新潟県・佐渡島で台湾料理店「慶幸屋」を切り盛りするのは、台湾出身の廖慶瑜さん。『風傳媒』の取材に応じ、都市生活から離島へ渡り、2023年に食堂を開くまでの歩みや、地域との関わりを語ってくれた。観光地でありながら過疎化が進む佐渡で、台湾の家庭料理を丁寧に届けることで、地元住民や観光客との新たなつながりが生まれている。

「台湾料理って辛いの?」。開店当初はそう尋ねられることが多かったが、魯肉飯や鹹豆漿を口にした人からは「やさしい味」「ほっとする」といった感想が寄せられるという。メニューは魯肉飯、鶏肉飯、滷味、鹹豆漿などの定番に加え、手作りのピーナツ豆花が人気だ。

「台湾の家庭で食べる、毎日でも飽きない味を意識しています」と廖さん。地元・佐渡の旬野菜を取り入れたり、味噌を使ったスープを出したりと、地域の食文化との共存も大切にしている。
来店客は地元の常連に加え、SNSや口コミを頼りに訪れる観光客も多い。なかには「島でこの味に出会えるとは思わなかった」「懐かしくて涙が出た」と話す台湾出身の来訪者もいたという。
将来は、台湾料理のワークショップや地域とのコラボイベントも視野に入れる。「離島だからこそ育まれる距離感を大切に、ここでの営みが誰かにとっての“慶幸”になれば」と廖さんは話した。
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