アメリカのトランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相は29日、ホワイトハウスでガザ和平計画を発表し、ハマスに対し72時間以内の受け入れを呼びかけた。拒否した場合は、イスラエルによる壊滅的な攻撃に直面すると警告した。
『ニューヨーク・タイムズ』は、トランプ氏がガザ地区の将来に向けた対応計画を策定しており、その中にはハマスが長年拒否してきた提案が数多く含まれていると報じた。『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、同和平計画がパレスチナ独立国家承認の可能性を残しているものの、内容は依然として極めて曖昧だと指摘している。
以下はホワイトハウスが公表した提案全文である。
*ガザは過激思想を排除した「非テロ地帯」となり、隣国に脅威を与えないこと。
*ガザは再建し、苦しんでいるガザの人々の利益を図ること。
*双方が提案に合意すれば戦闘は即時に終結する。イスラエル軍は合意線まで撤退し、人質解放の準備に入る。この間、空爆や砲撃を含むすべての軍事行動は停止され、全面的な段階的撤収の条件が整うまで戦線は凍結される。
*イスラエルが協定を公開受諾した72時間以内に、すべての人質が生死を問わず解放されること。
*すべての人質が解放され次第、イスラエルは250人の終身刑囚と、2023年10月7日以降に拘束されたガザの人々1700人を、拘束されたすべての女性と子供を含めて解放する。また、イスラエル人質の遺体が返還されるごとに、イスラエルはガザの死者15人の遺体を返還する。
*すべての人質が解放され次第、平和共存を約束し武器を放棄したハマスのメンバーは恩赦を受ける。ガザを去りたいハマスのメンバーには受け入れ国への安全な道が提供される。
*協定が受け入れられ次第、あらゆる援助は直ちにガザ地区に送られる。援助額は少なくとも2025年1月19日に合意された人道支援協定の水準と同等でなければならず、水道・電力・下水処理などの基盤インフラ、病院やパン工場の修復、瓦礫撤去や道路再開通に必要な設備の供給を含む。
*ガザ地区への物資配分と支援は、国連やその関連機関、赤新月社、その他いずれの当事者とも無関係の国際機関を通じて行われ、双方からの干渉を受けずに搬入される。ラファ検問所の双方向開放は、2025年1月19日の協定で実施された仕組みに基づく。
*ガザは暫定的に、技術官僚による非政治的なパレスチナ委員会が統治を担い、住民への公共サービスや自治体運営を行うこと。
*同委員会は有資格のパレスチナ人と国際専門家で構成され、新設の国際移行政機関「和平委員会」の監督を受ける。この機関はトランプ大統領が議長を務め、他の構成員や各国首脳は順次発表される予定であり、その中にはブレア元英国首相も含まれる。
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*同機関はガザ復興の枠組みを策定し資金管理を担う。これは、トランプ大統領の2020年和平計画やサウジアラビア・フランス案など複数の提案に盛り込まれた改革構想に基づき、パレスチナ自治政府がガザの統治を安全かつ効果的に回復できるようになるまで続けられる。同機関は国際的な最良の基準を採用し、近代的で効率的な統治体制を構築、住民に奉仕し投資を呼び込む体制を整備する。