トップ ニュース 陸文浩の視点:「福建号」空母三機同時発進、すでに電磁カタパルト任務を完了
陸文浩の視点:「福建号」空母三機同時発進、すでに電磁カタパルト任務を完了 福建号の甲板に並ぶJ-35、J-15、空警-600(写真/ウェイボーより)
9月22日、中国中央テレビは、中国海軍の最新空母「福建号」が主要艦載機による電磁カタパルト発艦と着艦の訓練を完了したと報じた。これにより、空母の引き渡しが間近に迫ったとの見方が広がっている。25日午後には国防部の張曉剛報道官も「多くの人々が待ち望むその日は近い」と言及した。しかし実際に公開された映像は、3月19日20時頃に行われた第7回海上試験の2日目に撮影されたものである。筆者は3月17日と25日の時点で、各艦載機の重量に応じて電磁カタパルトの推力を検証する試験が行われるだろうと予測していた。
今回の映像が精密に記録されていた背景にはいくつかの経緯がある。昨年の第3回海上試験時点で、すでにJ-15艦載機2機が電磁カタパルトで発艦していた可能性がある。さらに第4回試験の後半では、渤海で初の着艦訓練とカタパルト試験が実施されたとみられる。第5回試験では発艦した艦載機が帰港時には姿を消しており、甲板に接触痕が確認された。第6回試験では「各艦載機の発着任務」を遂行し、その後乾ドックで整備を受け、再び発射準備に入っていた。こうした経過を踏まえると、今回の映像はその流れの中で撮影されたものと読み取れる。
「福建号」は9月12日、東部戦区海軍の956E型駆逐艦「杭州」(136号)、052C型駆逐艦「済南」(152号)などとともに南シナ海へ進出した。14日には海南・陵水の南東で艦載ヘリが離着艦する様子が目撃されている。
15日夕方、中国・三亜海事局は琼航警149/25を発表し、16日午前6時から午後2時まで陵水南東の海域4718平方キロメートルを対象に軍事演習を実施すると告示した。その範囲には052D型駆逐艦2隻と054A型フリゲート1隻が展開しており、空母打撃群の通信・連携訓練が想定されていた可能性がある。
さらに琼航警150/25では、17日に同じ海域で1118平方キロメートルを対象に訓練を行う予定とされたが、その後告示は削除され、艦載機発着訓練は中止になった可能性が指摘されている。
19日、中国の時事メディアは、「福建号」が三亜南南東約96キロ、「山東号」が三亜東南約147キロの位置にあり、両空母の距離は約127キロだったと報じた。「山東号」が「福建号」の南西で訓練を行い、着艦試験を試みた可能性もある。
一方で、英国空母「プリンス・オブ・ウェールズ」が19日にマニラを出発し、21日にシンガポールへ向かうと発表していた点を考慮すると、中国南部戦区海軍の「山東号」が「福建号」に接近することで牽制訓練を行った可能性も否定できない。
海南・清瀾海事局は20日夜から21日にかけて琼航警153/25を告示し、21日午前8時から22日正午まで陵水南東5965平方キロメートルでの演習を通知。さらに別の範囲3075平方キロメートルで22日午後の訓練も予定されていた。
筆者は20日時点で、22日正午から午後6時にかけて「電磁カタパルト」の実験が行われる可能性を疑問視していた。だが同日、国営新華社は9月3日の大閲兵で登場したJ-15T、J-35、KJ-600の3機種が、福建艦でのカタパルト発艦・着艦試験に成功したと報道。続いて中央テレビが関連映像を公開し、22日夜に試験が成功裏に終わったと伝えた。
9月22日、中国中央テレビは「福建号」空母が電磁カタパルトを用いて艦載機を発射し、着艦させる過程を放映した。しかし映像を精査した軍事ファンが指摘したところ、画面には2025年3月19日20時頃の固定時刻が数秒間映り込んでいた。実際には第7回目の海上試験2日目に撮影されたものであり、同艦は前日の3月18日に長江口を出発して北上し、試験航行を開始していた。
上海海事局は3月17日午前10時21分、「3月18日の長江口大型船舶航行制限―滬航警189/25」を告示しており、翌18日午後に「福建号」が出港して第7回海上試験に入ることを予告していた。
また葫芦島海事局は3月22日(土)午後3時59分に「渤海軍事任務―遼航警69/25」を発表。3月23日正午から4月3日午前6時まで、渤海の座標で囲まれた約4261平方キロメートルを航行禁止区域とし、軍事演習を行うと通知した。ただし国際衛星の偵察映像では、同時期に「福建号」が黄海から渤海へと航行し、秦皇島南東の海域に入っていく様子が確認されている。
