台湾の最大野党・中国国民党の主席選挙は、立候補受付が最終段階に入っている。こうした中、本土派の有力者や地方議会の議長らが16日、新北市議会近くの海鮮料理店「海釣族」で会合を開き、次期主席として前台北市長の郝龍斌氏を支持することで一致した。会合は新北市議会の蔣根煌議長と、雲林県の元県長である張榮味氏が主導したもので、今後は郝氏が立候補を正式表明した際、そろって届け出に同行する計画も練られている。
この集まりには、新竹市議会の許修睿議長、屏東県議会の周典論議長、台東県の元議長・呉俊立氏らが参加。張榮味氏本人は所用で欠席したものの、側近らが同席した。
現在の情勢調査では、前立法委員の鄭麗文氏が22.2%でトップ、郝龍斌氏が20.5%で続き、両者の差はわずかとなっている。ただし鄭氏の背後には大手実業家・CK楊氏の影響が強く、一部の本土派議員らは資金面での不安を抱えており、そのため郝氏を推す判断に傾いたとされる。
今回の会合には、金門県議会の洪允典議長、連江県の張永江議長も加わった。とはいえ、郝氏がまだ正式に出馬を表明していないため、当面は大きな動きは控えるが、出馬を決断すれば議長団が揃って支持を打ち出す見込みだ。
また、国民党立法院党団の総召(院内総務)である傅崐萁氏も、自身が立候補できないことから、郝氏への支持を固めたとされる。一方で、本土派の精神的支柱とされる王金平元立法院長や、李乾龍元国民党秘書長、桃園市議会の邱奕勝議長らは、まだ態度を決めていない。
それでも、多くの地方議長や派閥がすでに支持を表明したことから、国民党本土派が郝龍斌氏を推す流れは「既定路線」となりつつある。
台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp (関連記事: 台湾民意基金会の最新調査》国民党が異例の急伸 野党連合なら民進党を8.7ポイント上回る | 関連記事をもっと読む )