気象専門家の呉徳榮氏は9月19日、西北太平洋に3つの台風が存在していると指摘。そのうち台風18号(ラガサ)が唯一台湾に脅威をもたらす可能性があると警告した。最新のシミュレーションでは「中度以上」の勢力に発達し、9月23日から24日にかけてバシー海峡を通過して南シナ海に入る見込みで、台湾東部や南部では大雨による災害に警戒が必要だとしている。
高温注意報も発表
中央気象署は高温情報を発表。台風外側の下降気流の影響で、台北市・新北市・台中市では36度以上の高温が連続する可能性がある「橙色警戒」、桃園市では「黄色警戒」が出されている。
台風3つの動向
18日には一日で3つの台風が発生。呉氏は中央大気科学系の解説で「西北太平洋には3つの台風が存在するが、距離が離れており藤原効果(共舞)の条件はない」と説明した。
- 台風17号(ミートク)は広東沿岸に接近中で、汕尾から香港の間に上陸し西へ進む見通し。台湾への影響はない。
- もう一つの台風19号(ノグリー)も台湾から遠く離れており、直接の脅威はない。
- 脅威となり得るのは台風18号(ラガサ)のみだ。
台風18号(ラガサ)の進路予測
欧州の数値モデルでは、台風18号の平均的な進路はバシー海峡を通過。ただし個別のシナリオでは左右にばらつきがあり、進路は依然として不確定性が高いという。
呉氏は「中度以上に発達する可能性が高いこと、さらに進路がまだ定まっていないことから、台湾にどの程度の脅威となるかは今後も注意深く見守る必要がある」と述べた。
今後の天気予測
- 19〜20日:台風17号(ミートク)の外側の雲や低気圧の影響で、恒春半島や東部は局地的な雨、西部は午後に雷雨の可能性。北台湾は酷暑が続く。
- 21日:水蒸気が減少し、全般に晴れて暑く、午後は山間部でにわか雨や雷雨の可能性。
- 21日夜〜22日:台風18号の外側の影響で台北・東部は雨に変わる。冷たい空気はないが、雨により気温はやや低下。その他は依然として暑い。
- 23〜24日:台風18号がバシー海峡を通過し南シナ海へ。台湾東部・南部は大雨による災害リスクが高く、南部や沿岸部では強風にも注意。その他地域もにわか雨の天気。
- 25日:台風18号が遠ざかり、西部は晴れて暑く、午後は局地的な雷雨。東部は局地的に短時間の雨が残る。
編集:梅木奈実 (関連記事: 2025年台北牛肉麺おすすめ12店舗! ミシュラン掲載店から老舗まで完全ガイド | 関連記事をもっと読む )
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