「福建号」は1月19日から2月16日まで船渠で29日間の整備を受けた後、2月27日から3月4日にかけて江南造船埠頭の前面0.654平方キロメートルの水域を封鎖し、毎日午前6時から午後6時まで作業を実施していた。中国メディアによると、3月1日には甲板上に小型車両3台とJ-15Tの模型、カタパルト試験用車両が配置されていたとされる。3月17日時点で予想されていた通り、第7回試験では複数の艦載機の重量に応じたカタパルト推力試験が行われたことが裏付けられた。
第7回海上試験は当初の予定より2日早く切り上げられ、3月30日に渤海から黄海へ南下し、4月1日に長興島埠頭へ帰港した。
この間の3月23日から30日の間に、3種類の主要艦載機が渤海で電磁カタパルト発艦試験を行い、その過程を撮影していたとみられる。こうした経緯により、「福建号」は第6回試験後にドック整備を経て小型車によるカタパルト実験を繰り返し、最終的に第7回試験でJ-15T、J-35、KJ -600の3機種による発艦・着艦シーンを記録した。9月22日に中央テレビが放送した映像は、陵水南東の演習海域で直近に行われたかのように紹介されたが、実際は数か月前に収録されたものだった。
中国海軍はこの期間に渤海で3機種の発着試験と映像収録を完了しており、「三機同時発艦」に先立ち、それぞれの着艦とカタパルト発射を個別に終えていた可能性が高い。振り返れば、空母艦載機の発着試験はまず陸上設置の電磁カタパルトで行い、その後に海上での移動試験へと移行している。秦皇島南東の訓練海域(約3000平方キロメートル以上)周辺には北部戦区海軍航空兵訓練基地があり、さらに遼寧省葫芦島市西部の興城市には、中国人民解放軍海軍艦載機総合試験訓練基地が所在している。
2024年7月3日から28日にかけての第3回海上試験では、「福建号」が長興島を出港し、J-15艦載機2機を搭載して長江口から北上した。帰港時には艦載機の姿がなく、甲板には発着の痕跡だけが残されていた。7月14日には黄海から渤海へ向かう航行の途中、海外の商業衛星が艦載機の活動を捉えており、この時点ですでに殲-15がカタパルト発艦していた可能性もある。しかし、裏付けとなる決定的な証拠は確認されていない。
中国中央テレビが公開した「福建号」空母の三機同時発進映像。すでに電磁カタパルト任務を完了していたことがうかがえる(筆者提供)
2024年9月3日から19日にかけて実施された第4回海上試験の前には、中国メディアが「福建号」空母の甲板前方にJ-15B、J-35、JL-10Jの各1機とKJ-600早期警戒機2機が配置されていると報じた。8月29日には、甲板上で三つのカタパルトのバリア板が上昇した様子も確認され、9月3日16時57分には長江口から出港する「福建号」が目撃された。甲板にはJ-15BとKJ-600のフルサイズモデルが搭載され、折り畳んだ状態で停泊しており、補給車や支援車両も整備されていた。その後、「福建号」は9月4日から8日にかけて遼寧・大連東南沖の海域で第4回試験の第1段階に当たる「軍事活動」を行い、葫芦島海事局も9月6日に広域での軍事演習を告示した。
第4回試験の第2段階では、渤海で艦載機による初めての着艦と電磁カタパルト試験が行われたと推測されている。
続く第5回試験は2024年11月18日から12月3日にかけて行われ、葫芦島海事局は11月21日に遼航警436/24を発表した。11月22日から12月1日までの期間、秦皇島の南南東約25.6キロ地点から最大約96キロ沖合に至る渤海の海域で、合計3,111平方キロメートルの範囲を航行禁止区域に設定し、軍事演習が行われた。この禁航区は、第3回(7月3日〜28日)や第4回(9月3日〜19日)の海上試験と形状が類似しており、面積は約179平方キロメートル拡大していた。このことから「福建号」は直接長江口を出港し、渤海へ向かったとみられる。
