大阪・関西万博、最大280億円の黒字見込み 来場2683万人・チケット販売2207万枚の大成功 物販・飲食も想定超えの好調ぶり

大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」がギネス世界記録に認定。世界最大の木造建築として注目を集めている。(写真/黄信維撮影)
大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」がギネス世界記録に認定。世界最大の木造建築として注目を集めている。(写真/黄信維撮影)
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2025年日本国際博覧会協会は10月7日、臨時理事会後に記者会見を開き、大阪・関西万博の運営費収支が230億~280億円の黒字となる見通しであることを発表した。協会が同日公表した理事会資料によると、運営収入は約1710億円、支出は約1430億円に上る見込みで、収入の約7割を入場券販売が占めている。さらに、物販や飲食の売上が計約320億円に達し、全体収支を押し上げた。

日本大阪世界博覽會「大屋根環(大屋根リング)」獲得金氏世界紀錄認證,為全球最大木造建築。(圖/蘇祐萱攝)
大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」がギネス世界記録に認定。世界最大の木造建築として注目を集めている。(写真/蘇祐萱撮影)

チケット販売2207万枚、黒字化目標を大幅突破

10月4日時点での総入場者数は2683万人に達し、そのうち有料入場者は2361万人(AD証による入場者を除く)だった。1日平均来場者数は約13万5000人に上り、黒字化の目安とされていた1800万人を大きく上回った。入場券販売は9月30日で終了し、最終販売枚数は2207万枚に達した。協会は、販売促進策として登録不要の購入サイト「EXPO Quick」の導入、中国向けのWeChat販売、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)とのタイアップ企画、企業・自治体への直接販売などを実施。多様な購買ルートを確保したことで、幅広い層への販売に成功したとしている。

「安全で快適な万博が評価された」

協会の十倉雅和会長は会見で次のように語った。

「できるだけ多くの方に来ていただきたいと思っていたが、まずは“安全で快適な運営”に努めた。その結果、多くの好評をいただき、たくさんの万博チケットを買っていただいた」。

さらに「公式キャラクター『ミャクミャク』などのIPグッズの人気も大きく寄与したと思う。一番うれしいのは、約8割の来場者が『もう一度来たい』と回答していること」と述べ、来場者満足度の高さを強調した。

来場者の75%以上が「また行きたい」と回答

​協会が4月13日から9月30日まで実施した来場者アンケートでは、回答者107万3088人のうち75.6%が「再来場したい」と回答し、高いリピート意向が明らかになった。

石毛博行事務総長は「黒字化という必達目標の一つを達成した」と述べ、黒字分の一部を会場シンボル『大屋根リング』の一部保存や維持管理費用に充当する方針を示した。さらに、閉幕後の跡地活用や地域振興施策にも一部を充てる意向を明らかにした。

物販・飲食も好調、「ミャクミャク」人気が牽引

物販と飲食の売上は想定を上回り、特に公式キャラクター「ミャクミャク」関連グッズが好調だったことが収益に寄与した。協会関係者は、「万博が単なるイベントではなく、地域経済と文化発信の象徴として機能した」と語っている。

黒字を地域に還元、「成功の裏に努力」

万博協会は今回の黒字見込みを受け、閉幕後の施設維持や地域への還元策を進める方針を示した。十倉会長は「安全で快適な万博を目指した努力が、多くの方々の支持と成果につながった」と述べ、笑顔で会見を締めくくった。

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