台湾での国民党主席選挙は18日、出馬表明が始まってから4日目を迎え、前副主席の郝龍斌氏、立法委員の羅智強氏、前立法委員の鄭麗文氏が相次いで出馬を宣言し、選挙戦は本格化した。郝氏は元中広董事長の趙少康氏と共に姿を現し、正式に立候補を届け出た。郝氏は、自らを「呉伯雄2.0」と位置づけ、国民党を再び政権へ押し上げる決意を強調。さらに台中市長の盧秀燕氏から「頑張って」と励ましのメッセージを受け取ったことを明かした。趙氏は、かつて自らを支持した友人らに郝氏への投票を呼びかけ、「郝龍斌に投票することは趙少康に投票するのと同じだ」と訴えた。
インタビューで郝氏は、今回の党内選挙を「君子の争い」と位置づけ、国民党の戦闘力を再び結集させたいと語った。自身の目標は、2008年に国民党を立法院で過半数に押し上げ、馬英九氏を総統に当選させ政権復帰を実現した呉伯雄氏のリーダーシップを再現することだと説明。政府や党務での経験を踏まえ、無私の精神で野党勢力をまとめ上げ、2026年の選挙で勝利し、2028年に政権を取り戻すと誓った。そのうえで「私は総統を目指さない。作王者として個人的な利益を追求することはしない」と強調した。
さらに郝氏は、党主席に就任すれば取り組むべき二つの課題があると指摘。それは民進党が掲げる「台湾独立綱領(台湾独立を目指す政策路線)」と「非核家園(脱原発政策)」という二つの象徴的政策を打破することだと語った。「台湾独立綱領」は台湾を危険にさらし、「非核家園」は深刻なエネルギー問題の解決を妨げていると主張。欧州連合を含む多くの国々が原子力をクリーンエネルギーと認識している現状や、台湾でも二度の国民投票で原子力利用が支持されたことに触れながら、民進党がなお原子力活用に背を向けていると批判した。そして「原子力で緑を養う」という民進党の方針は経済や台積電の電力不足を深刻化させているとし、党主席として必ず打破に取り組むと宣言した。
趙氏も郝氏を支援する立場を鮮明にした。郝氏が台北市長時代に花博を成功裏に実施し、地方の有力者とも強固な関係を築いたことを挙げ、主席就任に十分な基盤があると評価。自身に対しても党主席選挙出馬を求める声があるが、現在はメディア経営に携わっているため、立候補すれば中広の株式を処分しなければならず、77億元(約3,600億円)もの負債を抱えた中広を引き受けるのは現実的ではないと説明した。その上で「郝龍斌に投票することは趙少康に投票するのと同じだ」と改めて支持者に呼びかけた。
また、盧秀燕氏との関係について問われると、郝氏は日常的に連絡を取り合っているとし、党内の意見指導者らとも意見交換を行っていると説明。前日には盧氏から「頑張って」との励ましのメッセージを受け取り、感謝の返信を送ったことも明らかにした。
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