「高市トレード」が日本市場を揺るがす、アベノミクス再来か? 『フィナンシャル・タイムズ』:日本初の女性首相誕生カウントダウン、東アジアの地政

2025-10-07 19:09
2014年8月15日、高市早苗氏が第二次世界大戦終戦69周年の日に靖国神社を参拝し、戦争で命を落とした人々を追悼。(AP通信)
2014年8月15日、高市早苗氏が第二次世界大戦終戦69周年の日に靖国神社を参拝し、戦争で命を落とした人々を追悼。(AP通信)
目次

自民党総裁選が終了し、日本の政界に大きな波紋を呼んでいる。高市早苗氏の勝利は、ただの政治的な変化にとどまらず、日本のジェンダーの天井を打ち破り、安倍晋三元首相時代の経済政策と外交路線が再び復活する兆しを見せている。投資家たちは、新政府が財政刺激や強硬な外交政策を採ると予想し、その影響が日本市場に与える影響に注目している。

自民党内の保守派のリーダーとして、党首の座に就いた高市早苗氏は、現首相・石破茂から政権を引き継ぎ、女性として初めて日本の首相に就任する見込みだ。「フィナンシャル・タイムズ」紙は、64歳の高市氏が、自らを「ワーカホリック」と称し、経済再生に向けた強い意志を持っていることを報じている。現在、日経平均は高水準を維持し、インフレ率は日本銀行(BOJ)の2%目標を3年以上も超えているが、株式市場は好調を維持している。しかし、アメリカとの5500億ドル(約81兆円)規模の貿易協定に関する問題が今後の重要な課題であり、高市氏はその再交渉に意欲を示している。

2025年10月4日、高市早苗が自民党総裁選挙に勝利した。(美聯社)
2025年10月4日、高市早苗氏が自民党総裁選に勝利した。(AP通信)

「高市経済学」の登場:市場は歓喜と不安

高市早苗氏が自民党総裁に選ばれた直後、最初の取引日で、円は対ドルで150円を突破し、対ユーロでも歴史的な安値を更新した。日本株市場は6日の昼に4%以上急騰し、ついに47,000ポイントを突破した。一方、30年物の日本国債(JGB)の価格は急落し、利回りは歴史的な高水準に達した。アセットマネジメントワンの首席ストラテジストである淺岡仁氏は、路透に対して「市場は日経平均が年末に48,000ポイントに達することを見込んでいたが、高市氏の党首選出でこの見通しが前倒しになる可能性がある」と述べている。

円が売られ、日本株が買いあさる中、東京株式市場は急騰し、円相場は急落という異常な相場展開が現れた。日本の大手証券会社の高位トレーダーは匿名で「基本的に『高市トレード』は株式市場には好材料だが、大量の新たな財政刺激が行われる場合、JGBや為替市場での変動が予想される」と語った。

2025年10月4日、高市早苗が自民党総裁選挙に勝利した。(美聯社)
2025年10月4日、高市早苗氏が自民党総裁選に勝利した。(AP通信)

「高市トレード」という新たな市場用語は、投資家が新政府に対する期待を抱き、政府の大規模支出が市場の好転をもたらす一方で、それによって引き起こされる債務や為替リスクへの不安を突き合わせている現状を指している。

高市早苗氏は選挙期間中、「日本は戻ってくる!」というスローガンを掲げ、経済再生を約束した。しかし、彼女が引き継ぐことになった経済の遺産は複雑だ。一方では日経平均は新高値を更新し、資本市場は活況だが、インフレは家庭の購買力を圧迫している。さらに問題なのは、日米貿易協定だ。高市氏は再交渉に意欲を示していたが、勝利後には協定条項の変更を求めないと姿勢を軟化させた。 (関連記事: 日本初の女性首相へ 「東京の鉄の女」高市早苗が誕生 右派台頭で東アジア情勢に新たな波紋 関連記事をもっと読む

アナリスト、トレーダー、外交官らは、高市氏の政権が不確定要素を多く含んでいると広く見なしている。市場は「アベノミクス」時代のシナリオが再現されると予想し、円安、優遇された株式市場、そして長期日本国債利回りの急騰が見込まれている。