また、中国の自媒体によれば、11月18日時点で「福建号」にはJ-15TとKJ-600が甲板に見られたという。12月3日の午後には第5回試験を終えて埠頭に戻り、甲板には艦載機の着艦痕が残っていたとの情報がある。発艦に電磁カタパルトが使用された可能性を示すものであり、帰港時には艦載機の姿はなかった。さらに11月28日には衛星画像から、渤海海域で「福建号」が電磁カタパルトを運用していた形跡が捉えられている。試験終了後には甲板にタイヤ痕のような跡も確認され、外部からは発艦・着艦試験を終えたとの見方が広がった。
第6回試験は2024年12月28日から2025年1月7日にかけて行われ、直接渤海海域で艦載機を用いた移動試験が始まった。上海海事局は12月26日、「長江口深水航路での大型船交通制限―滬航警978/24」を発表し、28日の午前に船舶管理を行うと告知した。元ロケット軍教授の邵永靈氏は12月29日付の記事で「福建艦は元日も休まず、第6回海上試験で艦載機を射出、来年の就役を目指す」と記した。さらに陸文浩氏も同時期、秦皇島沖3,111平方キロメートルの禁航区域で新たな試験が行われ、艦載機の発着訓練、各種レーダーや通信装備の試験、艦隊演習などが含まれていたと述べている。
その後、第9回試験(2025年9月16日以降)では、渤海から南シナ海へと訓練海域を移し、「クロスエリア訓練」と称して艦載機や空母を用いた研究試験や演習が行われた。内容は、艦載機のカタパルト発着や艦載ヘリコプターの離着艦、さらに他の艦艇と連携した合同訓練に及んだ。要するに、従来の渤海での訓練を南シナ海に移したものであり、中国側はこれを「クロスエリア訓練」と呼称した。こうしたデータは今後の研究資料として蓄積される見込みだ。
「福建号」は9月22日にも海南・陵水南東沖で3,075平方キロメートルの範囲を使った軍事訓練を実施した。しかし、9月23日以降27日まで海南各地の海事局から関連の警告は出されていない。筆者は、台風18号(ラガサ)が広東や広西を通過し、「福建号」の試験や訓練に間接的な影響を与えた可能性を指摘する。また、続いて台風20号(ブアローイ)がフィリピン東方からマニラを経て南シナ海へ進み、27日から28日ごろに海南・三亜を通過すると予想されており、禁航区に関する情報は早くても28日以降に更新されるとみられている。
さらに9月25日と26日には、《自由時報》が国防部公式サイトよりも早く共軍の動向を伝えた。25日には共機11機、軍艦7隻、公務船1隻、26日には共機19機、軍艦7隻、公務船2隻が台湾周辺で活動していたという。台風の影響で23日には共艦が1隻しか確認されなかったが、24日には5隻、25日以降は7隻へと増えている。この状況から、中国東部戦区が台湾と米国の関係を牽制するため「連合戦備警巡」を実施している可能性があると指摘されている。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒
最新ニュース
「抗中保台」失効?台湾社会で危機感が薄れる現実、北京に有利な展開と国際メディアが警鐘 台湾海峡の情勢が激化する中、台湾社会での戦争危機感は徐々に低下しており、この現象が国際メディアの注目を集めている。国外ニュースによると、台湾の「抗中保台」というスローガンは人々の緊迫感をかき立てることができなくなっており、長期間にわたる中国脅威の宣伝が逆効果となっている。これは北京にとって有利な状況である。台湾内部の団結は大きな試練を迎えており、危機感の減退......
台湾作家・吳明益と五十嵐大介が東京で対談 文学と漫画が描く「自然と記憶」の交差点 文化部駐日台湾文化センターと紀伊國屋書店の共催による台湾・日本作家交流座談会が9月28日に東京で開催され、台湾の作家・吳明益と日本の漫画家・五十嵐大介が登壇し、文学と漫画の世界を横断する対話を繰り広げた。告知直後に定員60名の枠が満席となり、当日は立ち見も出る盛況ぶりで、吳の日本での高い人気を示した。台湾の作家・呉明益と日本の漫画家・五十嵐大介が東京で対談し......
舞台裏》台湾外交に変化 「魔法部」は論争避け、林佳龍氏が対立国を交渉の場へ 台湾は現在、米国トランプ政権との間で関税や232条項をめぐる協議を続けている。そうした中、9月23日に経済部は公式サイトで、半導体を含む47品目の南アフリカ向け輸出を11月下旬から制限するとの告知をひっそりと掲載した。ところが48時間も経たないうちに、同部は外交上の判断を理由にこの措置を撤回。外交部の決定により延期が発表された。この一連の動きは国内で波紋を呼......
