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舞台裏》優先順位の差?南部豪雨は即日対応、花蓮・馬太鞍渓せき止め湖氾濫は1週間後 中央政府の初動対応に遅れ、批判高まる 花蓮・馬太鞍渓の堰塞湖が決壊し、甚大な被害が発生。中央・地方の救援体制は初動から1週間、課題が相次いだ。(写真/顏麟宇撮影)
2025年9月23日、台湾東部・花蓮の馬太鞍渓でせき止め湖が氾濫し、下流域で多数の死傷者が発生した。中央政府は同日、災害応変センター前進調整所の総調整官として経済部次官の頼建信氏を派遣。しかし、7日後の9月30日には体制を見直し、行政院政務委員で元陸軍中将の季連成氏を新たに総調整官に任命。さらに頼清徳総統の側近として知られる行政院顧問の李孟諺氏を副指揮官に充てた。
前日の9月29日には、すでに「頼氏の立場では格が低いのではないか」との指摘が出ていた。これに対し行政院の李慧芝報道官は、「頼氏は水利のベテランで行政手続きにも通じている。救援状況や業務上の必要に応じ、人員は適宜ローテーションしている」と説明。しかし翌日には一転し、政務委員級の季氏と「総統の腹心」の李氏が前面に立つ体制へと切り替えられた。
経済部次長の頼建信(写真)が前進調整所の総調整官を務めたが、1週間後に政務委員の季連成へ交代した。(写真/顏麟宇撮影)
「ショベルのヒーロー」自ら駆けつけるも、中央の力不足が露呈 氾濫当夜、卓榮泰行政院長は花蓮県光復郷に前進調整所の設置を指示。頼建信氏のほか、原民会副主任委員の谷縱氏、環境部次官の沈志修氏、陸軍花東防衛指揮部副指揮官の頼政豊氏が常駐し、総調整官は頼氏が務めた。派遣はいずれも「次官級」で、卓氏は24日の院会で「複数の次官が調整を担い、中央の災害応変センターと現場を一本化する」と述べていた。
ところが24日以降の初動期、ボランティア受け入れや救援活動、地方政府との連携で調整の不備が目立った。市民ボランティアが「ショベルのヒーロー」として次々と光復に集まったものの、当初は統括の仕組みがなく、現場で行き先がわからず右往左往。重機の通行を妨げる場面もあった。ようやく27日、衛福部が花蓮県政府・慈済と連携して「ボランティア配分ステーション」を設け、状況は徐々に改善した。
食の手当ても混乱が続いた。料理人によるボランティア団が炊き出しに入ったが、花蓮県政府との調整不足や交通規制で物資搬入が滞り、弁当が不足。山間部の高齢者の中には饅頭で空腹をしのぐ人もいた。その後、ボランティアが急増し、県が弁当を一括手配したものの、配送ルートや受け取り資格の整理が遅れ、「行き渡らない地域」と「余って廃棄される地域」が併発。いわゆる「弁当騒動」は長引き、29日に中央が供給と配分を一元化してようやく解消された。
発災初期は、ボランティア配置や地方政府との調整がたびたび不調に陥った。(写真/顏麟宇撮影)
公的機関は6日で調整完了、慈済は翌日にSOPを確立 9月23日午後の溢流発生後、物資やボランティアの配分をめぐる混乱が収束するまで、公的機関はおよそ4〜6日を要した。これに対し、慈済は対応が早かった。救援に関わった関係者によれば、溢流の翌24日早朝には地元の慈済ボランティアがすでに現地入りし、専門家チームが被害状況と範囲を分析。被害が比較的軽く直ちに支援に入れる地域、逆に人員や車両が立ち入れない重災地、医療ステーションの設置地点などを評価したという。同日中に救援計画を組み上げ、全台湾に向けたボランティア動員も発令していた。
25日早朝に各地からボランティアが到着すると、慈済は10人1組の編成で家屋清掃を開始。人手が足りない組には機動班を増援し、掘削が必要な場面では工具班が支援。食事は生活班の移動キッチン車が一括対応し、専任チームが調理、別班が食材の調達を担った。さらに、被災エリアの地図を常時更新し、清掃完了・清掃待ち・物資配付地点のステータスを随時可視化。こうした段取りは24日の段階で設計済みだったという。
この関係者は、「どんな救援でもまずSOP(標準作業手順)を固め、支援ニーズ、必要人員、食料量を常に統合することが肝要だ」と強調。公部門を責める意図はないとしつつ、「皆が懸命に助け合おうとしていたが、慈済は経験が豊富で、何をいつやるかをわかっている分、自分たちのペースで動けて効率的だったのだろう」と述べた。
災害翌日の9月24日、慈済のボランティアはすでに現地入りし、秩序立てた救援を開始。一方、公的機関の物資・調整は収れんまでに6日を要した。(画像/「Global Tzu Chi」Facebookより)
