かつての青春の象徴、ユースホステルが激減 若者が選ばなくなった「3つの理由」とは

2025-10-12 22:19
日本のユースホステルは1970年代に全国で人気を博したが、今では宿泊選択肢の多様化と旅行者の習慣の変化により大幅に減少している。(イメージ図/Unsplashより)
日本のユースホステルは1970年代に全国で人気を博したが、今では宿泊選択肢の多様化と旅行者の習慣の変化により大幅に減少している。(イメージ図/Unsplashより)

ここ数年、日本のユースホステルが減少し続けている。ユースホステルは「便利で安価」として知られ、様々な地域からの旅行者と出会うことができる場だが、宿泊の選択肢が多様化するにつれて、その魅力がかつてほど強くなくなっているようだ。統計によると、2024年には全国のユースホステルは124軒しか残っておらず、1974年の587軒から約4分の3減少している。宿泊者数も1973年の340万人を超える人々から、約26万人に激減し、ピーク時の1割にも満たない。現在ではカプセルホテル、低価格ホテルや民宿が一般的で、宿泊者は快適さとプライバシーを重視し、宿泊はますます多様化している。

日本のメディア《Withnews》の報道によれば、ユースホステルは1909年にドイツで誕生し、1950年代に日本に伝わってから急速に普及し、1951年に「日本ユースホステル協会」が設立された。当時、ユースホステルは価格の手頃さと活気のある雰囲気から、学生や一人旅の旅行者に大人気だった。1970年代には日本のユースホステルは最盛期を迎えたが、その後は衰退の一途を辿った。北海道を例に取ると、最盛期の1976年には97軒あったが、現在では20軒にまで減少している。

日本ユースホステル協会の広報担当、池田和誠氏によると、ユースホステルの数が減少した主な理由は、宿泊の選択肢が多様化したことである。1970年代、旅行したい若者が増加したが、当時は安価な宿泊施設が少なかった。しかし現在では、ビジネスホテルやネットカフェ、さらには低価格の民宿などが至る所にあり、ユースホステルは唯一の低価格宿泊施設ではなくなっている。

さらに、池田氏は、ユースホステルの「共有文化」が時代に合わなくなっていると指摘。かつては旅行者が共同生活を楽しんで交流していたが、現代の若者は個人の空間を保ちたいと願う傾向が強くなっている。さらに、パンデミックの最中、共有施設に対する人々の抵抗もあって、ユースホステルは客を惹きつけにくくなっている。それでも池田和誠氏は「多くの人に旅行を楽しんでもらう」観点から、宿泊形態の多様な発展は良いことだと考えている。彼は「ユースホステルは減少したが、私たちは若者が自分のスタイルで旅行することを喜んで見守っている」と述べている。

資料來源:《Withnews》

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