トップ ニュース 高市早苗氏、「台湾有事=日本有事」に賛同? 日本防衛学者が政府の公式見解を否定
高市早苗氏、「台湾有事=日本有事」に賛同? 日本防衛学者が政府の公式見解を否定 政治大学は9月21日に「安倍晋三研究センター」設立式を開催。頼清徳総統は「今日は砲火を見ることなく、静かな平和を享受できるのは、安倍晋三氏の遠見を仰ぐ結果である」と述べた。(総統府提供)
ChatGPT 說: 日本の防衛研究所(NIDS)地域研究部・中国研究室の研究員、五十嵐隆幸さん(提供写真:五十嵐隆幸)。
日本自民党の新総裁、高市早苗氏が今週就任し、日本初の女性首相となる。彼女は以前、日本の前首相安倍晋三の「台湾の有事は日本の有事」という発言に賛同したことで、台湾の安全保障と日本の国防が関連づけられると見られている。このため、台湾と日本の外交、軍事、協力関係が注目されている。
しかし、長年日中関係や軍事を研究している日本の防衛専門家は、台湾社会が日本語での「台湾の有事」という言葉の意味を深刻に誤解していると考える。また、日本政府は武力で台湾を「守る」とは言っておらず、そのように認識すべきではない。
日本防衛研究所(NIDS)地域研究部・中国研究室研究員の五十嵐隆幸氏(五十嵐隆幸 提供)。
この「有事」はあの「有事」とは違う 日本防衛研究所(NIDS)区研究部中国研究室の研究員、五十嵐隆幸氏は『風傳媒』に対し、「有事」は日本に特有の漢字表現であり、中国語の「有事」の字面上の意味とは異なると述べている。日本が「有事」という言葉を使い始めた背景には、第二次世界大戦終結後、現行の《平和憲法》下で戦争を連想させる言葉の使用を避けてきた経緯がある。実際、「有事」は日本が外国からの軍事侵略を受けた状況、すなわち「日本にとっての戦争状態」を指す。
言い換えれば、中国語に精通し、日中軍事に詳しい彼は、「(台湾)に有事がある」という表現に賛同しないとしている。過去には、日本語でも「日本の有事」ではなく、単に「有事」という言葉が使用されていた。個人的には、「台湾の有事」は日本の安全に重大な影響を与える状況と解釈する。
台湾市民が最も関心を持つ問題、すなわち台湾海峡で戦争が勃発した際に日本自衛隊が介入するかどうかについて、五十嵐隆幸氏は「台湾の有事が日本の有事」というのは日本政府の公式立場ではないと考えている。
五十嵐隆幸氏は、台湾海峡での衝突、すなわちいわゆる「台湾の有事」が発生した場合、自衛隊は日本の平和と独立ならびに国民の生命と財産を守るために行動すると述べている。したがって、外部は「台湾の有事が日本の有事」であることを、日本自衛隊が台湾の安全を保護するために軍を出すと解釈してはならない。
日本外相岩屋毅が昨年訪中前に《鳳凰衛視》のインタビューを受け、「台湾有事が日本の有事」という論調が好きではないと明言。(鳳凰衛視微信公眾號より)
日本自衛隊は参戦するのか 数年前、台湾のシンクタンクが行った世論調査で、中国人民解放軍が台湾を攻撃する場合に日本自衛隊が支援に来るかどうかを問うたところ、約半数が「来る」と考えていた。しかし、台湾海峡で本当に衝突が発生し、いわゆる「台湾の有事」が起きた場合に、日本自衛隊が最終的に参戦するかどうかについて、五十嵐隆幸氏は《風傳媒》に対し、これは主に二つの要因、すなわち米軍が行動するかどうかと、日本国民がその行動を支持するかどうかに依存していると分析している。さらに、民主国家では「宣戦権」は政府ではなく国会に属するため、日本政府は態度として「中立」を維持する必要があり、特定の立場を持たず、日本国会が自衛隊の行動に対して「授権」を行わない限り、この状態は変わらないと述べている。
日本自衛隊のAAV-7水陸両用突撃車。(自衛隊公式サイト)