行政院は6日後に課題を認識、「総統指示」で重鎮を常駐配置 行政院の発表によると、頼建信氏が前進調整所を離れたのは、季連成氏への「ローテーション」のためである。季氏が総調整官に就いた当日、各省庁に対し、内政部消防署と交通部気象署は気象情報の掌握、国土管理署は住居の排水確保、衛福部は被災者の収容確認、国防部は人員・機材での支援、調整所は日々の食料配送と供給能力の点検、交通部と原民会はボランティアの動線最適化といった作業強化を指示した。
季氏は10月1日の初会見で、自身と李孟諺氏が「行政院長と総統の指示」に基づき派遣され、総調整官・副指揮官を務めると説明。「現地に常駐し、長期に腰を据え、任務が完了してから離れる」と明言した。前進調整所の調整官や副総調整官の人事も、「院長・総統の指示」に沿って調整するとしている。
着任後はまず全体の作業を調整し、 救援のスピードと効率を上げるため、従来の7機能班を12機能班へ拡張し、それぞれの班長を中央省庁の12等級以上の簡任参事に格上げした。「全体の効率向上を期待している」とし、毎晩、花蓮県政府の会議に出席して中央・地方の連携を強化、現場のニーズ把握に努める考えを示した。
総調整官に就任した季連成(左から二人目)は「現地に常駐し、任務完了まで離れない」と明言。(写真/顏麟宇撮影)
次長では荷が重かった? 省庁横断の指揮へ中央がようやく本腰 もっとも、この関係者は「頼建信氏が何もしていなかったわけではない」とも強調する。初動の最も厳しい時期は、現場に何も基盤がない状態から、後方支援や物資・制度・人員の手配をゼロから立ち上げ、堰塞湖の水位も常時監視する必要があった。水利の専門家である頼氏でも、同時に統合作戦の指揮まで完璧にこなすのは難しかったのだろう、という見立てだ。
なお、「総統指示」で現地常駐となった季連成氏と頼清徳氏は旧知の仲。季氏はかつて陸軍第八軍団の指揮官として、2016年2月の高雄・美濃地震で倒壊した台南・永康の維冠金龍ビル救助を陣頭指揮。当時台南市長だった頼清徳氏は「台南が困難な時は八軍団が駆けつけた」と公に謝意を示している。頼氏の総統就任後、季氏は政務委員として登用され、内政部の防災・消防、国防、社会的レジリエンス関連を所掌している。
馬太鞍渓のせき止め湖決壊で深刻な被害。救援では中央・地方の連携不全が1週間続いた。(写真/顏麟宇撮影)
南部豪雨は翌日に政務委員派遣、花蓮は「警戒引き上げ」まで6日 季連成氏は10月1日の『風 傳 媒』の取材に対し、「頼建信氏に『指揮不能』の問題はない。頼氏は水利の専門家で、初動では堤防やせき止め湖、浸水域といった専門業務を担っていた」と説明。その業務に一区切りがついた段階で、自身のような救援の専門家が全体指揮を引き継いだ面もあり、交代は負担軽減の意味合いもあったと述べた。「救援は非常に過酷で、頼氏も1週間奮闘した」とも付け加えた。
「なぜ最初から現地入りしなかったのか」との問いには、「当初は中央の災害応変センターで全体調整を行い、いまは役割を前進調整所に移している。そのほうが救援の助けになる」と回答。自身は救災が専門で、全体のペース配分をより適切に整えられると自負を示した。
今回のせき止め湖災害は少なくとも死者14人、負傷68人、さらに十数人が行方不明という甚大な被害となった。初動の9月24日には卓榮泰氏が花蓮入りしたが、国民党の傅崐萁氏と現場で応酬。傅氏は中央の不作為を痛烈に批判し、卓氏は途中で場を離れる一幕もあった。その後、民進党の王定宇氏がグループチャットで行政院秘書長の張惇涵氏に「反撃用の強いメッセージ」を出すよう進言していたことも伝えられている。中央はまず頼建信氏を送り込み、1週間後に調整不全を認めて「切り札」の季連成氏を「上からの指示」で座らせた。そう受け止める向きも少なくない。
思い返せば、7月28日の南部豪雨では、翌29日に頼清徳総統が腹心の陳金徳政務委員を派遣して雲嘉南の前進指揮所を設置、30日には台南に常駐させた。頼氏の「本丸」ともいえる南部に比べ、花蓮では炎上の批判が高まってから1週間後に政務委員が引き継いだ格好だ。なぜ対応に差が出たのか。南部は与党の地盤、花蓮は傅崐萁氏の牙城という政治区分が影響したのか、それとも中央の情勢判断ミスか。いずれにせよ、中央と地方の機能不全のツケを払わされるのは、現場の住民である。
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