台湾、南ア代表処格下げに「半導体輸出規制」で対抗 チップ外交が示す新たな戦略 南アフリカ政府が台北代表処の格下げと首都プレトリアからの移転を求めたことを受け、台湾政府は前例のない半導体輸出規制の準備に踏み切った。いわゆる「チップの兵器化」と受け止められたこの措置は、南ア側が協議に応じる意向を示したため一時停止となったが、台北は明確なメッセージを発した――世界の供給網で優位に立つ技術力を、外交上の梃子として用いる可能性を示したということ......
8億円台の超豪邸!諸戸の家×ARMANI / CASA、目黒区に国内初コラボ邸宅誕生 三重県桑名市に本社を置く諸戸の家株式会社(代表取締役 松本浩二)は、2025年9月29日、東京都目黒区平町で新邸宅「諸戸の家 Furnished by ARMANI / CASA 001 目黒区平町」を発売する。イタリア発の高級インテリアブランド「ARMANI / CASA」が全面的にファニシングを手がけた首都圏初の戸建住宅であり、同社「SUPER LUXU......
米中首脳会談目前 習近平氏がトランプ氏に「台湾独立反対」迫る思惑とは? 《ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)》の中国総局長、魏玲玲氏は27日、トランプ政権との高官往来で土台を築いた習近平国家主席が、次の段階としてトランプ氏から「台湾独立に反対する」との明確な表明を引き出すことを狙っていると報じた。目的は台湾を国際的に孤立させ、最終的に「一つの中国」を既成事実化することにある。米中首脳会談が近づく中、トランプ氏が1年以内の......
台風18号被害の台湾・花蓮を支援 名古屋市民の行動に台湾から感謝の声「日本は永遠の友」 台湾・花蓮県光復郷が台風18号によって甚大な被害を受ける中、台湾国内では「鏟子超人(シャベル超人)」と呼ばれるボランティアが連休を利用して現地で復旧作業に参加し、インターネットを通じた募金活動も広がっている。その動きは海を越えて日本にも波及し、名古屋駅前では日本人が横断幕や紙の掲示を掲げて「台湾を応援する」と呼びかける姿が目撃され、台湾のネットユーザーから「......
日本、「万能人工血液」を開発 血液型不問で2年間保存可能 2030年の実用化を目指す 奈良県立医科大学は、臨床試験用の「万能人工血液」を今年3月から開始し、志願者による初回の輸注を完了したと発表した。この技術が成功すれば、世界の輸血医療を根本から変える可能性がある。人工血液は血液型に関係なく使用でき、保存期間も2年に延長可能であり、戦争や災害、日常医療における血液不足の解決に向けた画期的な突破口となると期待されている。日本が「万能人工血液」を......
米国信用市場に「極限の狂宴」 投資家熱狂の裏で広がるバブル崩壊懸念 現在の米国信用市場は、まるで極限の狂宴のような様相を呈している。投資家はかつてない熱狂の中で企業債を奪い合い、その盛況ぶりはあたかもこの資産がまもなく消え去るかのようである。しかし、28日付の「ウォール・ストリート・ジャーナル」一面報道は警告する。華やかな表層の裏側では、深い不安がウォール街に静かに広がっているという。各種指標によれば、こうした債券を保有する......
トランプ政権「米台半導体五五分」構想 TSMC投資が台湾経済を空洞化させる危機 米国が打ち出した「米台半導体製造五五分」構想を受け、台湾の産業界と学界では影響の洗い出しが加速している。複数の専門家は、これは単なる生産配分の問題ではなく、米国が経済効率よりも国家安全保障を優先する姿勢を示すシグナルだと指摘する。もしTSMCが米国での生産拡張を強いられ、五五分のバランスが求められれば、資本・人材・サプライチェーンが移転し、最終的に台湾国内の......
小泉進次郎vs高市早苗 最年少首相と女性首相誕生の可能性、自民党再生を懸けた総裁選の行方 自民党は10月4日に総裁選挙を実施し、勝者が次期首相に就任する見通しだ。小泉進次郎農林水産大臣(44)が勝利すれば戦後最年少首相の記録を更新し、ベテランの高市早苗氏(64)が当選すれば日本初の女性首相となる。英紙《ガーディアン》は、この総裁選は世代交代やジェンダーの突破口であると同時に、連続選挙敗北や金権政治スキャンダルに揺れる自民党が立て直しを図れるかどう......