台湾海峡問題は過去には日本の話題ではなかった 五十嵐隆幸氏は、「有事」という概念が日本で拡大し始めたきっかけは、1990年代の冷戦終結後に、日本の関心が核開発を進める北朝鮮(朝鮮)に向けられたことであり、「朝鮮半島有事」という表現が登場した。この後、1995年に台湾海峡で「ミサイル危機」が発生したとき、日本社会に初めて「台湾有事」という言葉が現れたと指摘している。
しかし、当時の日本の台湾海峡への関心は「すぐに薄れた」と述べている。日本が直面する「任務」が増えたためであり、国際的なテロリズム対策がその一つだったためだとしている。「台湾有事」という言葉が本格的に議論され始めたのは2010年代の後半からであり、現在でもまだ10年に満たないと述べている。
日本自衛隊の軍官出身で、2014年に日本防衛大学「安全保障学」修士課程を修了し、2020年に日本防衛大学「安全保障学」博士号を取得した五十嵐隆幸氏は、自身の学歴を振り返り、修士課程時代に最初に日中関係と台湾に関する課題に注目したと述べている。しかし、当時、多くの日本人が「台湾研究は意味がない」と考えていたと述懐している。
日本防衛大学卒業生の校閲を受ける(資料写真)
また、2010年ごろから、中国人民解放軍が日本沖縄本島と宮古島の間の海峡を介して太平洋に進出するようになり、中国の海上拡張が日本で注目されるようになったが、五十嵐隆幸氏によると、それでも当時の日本の台湾への関心は「増加しなかった」。
軍事学者として、彼自身は中国のこれらの行動が実際には台湾統一を進める一環であることを理解しているが、「(当時)多くの日本人はそのように感じていなかった」と述べている。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒
最新ニュース
張鈞凱のコラム:中国が大きな手を打つ、トランプは血を吐く? 中国の国慶節が終わったばかりの中、中国商務部と海関総署は「6つの矢」を一斉に放った。具体的には、レアアース技術の輸出規制、リチウム電池関連物品の輸出規制、外国企業の不信頼リストへの追加、アメリカ船舶に特別港務費の徴収、クアルコム(Qualcomm)社への調査開始と特定の半導体開発生産関連のレアアース用途に対する重点的な審査などを発表した。これらの措置が誰に向......
内幕》台湾・台南も悲鳴!頼総統の本拠地で反発続出 光電が山林を破壊、民進党の基盤動揺 南台湾では、台風や豪雨の季節になると、太陽光発電設備が損傷し、漂流したり堆積する光景がしばしば見られる。例えば、台風4号(ダナス)が接近した際、屏東の佳冬では沖合の浮体式太陽光発電設備が強風で吹き飛ばされ、黒い構造体が海流に乗って高雄林園まで漂流した。また、嘉義の義竹では新庄滯洪池の堤防道路が破損した太陽光パネルで埋まり、数週間にわたる清掃作業が遅れたままだ......
陸文浩の視点:台湾・賴清徳総統の国慶演説と同時に、中国が広東・汕尾での軍事訓練を通告 台湾の賴清徳総統は10月10日朝、総統府前で開かれた「国慶大会」に出席し、演説で中国側に対し「国連総会2758号決議の恣意的な解釈をやめ、武力や威圧による台湾海峡の現状変更を放棄すべきだ」と呼びかけた。これと並行して中国は直ちに広東・汕尾での軍事訓練を告知。8~9月に続く軍民融合の水陸両用上陸訓練を継続する構えで、同時期に中国軍が台湾周辺の海空域で警戒巡航を......
杜宗熹コラム:歌や批判にとどまらず――韓国瑜立法院長は今回も核心を突いた 若い頃に観た人も多いだろう。ハリウッド映画『幸せのちから(The Pursuit of Happyness)』は、俳優ウィル・スミスが、実在の黒人起業家クリス・ガードナーの半生を演じた作品だ。落ち目のセールスマンから、努力と執念で株式仲介人の道を切り開くまでを描く。ガードナーは十分な教育を受けられず、幼少期に両親は離婚。収入は不安定で結婚生活もうまくいかず、......
