サムスン電子とSKハイニックスが、OpenAIの大型データセンター構想「スターゲート(Stargate)」に向け、チップや関連機器を供給するための初期合意に達した。両社は、AI向け先端メモリー分野での優位維持につながるとみている。
ブルームバーグの報道によると、OpenAIのサム・アルトマンCEOは近く台湾を訪れ、TSMCや鴻海(ホンハイ)精密工業の幹部と面会する予定だという。将来的な協業も視野に入る。ChatGPTの開発元であるOpenAIは、サムスン、SKハイニックスと意向書(LOI)を交わし、韓国の2社にデータセンター建設への参加を呼びかけている。「スターゲート」にはNVIDIAやオラクルなどAI関連の主要プレイヤーも名を連ねる。
Samsung and OpenAI to Lead Next-Generation AI Data Center Innovation
— Jukan (@Jukanlosreve)October 1, 2025
On October 1 (Wednesday), at Samsung Electronics’ Seocho headquarters, Samsung and OpenAI held a Letter of Intent (LOI) signing ceremony to establish comprehensive cooperation for building global AI core…https://t.co/ZNETXAxxoJpic.twitter.com/QWvG9CBpPN
OpenAI’s Sam Altman signed a letter of intent Wednesday to enlist Korea’s two biggest companies in the data center construction efforthttps://t.co/Q630e73Hmc
— Bloomberg (@business)October 1, 2025
両社の説明では、計画拡大に伴いOpenAIの総需要は月90万枚規模のウエハーに達する可能性があると見込まれ、SKハイニックスはこれは現在の世界HBM生産能力の2倍超に相当するとしている。
この協力合意はソウルで締結され、米AI最大級スタートアップと韓国二大企業の間で長期的なパートナーシップを築くことを狙う。あわせてOpenAIは、韓国のAIエコシステム育成にも協力する方針だ。各国が新技術の取り込みを急ぐ潮流にも沿う。

韓国の李在明大統領は声明で、「サムスンとSKがOpenAIと手を組み、世界でAIを普及させる過程で重要な役割を果たすことを期待する」と述べた。
OpenAIは韓国勢の招致と並行して、NVIDIAとの連携強化も継続。NVIDIAの黄仁勳(ジェンセン・フアン)CEOは9月、OpenAIに約1000億ドルを投じ、新データセンターと基盤整備を支援すると表明した。急増するChatGPT需要と計算資源の拡大が背景にある。
このほか、SKテレコムとOpenAIは韓国南西部に専用データセンターを共同建設する計画。サムスングループでは、サムスンSDS、サムスン物産、サムスン重工業などが分野横断でOpenAIと協力し、データセンター設計の支援や将来技術の共同検討を進める見込みだ。
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