陸文浩の視点:国慶節「十一」の戦備 中国艦艇の増勢は米台の政治的連携への反応

2025-10-03 16:01
福建艦の飛行甲板上に並ぶJ-35戦闘機。(ウェイボーより)
福建艦の飛行甲板上に並ぶJ-35戦闘機。(ウェイボーより)

9月29日11時42分ごろから、中国軍はJ-16、JH-7、KJ-500などの主力・支援機と無人機あわせて20機を発進。このうち15機が台湾海峡の中間線とその延長線を越え、台湾北部・中部・南西の空域に進入した。周辺海空域では軍艦8隻、公務船3隻が「聯合戦備警巡」を実施。筆者は同日朝の寄稿(27日原稿締切)で、米台関係や「一つの中国」問題に対する東部戦区の反応として同様の行動があり得ると予測しており、その裏付けとなった。

10月1日までの中国の国慶節連休期間、戦闘機の戦備巡航に加え、台湾周辺海域では軍艦8隻と公務船2〜3隻が継続展開。昨年の双十節(10月10日)前後には、当時の蔡英文総統の発言が「一中レッドライン」に触れたとして、中国軍が「聯合利剣-2024」演習を発動した前例がある。北京は台湾の対外関係の出方を注視しつつ、軍事行動で「台湾は中国の一部」とする主張を強く示し、米台双方に対して「文攻武嚇」(外交・世論戦と軍事威嚇)を続けている。

台湾国防部は9月29日18時10分、声明で「11時42分から中国軍機20機が出海、そのうち15機が中間線越え。北部・中部・南西空域に進入し、艦艇とともに「聯合戦備警巡(戦備警戒パトロール)」を名目とした妨害を実施」と発表。今回の説明では殲轟-7(JH-7A/乙型)の出動が追加で言及された。

過去2年の集計では、2024年1月から2025年9月までに東部戦区の「聯合戦備警巡」は73回に達する。

正午前後(11時台〜12時台)の開始は稀で、2024年は3/27 11:30、4/2 11:40、4/14 11:50、8/13 11:40、11/12 11:30、2025年は2/2(春節5日目)11:40、そして今回9/29 11:42と、計7回のみ。通常は早朝〜午前が中心で、6時台2回、7時台12回、8時台20回、9時台5回、10時台2回の計31回。午後は12時台3回、13時台2回、14時台4回、15時台2回、16時台5回、17時台2回の計18回。夜間は18時台3回、19時台4回で計7回と、日没後の事例はさらに少ない。

国防部は9月30日9時ごろ、9月29日06:00〜30日06:00の状況を公表。中国軍機は延べ33機(うち23機が中間線越え)、軍艦8隻、公務船3隻が活動を継続した。今回の公表はレイアウトがやや異なり、文章が二重記載されるなど編集上の粗も見られたが、付属資料は通常どおり添付されている。 (関連記事: 陸文浩の視点:「福建号」空母三機同時発進、すでに電磁カタパルト任務を完了 関連記事をもっと読む

示意図から筆者が把握した範囲では、9月29日06:50〜20:20にかけて主力・支援機および無人機23機が、浙江・福建境界から福建・東山島南東の台湾海峡西側空域で活動。うち13機が海峡北・中・南の各区間で中間線を越え、残りは金門以南—澎湖南西—屏東・小琉球以西の空域から折り返した。また同日08:20〜22:30には、10機が東山島南東の台湾防空識別圏(ADIZ)南西〜南南西の広い三角形エリアで活動していた。

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