空間創造企業の株式会社船場(東京都港区、小田切潤社長)は8月27日、米国Autodesk社と「戦略的提携に関する覚書(MOU)」を締結した。共通データ環境(CDE)の構築と業務プロセス改革を通じ、内装業界におけるDX推進とBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及を目指す。
本提携により、船場はAutodesk Construction Cloud(ACC)を基盤とした全社共通のCDE構築を進め、設計から施工に至る業務プロセスの高度化を図る。さらに、社内向けに開発したBIM教育プログラムをAutodeskと連携して外部展開し、業界全体の人材育成にも取り組む。
内装ディスプレイ業界では設計・施工プロセスの複雑化が進み、BIMによる情報一元管理の重要性が増している。船場は2019年にBIM推進室を設立し、Autodesk Revitを用いたBIM導入を拡大。2024年時点で設計職の76%がRevitの基本技術を習得し、約180件のプロジェクトで実装するなど、業界内で先行的にBIMを社内文化として定着させてきた。
今回のMOUでは、①全社CDEの構築による業務プロセス改革、②ACC活用の拡大による協力パートナーとの連携強化、③教育コンテンツの社外展開によるBIM活用促進――の3領域を重点に据える。
船場の小田切社長は「CDEでの連携強化により、関係各社との協働を深め、業界全体のDX推進と人材育成に貢献していく」とコメント。Autodesk日本法人トップの中西智行氏も「船場との協働を通じ、内装業界全体でのBIM導入拡大と建設業界全体のDX加速を支援したい」と述べた。
船場は今後、全社的なCDEの構築を進めながら「Borderless Creativity & Innovation」を掲げ、空間創造企業としてさらなる競争力強化を目指す。
編集:柄澤南
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