「MAGA国師」カーク氏射殺 トランプ大統領の最側近、キャンパス演説中に銃撃され米国全土で半旗哀悼

2025-09-11 19:51
2025年9月10日、ユタ州オレム市のユタ・バレー大学で演説前に帽子を配布するチャーリー・カーク氏。(AP通信)
2025年9月10日、ユタ州オレム市のユタ・バレー大学で演説前に帽子を配布するチャーリー・カーク氏。(AP通信)
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アメリカで影響力を持つ保守系の若者運動リーダーであり、団体「ターニングポイントUSA」を創設したチャーリー・カーク氏(31)が、9月10日午後、ユタ州のユタ・バレー大学で演説中に銃撃を受け死亡した。白昼に起きた「政治的暗殺」は全米に衝撃を与え、トランプ大統領が直ちに追悼声明を発表、連邦捜査局(FBI)も捜査に着手した。

この銃撃事件はユタ州オレム市のユタ・バレー大学キャンパス内で発生し、カークは「アメリカ復興ツアー」秋のツアーの初講演を行っていた。現場の映像と目撃者の証言によると、これは悲劇的な殺戮事件であった。

アメリカ復興ツアーが悲劇の舞台に

事件はユタ州オレム市のユタ・バレー大学キャンパス内で発生。カーク氏は「アメリカ復興ツアー」(The American Comeback)と題した秋の全国講演の初回を行っていた。白いテントの下に掲げられたスローガンのもと、数百人の支持者を前に演説を始めて約20分後、銃弾が彼の首を直撃した。

現場の映像では、カーク氏が突然後方にのけぞり、血を流しながらその場に倒れる姿が捉えられていた。会場は一瞬で混乱に包まれ、「逃げろ!」という叫び声とともに観客が四方に散り、騒然となった。警護に当たっていた関係者が直ちに病院へ搬送したが、容体は急速に悪化し、命を救うことはできなかった。

2025年9月10日、チャーリー・カークがユタ州オレム市のユタ・バレー大学で銃撃され、群衆が四散した。(AP)
2025年9月10日、ユタ・バレー大学での銃撃事件発生直後、混乱の中で四散する群衆。(AP)

ユタ・バレー大学の広報担当トレイナー氏によれば、銃撃は演壇から約200ヤード(約183メートル)離れた建物から行われたとみられている。発砲の前後には、学内のロシー・センター屋上付近(約150ヤード先)で人影が確認されており、計画的な狙撃の可能性が高いとされる。

事件直後、4万4,000人以上の学生を抱えるユタ・バレー大学はただちにキャンパスを閉鎖し、授業を全面的に中止。全教職員と学生の避難が行われた。

FBIが調査に介入 州知事「政治的暗殺」と指摘

この銃撃は全国的に注目され、FBIが捜査を主導。局長のカシ・パテル氏はSNS「X」で、カーク氏の命を奪った「恐ろしい銃撃事件」に関与した容疑者を拘束したと発表した。ユタ州のスペンサー・コックス知事は会見で「政治的暗殺」との認識を示し、「この殺人者を必ず突き止める」と強調した。なお、最初に拘束された人物は犯人ではなかったものの、司法妨害の罪で起訴されている。

2025年9月10日、チャーリー・カークがユタ州オレム市のユタ・バレー大学で銃撃された後、多くの法執行機関が現場に到着。(AP)
2025年9月10日、銃撃事件発生後、ユタ・バレー大学の現場に駆け付けた法執行機関。(AP)

トランプ「伝説」の死を悼む 政界が政治暴力を一斉に非難

チャーリー・カーク氏の死は全米の政界に衝撃を与えた。トランプ大統領は事件直後、自身のSNS「Truth Social」で無事を祈る投稿を行い、その後死亡が確認されると深い哀悼の意を表した。さらに、大統領命令として全米の半旗掲揚を指示し、日曜午後6時まで続けるよう求めた。 (関連記事: トランプ大統領、ウクライナに領土譲渡を要求 「ロシアは大国、ウクライナは違う」と発言か 関連記事をもっと読む

2018年3月22日、ホワイトハウスのアイゼンハワー行政府オフィスビルで行われた「次世代ホワイトハウスフォーラム」でトランプ大統領と司会のチャーリー・カークが握手。(AP)
2018年3月22日、ホワイトハウスのアイゼンハワー行政府オフィスビルで握手するトランプ大統領と司会のチャーリー・カーク氏。(AP)

トランプ大統領は「偉大で、伝説的なチャーリー・カークが亡くなった。アメリカで誰よりも若者の心を理解していたのは彼だった。彼は国民すべてに、そして私にとって愛され、尊敬される存在だった。今や彼は我々の間にいない」と記したうえで、妻のエリカ氏と家族への哀悼を示し、「チャーリー、我々はあなたを愛している」と結んだ。

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