独占インタビュー》ウクライナの「ドローン革命」最前線 許毓仁「台湾は4つの改革で強靱化を」 ロシアのウクライナ全面侵攻から、すでに3年以上。ウクライナ軍はドローンの革新と柔軟な運用で粘り強く抗戦し、いまや米国ですらこの分野で後れを取っていることを認めざるを得ない状況だ。台湾にとっても、これは単なる戦況レポートではない——明確な警鐘である。元立法委員でハドソン研究所シニアフェローの許毓仁氏は、CIA元長官で四つ星将軍のデイヴィッド・ペトレイアス氏の招......
豪州が次の標的に?『ガーディアン』取材:米民主主義の失速が招く世界的ファシズム化 米国、そして世界はファシズムへ滑りつつある。次に直撃される恐れが大きいのはオーストラリアだ――イェール大学でファシズム研究に携わるジェイソン・スタンリー氏は、9月24日付の英紙『ガーディアン』インタビューでそう警告する。トランプ政権はチャーリー・カーク氏銃撃事件を口実に異論封じと密告の奨励を進め、「非常時の民主主義」を急速に歪めているという。スタンリー氏自身......
欧州、プーチン氏に静かな警告 ロシア機が領空を再侵犯すれば「撃墜も辞さず」 ロシア空軍のMiG-31戦闘機3機がエストニアの領空を脅かし、NATO各国の神経を逆なでした。各国が公に非難する一方、事情に詳しい関係者によれば、欧州の複数の外交官がモスクワでクレムリン側に非公式の警告を伝達。北大西洋条約機構(NATO)は「次に領空侵犯があれば、ロシア機の撃墜を含む直接的な対応を取る用意がある」と通告したという。 ......
戦場で実地検証――ウクライナの無人機技術は米国を超えたのか 米国防長官のひと言が突く本質 米国は依然「世界最強の軍事大国」なのか。少なくとも無人機の戦場では、その答えが揺らいでいる。
9月13日、米大統領トランプ氏のウクライナ特使キース・ケロッグ氏は、キーウで開かれた「ヤルタ欧州戦略会議」で「ウクライナは無人機技術の世界的リーダーになった。一方の米国は大きく遅れている(well behind)」と名言。時間との戦いになっていると危機感を示した。
......
「OSAKAシネマスケープ2025」10月開幕 大阪中之島美術館で全6回上映 第21回大阪アジアン映画祭(OAFF)の関連企画「OSAKAシネマスケープ2025」が、10月から12月にかけて大阪中之島美術館1階ホールで開催される。文化や人種、性別、世代、経済格差といった多様な社会課題や人間模様をテーマに、いま観るべきアジア(日本を含む)の映画を日本語字幕付きで紹介するもので、6プログラム・21作品が上映される。初日の10月11日・12......
アジア・インディー音楽祭「BiKN shibuya 2025」 第一弾出演者発表 アジアの新鋭アーティストを紹介するショーケース型音楽祭〈BiKN shibuya 2025〉が、11月30日(日)に東京・渋谷で開催される。今年で3回目を迎える同イベントは、2023年の初開催以来「アジアで注目を集めるアーティストが一堂に介する」というコンセプトで大きな話題を呼んできた。アジア・インディー音楽祭〈BiKN shibuya 2025〉が11月3......
楽天、オリックスに零封負け 4年連続BクラスでCS進出の可能性消滅 パ・リーグの楽天は27日、京セラドームで行われたオリックス戦に0―2で敗れ、今季の4位以下が確定。クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が完全に消滅した。これで球団は4年連続のBクラス、シーズン負け越しも決定した。オリックス先発の山下、力強い直球で楽天打線をわずか3安打に封じ込める。(撮影 許甄玲)紅林が左翼スタンド5階席へ特大2ランを放ち、勝負を決めた......
株式会社幸呼来Japan 裂き織で福祉と伝統工芸をつなぐ 岩手県が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が実施した岩手県プレスツアーの2日目、記者団は盛岡市の株式会社幸呼来Japanを訪問した。江戸時代に東北地方で生まれた伝統織物「裂き織」を軸に、障害者の就労支援と地域文化の継承を両立させる取り組みについて、代表取締役の石頭悦氏および施設長兼裂き織事業ディレクターの村山遼太氏から説明を受け、工房......
