トップ ニュース 米保守派インフルエンサーのチャーリー・カーク氏が演説中に暗殺 専門家「報復の連鎖が始まる危険」
米保守派インフルエンサーのチャーリー・カーク氏が演説中に暗殺 専門家「報復の連鎖が始まる危険」 2025年9月12日、ニューヨークでヤングリパブリカンのメンバーがマディソンスクエアパークで行われた「アメリカンターンニングポイント」創設者チャーリー・カーク氏の追悼に参加した。(写真/AP通信提供)
米国の著名な保守派インフルエンサーであり、非営利団体「 ターニング・ポイントUSA(TPUSA) 」の創設者であるチャーリー・カーク(Charlie Kirk)氏が、9月10日にユタ州のユタ・バレー大学(Utah Valley University)で行っていた演説中に銃撃を受け死亡した。事件は全米に衝撃を与え、政治暴力の深刻化に一層の懸念を呼び起こしている。
米マサチューセッツ大学ローウェル校の犯罪学教授で、政治暴力研究の第一人者であるアリエ・ペルリガー(Arie Perliger)氏は、米メディア《The Conversation 》の取材に応じ、「これは決して一過性の事件ではない」と警鐘を鳴らした。
「非民選指導者」を狙った暗殺の異例性 ペルリガー氏によれば、政治暗殺の標的は通常、民選の公職者や政府高官に限られることが多い。非営利組織のリーダーが狙われるのは稀であり、今回の事件は「政治的憎悪の対象が拡大している」危険な兆候だという。
さらに同氏は、民主国家における暗殺事件のパターンを長年研究してきた経験から「政治暗殺は波のように連鎖する傾向がある」と指摘する。
「一度暗殺が成功すると、極端な思想を持つ対立勢力が『報復』を正当化する雰囲気が生まれる。暴力が政治的行為として容認されるという誤った認識が広がり、模倣と報復の連鎖が始まる可能性がある。カーク氏の死は終わりではなく、新たな暴力の波の始まりかもしれない」と分析した。
米国で相次ぐ政治暴力事件 カーク氏の死は孤立した出来事ではない。米国では近年、政治暴力事件が頻発している。
2024年:トランプ前大統領が選挙活動中に2度の暗殺未遂を経験。
2025年初頭:ペンシルベニア州知事ジョシュ・シャピロ氏の官邸が過越祭の期間中に火炎瓶攻撃を受けた。 2025年:ミネソタ州下院議員メリッサ・ホートマン氏とその夫が殺害された。
ペルリガー氏は「1960年代にも公民権運動やベトナム戦争を背景に政治的混乱があったが、現在の状況は質的に異なる」と述べる。
データによれば、連邦・地方レベルの公職者に対する脅迫件数は急増しており、「現在の特徴は、 政治的スペクトルの両端において政治的暴力 容認の傾向が強まっている。常に約4分の1の市民が、何らかの形で政治暴力を支持または正当な手段と考えている」という。
政敵の「悪魔化」と社会分断 ペルリガー氏は、こうした背景には米国社会の前例のない政治的分断があると分析する。
キャンパスの象徴性と暗殺事件の衝撃 今回の銃撃事件が大学キャンパス内で起きたことは、深い象徴性を持っている。ペルリガー氏は「本来、大学は思想を探求し、激しい議論をしても文明的に解決する知識の中心地であるべきだった。しかし、この1年でキャンパスの一部は暴力的になり、もはや対話の余地を残さない敵対的な空間となっている」と警鐘を鳴らした。
カーク氏の暗殺は、大学というかつての思想の殿堂が、いまやイデオロギー対立の最前線へと変貌しつつある現実を突き付けた。
トランプ大統領の反応と矛盾 事件直後、トランプ大統領は「急進左派やメディアの言論が、米国をテロリズムに導いている」と非難した。これに対しペルリガー氏は「言葉が人々の行動に影響を与えることは確かで、政治家の発言が暴力の正当性に直結する」と一定の理解を示した。
しかし同時に、「トランプ自身も2021年1月6日の議会襲撃に関与した数千人を赦免する意思を示していた。これは暴力を奨励するシグナルでもあった」と矛盾を指摘。ペルリガー氏は「政治指導者は自らの言葉に責任を持ち、建設的な政治言説を発信すべきだ。だが政府や政党が発する矛盾したシグナルが暴力を正当化してしまう」と強調した。
暴力の悪循環を断ち切る2つの提案 国家が政治的暴力の悪循環に陥ったとき、いかにして抜け出すことができるのか。政治暗殺の研究者であるペルリガー氏は、二つの道筋を提示している。
政治リーダーが政策領域で協力し合う姿を示すことで、国民に「和解と共存は可能」という強いメッセージを届けることができる。
政治制度を調整し、建設的な政策形成を行う人物が支持されるよう仕組みを変える。これにより、過激な声を周縁化し、合意形成を促すことができる。
SNSで拡散する「報復」言説 ただしペルリガー氏は、インタビューの最後で深刻な懸念を吐露した。彼は極端的なネット上のコミュニティを監視する作業を続けているが、一部の左派が今回の暗殺事件を「祝う」動きを見せ、それが極右のオンライン空間での言論の激化を招いているという。報復的措置や内戦にまで言及する声が増しており、「これこそ最も危険な兆候だ」と語る。
「私はこれまで以上に多くの報復的な言説を目にしている。しかも、相手に対して少しの同情も示そうとしない姿勢が強く感じられる。人々の感情が極度に高ぶっている状況で、今後数週間に起こり得る事態を非常に懸念している」とペルリガー氏は警告した。
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