最新ニュース
台湾民主化の記憶を写す 謝三泰写真展「街頭劇場、火燒島」東京で開幕
台湾の「ネット女神」Iris Huoが別府「ガレリア御堂原」を訪問 アートと温泉の融合に感嘆
デンソー、自社株買い4,000億円超に到達 TOBは2026年3月以降へ延期見通し
「U-NEXT MUSIC FES」10月7日から6日間連続配信 EXILE TAKAHIRO・いきものがかり・大塚愛ら豪華25組登場
フー・ファイターズ、フジロックの伝説が再び!1997年初登場から2023年最新ライブまで一挙公開
2025年ノーベル医学生理学賞 免疫の「ブレーキ」と「監視役」を解明 T細胞制御の研究が受賞、がん治療・自己免疫に光
ピーティックス、新サービス「Visiting Japan」開始 訪日外国人が日本のイベントを検索・予約可能に
舞台裏》台湾・国民党の内部抗争 鄭麗文氏の「主席」当選を警戒、実業家・楊建綱氏の台頭阻止へ 盧秀燕台中市長に結集圧力
楊佩蓉の視点:日本IT産業に迫る「2025年のデジタル崖」 老朽システムと人材不足の現実
全国の銘柄米が一堂に!AKOMEYA TOKYOが過去最大規模の「新米祭り」開催、限定「豚汁シリーズ」も登場
『HINOTORI:火の鳥』東京で世界初演 小池博史が放つ“人間再生”の叙事詩、日・ブラジル・ポーランドなど5カ国共同制作
【インタビュー】高田馬場の名店「Fry家」が四ツ谷に進出 「ミシュランの味」サクとろ食感の熟成とんかつを定食スタイルで提供
独占取材》国内最大級アートフェス「MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」始動 片寄涼太×アートのコラボも話題に
原宿で台湾の太陽を味わう!「TAIWAN FRUIT FRESH JUICE」期間限定オープン 南国フルーツジュースを無料提供
日本初の女性首相へ 「東京の鉄の女」高市早苗が誕生 右派台頭で東アジア情勢に新たな波紋
トランプ氏、連邦裁判所命令を無視 カリフォルニア州兵をオレゴンへ派遣し波紋拡大
高市早苗が開く「新しい日本」 日経平均4万8000円台へ急騰、金融市場が「高市効果」に反応
『ちいかわぽけっと』ハーフアニバーサリー開催 大阪・東京・名古屋で「アリス衣装ちいかわ」が登場!限定ノベルティも
自民党「高市新体制」人事決定、7日に正式始動 麻生派が中核に、古屋圭司氏を選対委員長に起用
調査》台湾で無給休暇が急増 9月7,334人→10月8,505人 米国20%関税で製造業直撃、労働部が支援強化
トランプ対中路線に転換観測 ジェンスン・フアン発言でMAGA陣営に亀裂、NVIDIA・TikTok巡り波紋
トランプ和平案で停戦協議合意、イスラエル・ハマス 2年の流血に終止符なるか
舞台裏》台海の平和は安倍氏の功績か 頼清徳氏が明かす政大「安倍晋三研究センター」の資金源
「女性版安倍」 高市早苗氏が自民党総裁に 対中強硬路線で北京反発、日中関係は悪化するのか
「台湾はトランプ氏を失った」論が拡大 日経アジア報道:趙怡翔氏が極秘訪米しトランプ陣営と接触 民進党は米台の溝修復を急ぐのか
親台の「鉄の女」 高市早苗氏が自民党総裁に選出 学者「試練はこれから」鍵は対中姿勢
夏一新氏の見解:日台外交の主導権を競う 国民党「訪日攻勢」と民進党「安倍研究センター」
米中交渉に「台湾カード」 習近平が1兆ドル規模の巨額投資でワシントンのレッドラインに迫る 米国議会強硬派、強烈な警告
無人機がロシアの石油供給を遮断 燃料不足とインフレ直撃、プーチンの巨額戦費モデルに限界
ガーディアン紙が警鐘「トランプ2.0時代」は『愚かさの制度化』が進行中 AI全盛でも試されるのは人間の想像力
テック人材争奪戦》米H-1B費用増観測で魅力後退、中国「Kビザ」不透明で失業若者反発
JR東日本クロスステーション、原宿で「なんでもいきもの」スタンプラリーを開催
台湾の果物が日本で大人気!輸出はほぼ独占状態、学校の給食でも使用されるほど、「ファンレベル」の支持を受ける
YOASOBI、新曲「劇上」で三谷幸喜ドラマ主題歌を担当 Ayaseが初のボーカル挑戦 結成6周年生配信も開催
外国人材受け入れ拡大へ 毛受敏浩氏が課題と展望を語る
JERAとデンソー、日本初のSOEC水電解による水素製造実証を開始 新名古屋火力発電所で200kW規模
今田美桜さんが新CMで「陸」愛を告白 キリンウイスキー「陸ハイボール」今年も数量限定発売
佐渡に根づく台湾の味 「慶幸屋」が紡ぐ島民とのつながり
日本初の女性首相誕生か 高市早苗氏が自民党総裁に 台湾民進党・陳冠廷氏「日台は新たな戦略段階へ」
米財務省が確認「フェイクではない」 トランプ氏、ワシントンやリンカーンと並び1ドル記念硬貨の表面に登場へ
ノーベル賞、来週発表 トランプ氏に平和賞の可能性はあるか AIは依然有力か
高市早苗氏が自民党新総裁に 史上初の女性首相誕生へ一歩、決選投票で小泉進次郎氏を破る
台湾・台東グルメ完全ガイド「一日四食」散歩で地元名店と絶品ローカルフードを食べ尽くす 朝の蛋餅から夜の海鮮バーガーまで
麻布台ヒルズで「やきいも広場」開催 サツマイモと栗の秋の味覚が集結
第38回東京国際映画祭 ラインナップ発表