「東京ゲームショウ2025」総来場者数26万3101人、フューチャー部門11作品を発表 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA、会長:辻本春弘氏)は、9月25日から28日まで幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2025(TGS2025)」について、総来場者数が26万3101人に達したと発表した。会期中に配信された公式番組の総視聴者数は後日公表される予定である。東京ゲームショウ2025は来場者26万3101人を記録し、日本......
日韓「前払い」9000億ドル投資?トランプ氏が一方的に宣伝する政策に、日本と韓国が反論 アメリカのトランプ大統領が再び東アジアの同盟国を困惑させている。トランプ氏は先日、ホワイトハウス執務室で海外メディアに対し、自らの関税政策によってアメリカに巨額の収入と投資をもたらしたと主張した。その中で、日本と韓国が総額9,000億ドル(約135兆円)に上る投資を約束したとし、これを「前払い費用」と表現した。この発言が報じられるや、日本と韓国は即座に困惑と......
舞台裏》台湾・花蓮県馬太鞍渓のせき止め湖悲劇、台大チームが方針を大転換! 2025年9月23日、台湾・花蓮県馬太鞍渓のせき止め湖で越流が発生し、強制避難区域内でなお十数人が犠牲となった。翌日、行政院長の卓栄泰氏が花蓮を視察した際、中国国民党の立法委員傅崐萁氏は「中央は600億元を受け取りながらせき止め湖を処理していない」と批判した。これに対し卓氏は「まずは救災を優先し、責任追及は今後の課題だ」と述べ、その場を立ち去った。傅氏は現場......
株式会社みちのくあかね会 繊細な色合いと温もりを紡ぎ、次世代へ受け継ぐ 岩手県が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が岩手県から事業を受託して実施する「岩手県プレスツアー」(9月18日~19日)の初日、記者団は盛岡市に本社を置く株式会社みちのくあかね会を訪問した。同社は、羊毛の染色から糸紡ぎ、織りまでを一貫して行う体制を持ち、マフラーやブランケットなどのホームスパン製品を製造している。現場では沿革や働き方、......
株式会社岩鋳 南部鉄器に宿る伝統と革新、世界市場へ広がる「IWACHU」の挑戦 岩手県が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が岩手県から事業を受託して実施する「岩手県プレスツアー」(9月18日~19日)の初日、記者団は盛岡市に本社を置く株式会社岩鋳(IWACHU)の南仙北工場を訪問した。現場では営業部部長の高橋潔充氏、伝統工芸士で三代目清茂の雅号を持つ八重樫亮氏、さらに若手職人の小川勇唯人氏と袋畑麻衣氏が応じ、南部......
震災から生まれた大槌刺し子 女性刺し子職人の手仕事が世界へ羽ばたく 岩手県が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が岩手県からの委託を受けて実施した「岩手県プレスツアー」は、9月18日から19日にかけて「多様な担い手が未来へ紡ぐ-岩手の伝統継承の現場を訪ねて」をテーマに県内で行われた。初日の訪問先となったのは、東日本大震災をきっかけに岩手県大槌町で誕生した「大槌刺し子」である。震災を経て地域に根付き、いま......
ユーモアを解さない独裁者──トランプ氏も冗談に過敏、米国の言論の自由は中国の後を追う アメリカは言論の自由を誇ってきたはずだ。ところが、深夜トーク番組『ジミー・キンメル・ライブ!』が、司会ジミー・キンメル氏によるチャーリー・カーク襲撃事件の揶揄をめぐり、9月17日に放送中止に追い込まれた。6日後に世論の反発を受けて再開したものの、この短い“封殺”は十分な警鐘だ。権威体制下を経験した華人にとって、これは見慣れた構図でもある。自由は一瞬で崩れない......
iPhoneは「神の座」から陥落?世界シェアはサムスンに逆転、中国販売は急落 iPhone 17の発売からわずか1週間、トラブル報告が相次いでいる。背面パネルの細かな傷が目立つという指摘に加え、最大の話題は「一年待ったAI機能がまたも肩透かし」という失望感だ。かつてテック界の覇者だったアップルは、なぜAI時代で出遅れたのか。どんな背景があるのか――台湾メディア『風傳媒』が展開するオリジナルの経済番組/コラムブランド『下班経済学』で、経......
