トップ ニュース 中国が警戒「史上最も反中の首相」 高市早苗の誕生に北京が静かに揺れる 日米同盟と台湾情勢が最大焦点
中国が警戒「史上最も反中の首相」 高市早苗の誕生に北京が静かに揺れる 日米同盟と台湾情勢が最大焦点 2025年10月4日、自民党総裁選で勝利した高市早苗氏が初の記者会見を行った。(写真/AP通信提供)
中国の「国慶節」連休が終盤を迎える中、多くの中国人観光客が休暇を利用して日本を訪れている。最近、日中関係には再び揺らぎが見られるが、民間レベルの交流にはほとんど影響がない。10月4日、日本の自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に選出され、10月15日に首相へ就任する見通しとなった。これにより、日本政治史上初の女性首相が誕生することになる。このニュースに最も敏感に反応したのは日本国内ではなく、中国本土だった。
「史上最も反中の首相が誕生」との警戒感 北京ではここ数日、政府系メディアを通じて「史上最も反中の首相が誕生する」といった論調が盛んに流されている。元『環球時報』編集長の胡錫進氏も「彼女は中国人が嫌う日本政治家の特徴をすべて備えている」と発言し、中国世論の警戒感をあおった。
高市早苗氏の当選が伝えられると同時に、中国のインターネット上では激しい反応が広がり、「もし中日が戦争になれば、誰も傍観しない」といった民族主義的なコメントも見られた。
北京は冷静姿勢を維持 日中関係の先行きは不透明 今年夏、中国が「抗日戦争勝利80周年」を大々的に記念した際も、中日関係は改善の兆しを見せなかった。日本が各国に対し、中国の「9・3軍事パレード」への参加を控えるよう働きかけたほか、中国外交部は強硬な声明を繰り返した。 それでも今回、高市氏の当選に対して北京は異例の冷静さを保っている。中国官媒は彼女の「反中発言」を繰り返し報じたものの、外交部は「日本側の動向を注視している」と慎重な姿勢を示した。
中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の特聘研究員・項吳宇氏は、『環球時報』の取材に対し「高市早苗氏の動向には十分警戒すべきであり、必要に応じて我が国(中国)の主権と安全利益を守るために断固たる闘争を行う」と語った。
2025年10月4日、高市早苗氏が自民党総裁選で勝利。(写真/AP通信提供)
民族主義と「戦狼外交」の裏で見せる静かな計算 これまで日本問題に強硬な姿勢を示してきた北京が、今回は異例の沈黙を保っている背景には2つの要因がある。
第一に、中国は今、周辺国との新たな摩擦を望んでいない。 第二に、自国経済の安定のためには、日本のような先進国との経済連携が依然として必要だからだ。
そのため、中国政府は民間の反発を一定程度許容しつつ、公式見解では直接的な対立を避けるという“二重戦略”を取っている。中国側としては、今後の高市政権の対中政策を見極めてから立場を明確にする方針とみられる。
中国外交部は4日、「選挙結果は日本の内政問題である」とコメントした上で、「日中間の四つの政治文書に基づく原則と共通認識を遵守し、歴史や台湾などの重大問題に関する政治的約束を守るよう望む」と表明した。
北京が注視する「日米同盟の行方」 中国政府系メディア「牛弾琴」は最近の記事で、「欧州ではすでに3人の女性指導者が台頭しており、今度は日本からも高市早苗が登場した。極右的潮流が世界的に広がり、既存の政治秩序を揺るがしている」と警鐘を鳴らしている。
「日本が自ら防衛できなければ、その運命は永遠に浅薄な米国世論に支配される」 高市早苗氏の政治的な原点は、日米貿易摩擦が最も激化していた1980年代にさかのぼる。当時、彼女は米国社会の日本に対する認識を詳細に観察していた。アメリカ人が日本語・中国語・韓国語を混同し、料理文化までも一括りに扱っている現状を目の当たりにし、「日本が自ら防衛できなければ、その運命は永遠に浅薄な米国世論に支配されるだろう」と述べている。
この発言が中国のSNSで紹介されると、激しい批判の声が相次いだ。もともと中国の高齢層には日本への根強い反感が残っているが、一方で若年層では日本への理解や好感が徐々に広がっている。実際、今年の中国の「国慶節」連休では日本行きの航空券が高騰し、日本が依然として中国人に人気の高い旅行先であることが示された。
日本は中韓FTAを懸念し、中日韓FTAの実現を呼びかける(画像/中国網提供)
新首相は「台湾問題」を本当に理解しているのか 「台湾有事は日本有事」という言葉は、中国共産党にとって極めて挑発的かつ「無責任な発言」とみなされている。高市氏は総裁選での当選前に、「台湾の頼清徳総統と中国の習近平国家主席が直接対話することを望む」と発言していた。しかし、この言葉は両岸関係を熟知する人々を驚かせた。なぜなら、現在の両首脳はそれぞれの立場から一歩も譲る姿勢を見せていないからである。
中国政府にとって台湾統一は「民族の大義」であり、台湾にとって防衛は「祖国を守る戦い」だ。両岸の緊張がかつてないほど高まる中で、高市氏の発言は他の日本の政治家にとっても、習近平との会談を難しくする要因と見られている。
今後、高市政権が日本の対外関係に新たな風をもたらすことができるのかは、引き続き注目される。
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