トップ ニュース 利下げが引き金?米株は一時20%上昇後、1929年型大暴落の恐れ
利下げが引き金?米株は一時20%上昇後、1929年型大暴落の恐れ 「ブラックスワン」ファンドの著名マネージャーであるマーク・スピッツナーゲル氏が、米国株式市場について衝撃的な予測を示した。彼は、市場が一時的に大幅な上昇を遂げた後、最終的には1929年のウォール街大暴落に匹敵する規模の崩壊に直面する可能性が高いと主張している。スピッツナーゲル氏は、ベストセラー『ブラックスワン』の著者ナシーム・ニコラス・タレブ氏の弟子としても知られ、過去の市場暴落局面で顧客に巨額の利益をもたらした実績を持つ。
彼が率いるヘッジファンド「ユニバーサ・インベストメンツ(Universa Investments)」は、2015年の「フラッシュ・クラッシュ」でわずか1日で10億ドルを稼ぎ出した実績がある。また、リーマン・ショックや新型コロナ禍による市場急落でも卓越した成果を上げており、その市場分析には常に高い注目が集まってきた。 懸念されるのは、彼が現在の市場状況が1929年の大暴落と驚くほど似ていると考えている点である。
スピッツナゲル氏は、アメリカ政府による市場と経済への繰り返しの介入が、問題を悪化させる主な原因だと指摘している。現在、株式市場の評価が歴史的な最高水準に近づく中、政府の救済策は、最終的な「爆弾」がより激しく爆発するだけだと警告している。
米株は一時8000ポイントに? しかし、スピッツナゲル氏は「良いニュース」も提供している。スピッツナーゲル氏は「現在の市場環境は1929年に驚くほど似ている」とし、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げなどが短期的な上昇を後押しする一方で、長期的にはリスクを増幅させていると指摘する。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』によれば、彼はS&P500指数が一時的に8000ポイントに達し、約20%の上昇余地があると予測。しかしその後、深刻な崩壊が訪れる可能性があると警告した。彼は「投資家にとって最大のリスクは市場そのものではなく、むしろ自分自身だ」とも語っている。
「末期上昇」の危うさ 歴史的にも、熊市入り前に市場が異常に盛り上がるケースは少なくない。1980年以降、S&P500指数は熊市直前の12カ月間で平均26%の上昇を記録している。1929年の株価大暴落の直前には、その倍以上の急騰があったことも分かっている。
現在も同様に、投資家の株式エクスポージャーは2007年以来の高水準に達しており、米国の個人投資家による株式比率も過去最高水準にある。さらに、投資適格債の利回りスプレッドは1998年以来の低水準まで縮小し、取引所の出来高も急増している。こうした兆候は投資家の過度なリスクテイクを裏付けている。
「テールリスク戦略」で利益 ステート・ストリート銀行の先月のデータによれば、機関投資家の株式へのエクスポージャーは、2007年11月以来の新高値に達しており、当時は破壊的なベアマーケット の直前だった。さらに、アメリカの家庭の株式保有比率も歴史的な高水準を記録しており、テクノロジーバブルの時期を上回る水準に達している。他の兆候としては、投資家が慎重さを捨てつつあることが挙げられる。投資適格債券の利差は1998年以来の低水準に達しており、アメリカの株式市場の取引量も、4月の「解放日パニック」の時期の記録に迫っている。
「テールリスク」戦略:市場崩壊で利益を得る スピッツナーゲル氏の戦略は、市場崩壊の正確なタイミングを予測するものではない。彼のファンドは「テールリスク保護」と呼ばれる手法を活用し、大部分の期間では損失を出すものの、極端な下落局面では莫大なリターンを得る。この仕組みにより、年金基金などの顧客は市場上昇の恩恵を受けつつ、暴落時のリスクに備えることが可能となる。
FRB介入が「大火」を招く? 『ウォール・ストリート・ジャーナル』によれば、この戦略により、Universaの顧客(主に退職基金などの伝統的な投資機関)は、市場の上昇から得られる利益を享受しながら、潜在的な崩壊に備えることができる。しかし、スピッツナゲル氏は、現在の狂乱的なブルマーケットが最終的に1929年以来最も深刻な崩壊を迎える可能性があると考えており、その理由として連邦準備制度が繰り返し市場と経済に介入してきたことを挙げている。彼はこのアプローチを、小規模な森林火災を消すために消火活動を続けるうちに大量の枯れ枝が積み重なり、最終的に制御できない「大火」につながることに例えている。現在、株式市場の評価が歴史的な高水準に近づいている中、この「大火」の破壊力は一層驚異的なものになる可能性がある。
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