遠野伝承園――曲り家とオシラサマにみる暮らしと信仰 岩手県が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が委託を受けて実施したプレスツアーが、9月18~19日、「多様な担い手が未来へ紡ぐ—伝統継承の現場を訪ねて」をテーマに岩手県内で行われた。初日の訪問先の一つ、遠野市の「遠野伝承園」では、農家の暮らしや民話、地域に根づく民間信仰について取材団が学んだ。岩手県遠野市の遠野伝承園・御蚕神堂には約1,......
台湾出身、層雲峡で生きる。「北海道の自然と共に働く」台湾人ガイド、Tobyさんの物語 北海道・層雲峡で自然ガイドとして活動する台湾出身のTobyさん。現在は上川町の層雲峡ビジターセンターに勤めながら、個人で登山やエコツアーのガイドも行っている。来日して約8年くらい。日本の都市部ではなく、あえて自然豊かな山間の地を選んだ理由は何か。『風傳媒』の取材に応じ、北海道へ移り住んだ経緯、日々の仕事、そして層雲峡で見つけた「新しい居場所」について語ってく......
台湾観光署長が百人代表団を率い「ツーリズムEXPOジャパン2025」に出展 五感体験で台湾観光の新コンセプトを発信台湾観光署は9月25日、愛知県で開幕した日本最大級の旅行見本市「ツーリズムEXPOジャパン2025」に出展し、陳玉秀署長が約100人の代表団を率いて台湾の魅力をPRした。代表団には台湾観光協会のほか、旅行・宿泊・航空各社、国立故宮博物院、原住民族委員会、農業部林業及自然保育署に加え、桃園市、新竹市、南投県、台南市、嘉義県......
岩手・花巻市の株式会社小彌太、3Dプリンターとゴムわらじ開発で伝統芸能継承に挑戦 岩手県が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が実施した岩手県プレスツアーの2日目、記者団は花巻市の株式会社小彌太を訪問した。1781年創業の老舗染物会社である同社は、代表取締役社長・小瀬川弘樹氏のもと、2024年に郷土芸能事業「雷太(らいた)」を立ち上げた。10代目の小瀬川雄太氏(営業部課長・取締役・染師)が登壇し、会社の沿革と自身の役......
花人・赤井勝氏、FCCJで作品展 写真と装花の新表現も披露 花人・赤井勝氏の作品展「Masaru Akai’s World of Floral Art」が、9月1日から10月3日まで東京・丸の内の日本外国特派員協会(FCCJ)で開催されている。会場では、独自の花芸術「Soka」による鮮やかな装花の世界が広がり、外交官夫人らを魅了してきた赤井氏の花の表現力が堪能できる。花人・赤井勝氏がFCCJで作品展を開催し、写真との......
韓国社会を覆う「集団的絶望」 経済不安が引き金に――40代では自殺ががんを上回り最多の死因 韓国社会で、自殺の深刻さがかつてない水準に達している。最新の政府統計によれば、40代では意図的な自己傷害行為(自殺)が初めてがんを上回り、死亡原因の首位となった。統計が残る1983年以降、初めての事態だ。韓国統計庁のデータを引用した『コリア・ヘラルド』によると、2024年の自殺者は1万4,872人で、前年(2023年)比6.4%増。過去13年で最多となった。......
栃木県で17年暮らす台湾人・婷婷さん——地方で築いた創業の軌跡 台湾・台中出身の婷婷さんは2008年に来日し、栃木県での暮らしを始めた。それから17年。地元で美容サロンを立ち上げ、台湾ならではの技術と温かな接客を武器に、地域に根差した活動を続けている。今回『風傳媒』の取材に応じた婷婷さんは、移住のきっかけや異文化の壁、そして現在に至るまでの起業の歩みを語ってくれた。
台湾出身の婷婷さんは、栃木で17年暮らしながら美容サロ......
チャン・ツォーチ監督「優雅な邂逅」、10月4日に上映&トークイベント開催 台北駐日経済文化代表処・台湾文化センターは、連続企画「台湾映画上映会2025」の第7弾として、チャン・ツォーチ(張作驥)監督の新作『優雅な邂逅』(原題:優雅的相遇/英題:Intimate Encounter)を10月4日に上映する。上映後にはチャン監督がオンラインで参加し、会場には映画評論家の宇田川幸洋氏が登壇してトークを行う。台湾文化センターは10月4日、......