自民党総裁選挙が10月4日に実施され、新総裁が次期首相となる。最新の全国世論調査によれば、支持率は高市早苗氏(衆議院議員)が28%で首位、小泉進次郎氏(農林水産大臣)が22.5%で続き、林芳正氏(官房長官)が11.4%で3位となっている。これについて、東京大学東洋文化研究所の林泉忠研究員が風傳媒の番組『下班國際線』で見解を示した。
全国調査と党内選挙の違い
林氏はまず、この世論調査は全国民を対象としたものであり、自民党党員・議員を対象とする党内調査とは性質が異なると指摘した。昨年の選挙を例に挙げ、「石破茂氏は民間世論調査で上位だったが、党内選挙では高市早苗氏に大きく劣勢だった」と説明。そのうえで「高市氏は右翼色が強く、現実的な政策遂行力を示せなかったことが、昨年敗北した要因だ」と分析した。
小泉進次郎氏の強みと課題
小泉氏については「若さとルックス、そしてSNSや演説の巧みさが強み」と評価。一方で、昨年は第1回投票で敗退し、「若すぎる」ことへの党内の不安が背景にあったと振り返った。しかし、今年は農林水産大臣として米価問題の解決に取り組んだ実績が支持を広げ、「『頭脳明晰ではないが、結果を出す人物』という評価につながっている」と述べた。
林芳正氏への期待
最後に林芳正氏について、林氏は学歴、経験、能力、才覚の面で他の候補を上回っていると述べた。外見が唯一の弱点とされるが、能力では党内の大物や中間派から信頼を得ている。林氏の予測では、今後3週間で調査の順位が上がり、最終投票段階に進む可能性が高いとされている。
林氏は林芳正官房長官について「学歴、経験、能力、才覚のすべてで他候補を上回る」と高く評価。その一方で「唯一の弱点は外見的な華やかさに欠けること」とも指摘した。ただし「党内の重鎮や中道派からは安心感を持って支持されている」と強調し、残り3週間で支持率が急上昇する可能性を示唆。「最終投票に進出する可能性が高く、最も有力な候補は林芳正氏だ」と展望した。
編集:梅木奈実 (関連記事: 自民党総裁選2025告示 小泉進次郎・高市早苗ら「五虎大将軍」が出馬、10月4日に次期首相決定へ | 関連記事をもっと読む )
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