14日、「中国が米国産大豆を拒否した経済的敵対行為への報復として、中国産食用油の輸入停止を検討している」と発言し、再び市場を揺るがせた。

この発言を受け、善意のシグナルで一時的に安堵していたウォール街は一転して急落。S&P500種株価指数は反落し、投資家の不安が再燃した。だが、この「舞台」の主役はトランプ氏だけではない。財務長官のスコット・ベッセント(Scott Bessent)氏も英紙『フィナンシャル・タイムズ』のインタビューで、中国がレアアースなど重要鉱物の輸出を制限しているのは「自国経済の弱体化による絶望的な行動だ」と痛烈に批判し、「北京は世界経済を道連れにしようとしている」と非難した。

家庭の台所からハイテク産業まで 米中対立の影響はあらゆる領域へ

食用油という家庭に身近な商品から、半導体などハイテク産業の核心を担うレアアースまで、米中両国の覇権争いは世界経済の隅々にまで拡大している。トランプ氏と中国の習近平国家主席は、10月末に韓国で開かれるAPEC首脳会議の場で会談する予定だが、その直前に起きたこの対立激化は、新たな貿易協定への圧力テストなのか、それとも全面衝突への最後通告なのか、世界が注視している。

「経済的敵対行為だ」 トランプ氏、SNSで強硬発言

「これは経済的な敵対行為だ」とトランプ氏は14日、自身のSNSにこう投稿し、矛先を中国の大豆輸入停止措置に向けた。「中国は意図的に我々の大豆農家を苦しめている」と非難し、「報復として中国との食用油取引や関連事業の停止を検討している。たとえば、食用油は自国でも簡単に生産できる。中国から買う必要はない」と述べた。

『ブルームバーグ』は、トランプ氏の発言が米中農業貿易の最大の痛点、すなわち「廃食用油(Used Cooking Oil, UCO)」問題を的確に突いたと分析している。近年、中国から流入する低価格のUCOが米国市場を席巻し、主にバイオディーゼル燃料の原料として利用されてきた。米国農務省のデータによると、2024年の中国産UCO輸入量は過去最高を記録。これにより、米国産大豆油の市場シェアが奪われたとして、米国大豆農家の間で強い反発が広がっている。

実際、バイデン政権時代からワシントンは税額控除制度を改定し、UCO輸入を抑制する政策を導入していた。トランプ氏が今年再びホワイトハウスに復帰した後も、同様の抑制策を打ち出しており、この方針はアメリカ大豆協会(American Soybean Association)など農業団体から強く支持されている。 (関連記事: 米中貿易戦が再燃:中国がレアアース規制で圧力、トランプ氏は一律100%関税で応酬 『エコノミスト』強権は「力は信頼に勝る」 関連記事をもっと読む

トランプ氏が今回、食用油と大豆という二つの農産品を「報復措置」として結びつけたことは、農業州への強力なメッセージとみられる。米中西部の農業地帯はトランプ氏の重要な支持基盤であり、中国の大豆輸入停止で価格下落に苦しむ農家が多い。彼らは「短期的な補助金よりも、安定した貿易協定が必要だ」と訴えている。

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