アメリカの半導体大手インテル(Intel)は、最近外部資金とパートナーシップを積極的に模索しており、これまでにアップル、エヌビディア、ソフトバンクといった企業に続き、最新の報道ではTSMCとも接触を持ち、投資や製造協力の可能性について議論を行ったと伝えられている。『ウォール・ストリート・ジャーナル』が伝えたところによれば、両社は既に正式に交流を開始しており、提案されている選択肢には直接投資と合弁会社設立の2つのモデルが含まれている。この動きは、インテルが転換期において外部の支援を急いでいることを強調しており、また市場の関心はTSMCの立場や台湾の半導体供給チェーンの安全性に注がれている。
TSMCと台湾にとって何を意味するのか?
業界の分析によれば、TSMCがインテルへの出資を検討する場合、最大のリスクは技術流出であるとされている。アナリストは、インテルが協力を通じてTSMCの先進的な製造プロセスの詳細を把握することができれば、TSMCの世界市場でのシェアや競争優位性に影響を与える可能性があると警告している。さらに、台湾が国際半導体供給チェーンにおいて持つ地位にも打撃を与える恐れがある。TSMCの魏哲家会長は過去に、インテルの半導体工場への買収や出資を検討しないと明言しており、潜在的なリスクを避けるためである。また、インテルはアメリカの軍事および国家安全保障関連の受注も担当しており、アメリカ政府はこのような協力を審査する際に慎重な態度を取ることが予想される。台湾にとって、いかなる国際的な協力も国家戦略資産に関わるものであり、特にAIや高性能プロセス技術の需要が急速に拡大している現在、リーダーシップを維持し、核心技術を守ることが重要な課題となる。
インテルとTSMCの協議はどこまで進んだのか?
ロイターは、今年4月に『The Information』が報じたところによると、インテルとTSMCは初期的な合意について議論し、合弁会社の設立を計画していたことを指摘している。TSMCは新会社の20%の株式を保有する可能性があるという。最新の『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道によれば、両社の接触は、TSMCへの直接投資や製造協力を含む方向で進んでおり、この交渉が単なる憶測ではないことを示唆している。さらに、外部メディアは、これらの動きがアメリカのトランプ大統領がインテルに関心を示す前から始まっていたことを指摘しているが、アメリカ政府が10%の株式を取得して以来、進展が急速に加速したと報じている。なお、台湾時間の26日午前9時時点で、インテルとTSMCはこの関連する噂についていずれもコメントしていない。 (関連記事: 日本のRapidus、2ナノ試作でTSMCに並ぶ快挙 インテル18Aを超えるロジック密度を達成 | 関連記事をもっと読む )
なぜインテルはTSMCを探し求めるのか?
インテルはかつて半導体業界のリーダーであったが、人工知能(AI)向けのチップの波に乗り遅れ、エヌビディアやAMDに後れを取っている。業績の回復を目指し、インテルのCEOである陳立武氏はファウンドリ事業の強化を進めてきたが、数十億ドルを投入したにもかかわらず、この部門は依然として外部顧客を十分に引き付けることができていない。外部メディアの報道によると、インテルは最近ソフトバンクから20億ドルの投資を受け、さらに先週にはエヌビディアから50億ドルの追加投資を受け、約4%の株式を取得した。このような動きは、インテルの経営圧力が競争相手からだけでなく、市場からの長期的な競争力に対する疑念からも来ていることを示している。そのため、TSMCとの協力を模索することは、戦略的な選択肢となっている。