トップ ニュース ユーモアを解さない独裁者──トランプ氏も冗談に過敏、米国の言論の自由は中国の後を追う
ユーモアを解さない独裁者──トランプ氏も冗談に過敏、米国の言論の自由は中国の後を追う 2025年9月21日、アメリカ大統領トランプ氏がチャーリー・カーク氏の追悼式に出席。(AP通信)
アメリカは言論の自由を誇ってきたはずだ。ところが、深夜トーク番組『ジミー・キンメル・ライブ!』が、司会ジミー・キンメル氏によるチャーリー・カーク襲撃事件の揶揄をめぐり、9月17日に放送中止に追い込まれた。6日後に世論の反発を受けて再開したものの、この短い“封殺”は十分な警鐘だ。権威体制下を経験した華人にとって、これは見慣れた構図でもある。自由は一瞬で崩れない。少しずつ蝕まれ、沈黙が習い性になる――。『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』は、トランプ氏が免許取り消しの示唆、批判者への報復、親和的メディアの優遇といった手法で、中国やロシアの権威主義と歩調を合わせつつあると指摘する。合衆国には憲法と市民社会の防波堤がまだある。だが沈黙が常態化したとき、その土台はどこまで耐えられるのか。
トークショーは止まり、また動いた――私たちは独裁にどれほど近い? 9月17日、番組の親会社ディズニーが放送停止を決定。発端はキンメル氏 の“ジョーク”だった。番組は6日後の9月23日に復帰したが、権威主義の下で育った多くの華人には既視感のある光景だ。 『NYT』が伝えたテキサス在住の華人弁護士は、「深夜番組の司会者がまだ大統領をいじれるうちは、アメリカの民主主義は安全だ」と肩をすくめたという。厳格な検閲社会で育った人々にとって、寝る前に“権力者を茶化す”深夜番組はまさに自由の象徴だったからだ。だが、ひと言の冗談で放送が止まる――その寒気を彼らはよく知っている。習近平体制を経験した人々が語るのは、自由は見えにくいところから削られ、やがて沈黙が当たり前になっていくという現実だ。 元中国の調査記者・張文敏氏 は、否定的報道でたびたび国安当局に脅され、いまは米国に移った。「独裁から抜け出した者ほど、自由が少しずつ侵食される感覚に敏い」と言う。
メディア掌握へ歩を進めるトランプ 同紙は、トランプ氏 が“強権的リーダー”の振る舞いを示してきたと論じる。批判的なテレビ局の免許剝奪をちらつかせ、公共放送の予算削減を唱え、M&Aに介入する一方で、親和的メディアは厚遇する。情報とメディアの掌握は、民主主義の後退研究で“初期段階の定石”とされ、その先には異論や政敵、一般市民への圧迫が続く。もちろん現時点で、独裁国家のように批判者を即座に投獄・失踪させ、新聞やテレビ網を即時閉鎖したわけではない。 だが9月19日、トランプ氏 は自身の政権に対する「否定的報道は違法だ」とまで発言した。エプスタイン事件の報道をめぐり、大手紙に名誉毀損訴訟を起こした件も記憶に新しい。言論の自由を掲げる国で、国家元首が“自分が認める言説だけ”を求める――矛盾は明白だ。
メディアの支配のこのモデルは、他の国でも同様に見られる。 イタリアのベルルスコーニ元首相 はメディア帝国で批判を封じ、ベネズエラのチャベス元大統領 は放送免許を取り上げたうえで長広舌の演説を強制中継させた。ハンガリーのオルバン首相 は税制で主要メディアを締め付け、ロシアのプーチン大統領 は国営企業を介してテレビを握り、政治風刺番組『Kukly(クックリー)』を画面から消した。
健全な社会に「ひとつの声」しか要らないのか 中国は、言論の自由が少しずつ削られていく典型例だ。『NYT』の回顧によれば、1990年代から2000年代初頭の中国は統制が厳しかったとはいえ、ネットや紙面にわずかな余白があり、張文敏氏のような調査記者が汚職を暴き、SNSの議論が当局の対応を促すこともあった。