筒香嘉智が2発!DeNAが巨人を撃破しファイナル進出へ 横浜スタジアムが歓喜の渦に セ・リーグのクライマックスシリーズ(ファーストステージ)は2025年10月11日と12日、横浜スタジアムで行われ、横浜DeNAベイスターズが読売ジャイアンツを2連勝で下し、ファイナルステージ進出を決めた。初戦当日には、『風傳媒(The Storm Media)』が撮影アシスタントとして現地入りし、スタジアム場外で試合を見守るファンの熱気と歓声を記録した。第1......
トランプの圧力下で進展する「ガザ和平」、パレスチナ科学者はイスラエルの協定遵守に懸念表明 アメリカのトランプ大統領の圧力の下、イスラエルとガザの過激派組織ハマスが第1段階の停戦合意に達し、10日に発効したことで、ガザ地区に平和の兆しが見えてきた。パレスチナ人はこの歴史的な合意をどのように見ているのか。パレスチナの科学者マジン・クムシエ氏が『風傳媒』の単独インタビューで、「イスラエルは建国以来、合意を遵守しない記録が数え切れない。今年初めに第2次停......
台湾先物は下げ幅1000ポイント未満にとどまる 米株先物・暗号資産が反発 米中貿易戦の緊張が高まり、先週金曜日には世界の金融市場が急落したが、トランプ米大統領が最近「善意」を示す発言をしたことで投資家の不安が和らいだ。これを受け、暗号資産は週末に反発し、米株先物、国際原油価格と金価格も台湾時間の本日(13日)早朝に急上昇した。また、午前8時45分に先行開場した台湾株先物は1,000ポイント未満の下落にとどまり、一時的に26,700......
「速さ」に疲れたあなたへ 台湾・台東が提案する「スロートラベル」3つの癒しの処方箋 あなたの生活も、まるで1.5倍速で進んでいるように感じたことはありませんか?情報の洪水や忙しい日常の中で、立ち止まって自分の心音を聞く時間がどれだけあるでしょうか?今の忙しいあなたに、台湾・台東は加速モードを一時停止させるのにぴったりでしょう。「旅は単に風景を見ることではなく、地域の暮らしに足を踏み入れることから始まる。」と台東交通観光局の卜敏正局長は「台東......
BSSTO×キネマ旬報シアターが初コラボ 世界のショートフィルム傑作選を2週間限定上映へ ショートフィルム専門のオンライン映画館「ブリリア ショートショートシアター オンライン(BSSTO)」を運営する株式会社ビジュアルボイス(東京都渋谷区、代表取締役:別所哲也)は、街の映画館応援企画の第一弾として、千葉県柏市のキネマ旬報シアターとコラボレーションし、「キネ旬セレクション 世界のショートフィルム傑作選」を10月25日(金)から11月7日(木)まで......
かつての青春の象徴、ユースホステルが激減 若者が選ばなくなった「3つの理由」とは ここ数年、日本のユースホステルが減少し続けている。ユースホステルは「便利で安価」として知られ、様々な地域からの旅行者と出会うことができる場だが、宿泊の選択肢が多様化するにつれて、その魅力がかつてほど強くなくなっているようだ。統計によると、2024年には全国のユースホステルは124軒しか残っておらず、1974年の587軒から約4分の3減少している。宿泊者数も1......
台湾出身、知床で唯一の中国語ガイド──Lanさんが語る道東での生活と暮らしの魅力 北海道・知床で唯一の中国語ガイドとして活動する台湾出身のLanさんは、現地に定住し、自然観光やエコツアーガイドとして活躍している。《風傳媒》の取材に応じ、知床で暮らすまでの経緯や漁師の夫との日常、地域との関わりについて語った。台湾出身のLanさんは、北海道・知床で唯一の中国語ガイドとして活動し、《風傳媒》の取材で移住の経緯や地元での暮らしについて語った。(写......
北朝鮮の外交戦略に迫る ジェニー・タウン氏がFCCJで最新分析を披露 米国シンクタンク「スティムソン・センター」のシニアフェローであり、北朝鮮専門サイト「38ノース」のディレクターを務めるジェニー・タウン氏が9月26日、日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を開き、金正恩総書記の最近の外交活動や北朝鮮の核政策、中国・ロシアとの関係について分析を示した。北朝鮮は中国やロシアとの連携を強化し、非核化交渉の可能性はほとんどないと、......
