株式会社ルミネ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:表輝幸)は2025年9月12日、東京都港区に新たな大型商業施設「ニュウマン高輪」を開業する。開業に先立ち10日に報道関係者向けの内覧会が実施され、店長の鈴木和馬氏が登壇し、施設の特徴やコンセプトを紹介した。

最大規模のニュウマン
ニュウマン高輪は、ルミネ・ニュウマンを合わせて16館目となる施設で、延床面積は約6万平方メートルと過去最大規模を誇る。今回オープンするのはSouth・Northエリアの1~5階に入る154店舗と、28・29階の「LUFTBAUM(ルフトバウム)」11店舗の計165店舗。さらに2カ月間限定のポップアップ12店舗を加えた177店舗が出揃う。来春にはMIMUREエリア約8,000平方メートルが追加され、最終的には約200店舗規模へ拡大する予定だ。

鈴木氏は「ニュウマン高輪の存在意義は“商業の枠を超えて、100年先の生活価値をデザインすること”にある」と述べ、「圧倒的なリアル体験価値」「社会とつながる心地よい体験価値」「街と共に育む共創価値」という三本柱を提示した。

空中庭園「LUFTBAUM」
リアル体験価値を象徴するのが、地上約150メートルに位置する「LUFTBAUM」だ。館内には500本以上の植物が配され、樹齢100年のチャボヒバや枝垂桜、紫陽花、モミジなど四季を感じる植栽が並ぶ。昼は生命力あふれる空間、夜は幻想的な雰囲気と、時間によって異なる表情を見せる。約1,000席を備える飲食フロアには「The Public Place」をはじめとする11店舗が出店。オープニングではトラックメーカーSTUTSによる360度立体音響システムを使った音楽演出も行われる。
サステナブルと地域共創の取り組み
社会とのつながりを重視し、衣料循環プロジェクト「anewloop」を導入。高輪中学・高校の生徒が地域で回収した衣料を再生布として商品化し、South 4階「THE GOODLAND MARKET」で販売する。サステナブルブランド「CFCL」や、刺し子を取り入れた「PORTER CLASSIC」も出店する。
地域との共創を体現するSouth 5階「コモレビア」では、日販グループの「ひらく」と連携し、約10万冊を揃える大型書店「BUNKITSU TOKYO」を核に、カフェ、ダイニング、写真館、雑貨、アートが融合する空間を整備。旗艦店となるBUNKITSU TOKYOは有料・無料エリアを備え、223席のカフェラウンジも展開する。さらに老舗ジャクエツと協業し、「あそび×アート」をテーマにした屋内パーク3カ所を設ける。

多彩な飲食・文化発信
八芳園が「八芳園洋菓子店」と和食「割烹 BUTAI」を出店、明治屋は生鮮食品やデリカを展開する。ルミネ直営「800°DEGREES」では地方食材を取り入れ、生産者と都市をつなぐ試みを行う。 (関連記事: 天王洲アートウィーク2025開幕 寺田倉庫で織りなす「境界・記憶・自然」のアート対話 | 関連記事をもっと読む )

文化発信にも注力し、鈴木氏は「日本酒は世界に誇れる文化だが酒蔵は減少している」と語り、4月に日本酒イベントを開催した実績に触れながら、「地域の文化を守り、世界へ届ける役割も果たしたい」と述べた。