ところが2012年末、習近平氏 の登場で流れは急変する。新聞の社説は封じられ、官僚にはネット統制の権限が付与され、メディアには「愛党・護党・為党」が求められた。記者のストや市民の抗議、知識人や芸能人の連帯にもかかわらず、返ってきたのは逮捕・処分・禁止だった。 数年のうちに調査報道はほぼ姿を消し、微博(ウェイボー)のような場は騒がしい公共広場から官製の拡声器へ。生き残るには自主規制しかない――そんな空気は、2019年末の武漢で致命的な結果を招く。李文亮医師は同僚らに警鐘を鳴らしたが「デマ拡散」とされ警察から訓戒。警告は棚ざらしにされ、初動は大きく遅れた。李医師の死後、「健全な社会は、ひとつの声だけではない」という言葉がネットで拡散した。嘆願であり、告発でもある。
習近平体制の「萎縮」と自己検閲 習近平統治下の萎縮効果が一段と強まっている。コロナ日記を書いた作家は総攻撃に遭い、ネットはナショナリズムの舞台へ。批判は「外国勢力に刃を渡す」と糾弾され、追悼や貧困を映す動画まで削除対象になる。検閲は文化・学術にも及び、映画の同性愛描写はカット、ラッパーには「正能量(ポジティブ)」の発信、経済学者には“ネガティブ発言”の抑制が求められる。
米・カリフォルニア大学で中国文学・映画を研究する白睿文氏は、自己検閲を「電気柵の学習」にたとえる。羊は一、二度感電すれば二度と近寄らない――面倒を避けるため、知識人は沈黙と用心を選ぶ。そして今、その構図がアメリカでも再演されつつある、と。
独裁者はジョークを理解できない スウェーデンの研究機関V-Demは、言論の自由が悪化している国として米国を含む43カ国(世界の約4分の1)を警告リストに挙げ、この後退が過去10年続いていると指摘する。民主国でも独裁国でも、権力をユーモアで突く者は真っ先に標的になる——これは各地で共通だ。
イランでは女性コメディアンのゼイナブ・ムーサヴィ氏 が「道徳違反」で起訴された。イスラム政権以前の叙事詩に露骨な表現を加えたのが罪状だという。トルコでは、モーセと預言者ムハンマドが天上で親しく語り合う構図の風刺画を描いた漫画家4人が拘束された。インドでは、コメディアンのクナル・カムラが地方政治家をからかった歌を披露しただけで、会場が公務員らに荒らされ公演が潰された。 ベルリンのヘルティ・スクールの社会学者ヘルムート・K・アンハイアー氏 は、権力が言論を抑える定石は、批評者を懲罰して「何が常識か」を塗り替えることだと語る。独立機関を屈服させるのは通過点にすぎず、最終目標は新しい物語の押し付けと公共の自由の切り売り、そして“強い指導者”像の神格化にある。 UCLAの政治学者は「権威主義の指導者は概してユーモアがなく、自嘲など論外だ」と述べる。プーチン氏 が自らを“邪悪な小人”と揶揄されたと聞いて激怒した——そんな逸話は枚挙にいとまがない。トランプ氏 も、報道が自分に否定的だと繰り返し不満を漏らし、ジョークを個人攻撃と受け取るかのように振る舞ってきた。
米国の「ガードレール」はまだ機能するか 『NYT』は、米国が今なお中国と同一線上にないのは、憲法の保障、独立した司法、強い市民社会という“ガードレール”が残っているからだと論じる。ただし、トランプ氏 の威圧的な言動は、そのガードレールすら揺るがしている。
ジミー・キンメル氏 の番組中止騒動の後、中国のSNSには冷笑があふれた。「トランプ氏 は中国で訓練を受けたのか?」と微博に書き込む者もいれば、新華社の動画には「米国はどんどん独裁に似てきた」というコメントが並ぶ。中国の検閲当局もこうした空気を後押しし、米国のネガティブニュースには余計に“枠”を与えて、〈中国は台頭し、米国は衰退している〉という北京の物語に奉仕させる。 中国式検閲を身をもって知る人々には、なおさら刺さる光景だ。元中国調査記者の張文敏氏 は、米国の放送局と親会社ディズニーが政治的圧力に屈したように見えたことで不安を覚えたと明かす。彼女は、かつて中国で同僚たちと「自分たちは勇気が足りない」と自戒し、もっと大胆に権力に抗うべきだったと悔やんだ日々を思い出したという。 「米国人がこれほど従順だなんて、想像もしなかった」と彼女は言う。「それに比べれば、私たちは意外と勇敢だったのだと感じる。」
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