「字幕の女王」戸田奈津子氏、FCCJで半生と翻訳の舞台裏を語る 日本外国特派員協会(FCCJ)は9月25日、プロフェッショナル・ランチョンを開催し、映画字幕翻訳家の戸田奈津子氏が登壇した。ハリウッド映画を中心に1000本以上の字幕を手がけ、「字幕の女王」と呼ばれる戸田氏は、幼少期から現在に至るまでの歩みと字幕翻訳の舞台裏、そして映画への情熱を語った。字幕の女王・戸田奈津子氏がFCCJで登壇し、半生と映画字幕翻訳の舞台裏を......
富士山麓で本格着物体験を──台湾出身のめぐさんが語る「KIMONO MEGU」の魅力と未来 山梨県富士吉田市、富士山駅から徒歩1分の場所に、着物レンタルと宿泊を組み合わせたユニークな施設「KIMONO MEGU」がある。台湾出身のオーナー・めぐさんが、和装の魅力を丁寧に伝え続けており、《風傳媒》の取材に応じ、観光地として名高い富士山のふもとで、日本文化と自身のルーツを結びつける日々を語った。台湾出身のめぐさんが、富士山麓の「KIMONO MEGU」......
日本のスキャンダル文化を考察 フジテレビとサントリー事例でプルシャ博士が分析 日本外国特派員協会(FCCJ)は9月24日、「How to Think About Scandals in Japan: Fuji TV and Suntory CEO」と題した記者会見を開き、チェコ出身で日本のスキャンダル研究を専門とするイゴール・プルシャ博士(アンビス大学プラハ、メトロポリタン大学プラハ)が登壇した。プルシャ博士は外国特派員協会(FCCJ......
奈良美智氏の台湾巡回展、12月に嘉義で開催 金瓜石会場は8万人が来場 日本の現代美術家・奈良美智氏による台湾巡回展「曇られた湿っぽい一日に導かれて」が、今年12月に「画都」と呼ばれる嘉義で開催されることが文化総会から発表された。本展は10年にわたる巡回計画の第5弾にあたり、日本と台湾の文化交流をさらに深める機会となる。奈良美智氏の巡回展「曇られた湿っぽい一日に導かれて」が12月に嘉義で開催され、金瓜石会場では延べ8万人が来場し......
ちいかわ×85℃ 限定のケーキ&カップが10月16日から台湾限定発売 ちいかわファン必見だ。85℃が大人気キャラクター「ちいかわ」と初のコラボレーションを実施し、スイーツシリーズを10月16日に台湾全土で発売する。かわいさ満点のケーキ3種類とリユーザブルストロー付きカップ1種を展開し、華やかなビジュアルと愛らしいデザイン、小物付きの豪華仕様で注目を集めている。目玉となる「ちいかわケーキ」は、外箱から中身までピンク一色で統一され......
インスタント麺年間81億食!日本・韓国・中国を超えた“世界一の国”とは? 現代の迅速な生活リズムの中で、インスタントラーメンは多くの人々にとって便利な食事の選択肢となっている。最新の世界インスタントラーメン消費統計によれば、アジアは依然として「ラーメン愛好者」が最も集まる地域だ。この中でベトナムは一人当たり81袋という驚異的な数字で2024年の「ラーメン消費大国」のトップに立ち、韓国は79.2袋でそれに続いている。台湾は第8位にラ......
東京・大阪で開催 外国人留学生のためのキャリアフェア2025 外国人留学生の日本での就職を支援する合同企業説明会「外国人留学生のためのキャリアフェア2025」が、10月21日に東京、10月29日に大阪で開催される。主催は学生情報センター(ナジック)、アクセスネクステージ、グローバルトラストネットワークスの3社で、留学生を積極的に採用する企業の人事担当者が参加する。本フェアは2023年度から毎年実施されており、本年度は4......
第26回東京フィルメックス、オープニング&クロージング作品を発表 アジア映画の最前線を紹介する第26回東京フィルメックス(2025年11月21日~30日、有楽町朝日ホールとヒューマントラストシネマ有楽町)が、オープニングとクロージングを飾る作品を発表した。今年もプレイベントや若手育成プログラム「Talents Tokyo」を含む充実の内容で開催される。第26回東京フィルメックスは、ヴェネツィアやベルリンで高く評価された話題......