台湾の駐日代表処(李逸洋代表)は10月8日夜、東京都内のホテルで建国114年を祝う国慶レセプションを開催した。式典には、李逸洋代表、日本台湾交流協会の隅修三会長、日華議員懇談会の古屋圭司会長、そして安倍晋三元首相夫人の安倍昭恵氏が登壇し、「民主的パートナーシップ」と「日台の絆」をテーマにそれぞれ挨拶を行った。
台湾の経済力と民主防衛を強調 李逸洋代表「国防費はGDP比5%へ」
李逸洋代表は挨拶の中で、台湾経済の堅調な発展を強調した。株式市場の時価総額は世界第8位に位置し、人口2,300万人という規模ながら主要経済国に匹敵する成果を上げていると述べた。来年には1人当たりGDPが4万米ドルを超える見通しで、個人の純金融資産でも世界トップ5に入る水準だと説明した。
さらに、中国による軍事的圧力が続く中でも、台湾は民主的価値を断固として守り抜く姿勢を示しているとし、国際社会で米国や日本など民主主義国家が「台湾海峡の平和の重要性」を繰り返し表明していることに感謝の意を表した。李代表はまた、「台湾はすでに国防予算をGDP比3.32%に引き上げ、2030年までに5%まで拡大する計画だ」と述べ、台湾が自衛力を強化し、地域の安定に貢献する決意を示した。

半導体とAI分野での技術革新を説明 「世界のサプライチェーンに不可欠」
李代表は続けて、台湾が世界の半導体およびAI産業のサプライチェーンにおいて中核的な役割を担っていると指摘した。台湾は世界の最先端チップの95%、AIサーバーの90%を生産しており、シリコンフォトニクス技術を通じて演算能力を30倍に高める画期的なブレークスルーを実現したと説明。この技術革新がAI高速演算とデータ通信の進化を牽引し、台湾の国際的な地位をさらに強化すると述べた。「台湾は今後も民主主義国家と手を携え、供給網の強靭性を高め、台湾海峡およびインド太平洋地域の平和と繁栄を共に守っていく」と強調した。

隅修三会長「8割の台湾人が“最も好きな国は日本”と回答」
日本台湾交流協会の隅修三会長は、今年6月の就任後、初めて台湾国慶行事に出席したことに触れ、「日台両国のあらゆる分野の協力を推進できることを光栄に思う」と挨拶した。また、台風18号で被災した花蓮の人々に哀悼の意を表し、「日本と台湾は自由・民主・人権・法の支配といった価値を共有している」と述べた。
隅会長は「両国は少子高齢化、エネルギー問題、防災など共通の課題を抱えており、今後も連携を深めていく」と強調。さらに「台湾では約8割の人々が“最も好きな国は日本”と答えており、昨年の訪日者数は604万人を超えた。これは両国民の深い友情と密接な交流を象徴している」と語った。
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日華議員懇談会の古屋圭司会長は、同会が設立した6つのプロジェクトチームについて説明した。CPTPP研究、女性と地方交流、防災強靭化、そして「戸籍への台湾表記」などの取り組みを進めており、とくに「戸籍に台湾を明記する」件は3年の協議を経て今年5月に正式に実現した具体的成果であると報告した。